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CT

造影CT(ボーラストラッキングと各相)

造影CTは、ヨード造影剤を使って血管や病変の コントラストを高める 検査です。造影剤は時間とともに「血管 → 実質 → 排泄」と分布が変わるため、撮るタイミング(相) がとても重要になります。

時間とともに濃染が変わる

造影剤を急速に静注すると、血管や臓器のCT値は時間とともに 上がってピークを迎え、その後下がって いきます。しかも ピークの時刻は構造ごとに違い、おおむね 大動脈 → 門脈 → 肝実質 の順に遅れて濃染します。だからこそ、撮るタイミング(相)によってよく染まる組織が変わります。

造影の時間-濃度曲線(臓器別)と各相 造影剤注入からの時間に対する、大動脈・門脈・肝実質それぞれのCT値の変化を示したグラフ。大動脈が早く鋭くピークを迎え、続いて門脈、やや遅れて肝実質がピークになり、後期は3本が近づいて平衡相になることを示す。 CT値 注入からの時間 大動脈 門脈 肝実質 動脈相 門脈相 平衡相
図:大動脈→門脈→肝実質の順にピークが遅れる。後期は3本が近づいて平らになり、これが平衡相。

代表的な相は次のとおりです。

  • 動脈相(早期):動脈や、血流が豊富な病変が強く濃染します。
  • 門脈相:肝実質がもっとも濃染する時相で、肝臓の評価に重要です。
  • 平衡相(後期):全体の濃染が均一化し、遅れて染まる所見の評価に使います。

たとえば多血性の肝細胞癌(HCC)は動脈相で強く濃染し、門脈相以降は洗い出されて周囲より低く見えるなど、時相ごとの濃染の差そのものが診断の手がかりになります。

ボーラストラッキング

最適なタイミングで撮るための方法が ボーラストラッキング です。造影剤を急速静注し、目的の血管のCT値が設定したしきい値に達したら、自動的に撮像を始めます。これにより、患者ごとの循環の差があっても、狙った相で撮れます。

なお、低管電圧(低kV) にすると、ヨード造影剤のコントラストはさらに高まります(別記事「被ばく低減技術」へ)。

試験で問われやすいポイント

  • 造影剤は時間で分布が変わるので、相(タイミング) が重要。
  • 動脈相=動脈・血流豊富な病変/門脈相=肝実質が濃染/平衡相=後期で均一化
  • ボーラストラッキングは、目的血管のCT値がしきい値に達したら自動で撮像開始。

まとめ

  • 造影CTは ヨード造影剤 でコントラストを高め、相(動脈相・門脈相・平衡相) を使い分ける。
  • ボーラストラッキングで、患者ごとに最適なタイミングで撮れる。
  • 低管電圧でヨードのコントラストはさらに向上する。
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