CTの主なアーチファクト(ビームハードニング・金属・モーションなど)
CTでも、実際には存在しない 偽像(アーチファクト) が現れます。原因を知ると、対策や読影での見分けに役立ちます。
金属アーチファクト
歯の詰め物や人工関節などの 金属 は、X線を非常に強く吸収・散乱するため、放射状のスジ(ストリーク)や信号の欠損 を生みます。
対策には、金属アーチファクト低減(MAR:Metal Artifact Reduction) の処理や、管電圧を上げるなどがあります。
ビームハードニング(線質硬化)
X線が物質を通ると、エネルギーの低い成分が先に吸収され、平均エネルギーが高く(硬く) なります。このため濃度に偏りが出ます(中心がへこむ カッピング、骨と骨の間の 暗い帯 など)。
モーション(体動)アーチファクト
撮影中に動くと、ボケや二重の輪郭 が出ます。息止め・固定・高速撮像で対策します。
リングアーチファクト
検出器の素子ごとの感度のばらつきが原因で、同心円状のリング が出ます。装置の 校正(キャリブレーション) で対策します。
部分容積効果(パーシャルボリューム)
1つのボクセルの中に異なる組織が混在すると、その中間のCT値になり、境界がぼやけます。スライスを薄くすると軽減できます。
試験で問われやすいポイント
- 金属=放射状のストリーク(MARで低減)。
- ビームハードニング=低エネルギー成分が吸収され硬くなる(カッピング・暗い帯)。
- リング=検出器の感度ばらつき(校正で対策)。
- 部分容積効果=1ボクセルに組織が混在(薄いスライスで軽減)。
まとめ
- CTのアーチファクトは 原因と対策をセット で覚えると整理しやすい。
- 金属・ビームハードニング・モーション・リング・部分容積効果が代表的。
- 偽像と本当の所見を見分ける目も大切(MRIのアーチファクトとも考え方は共通)。