第76回 診療放射線技師 国家試験(午後)解答・解説
問1 ジェネレータの親核種に用いられているのはどれか。
- Cu
- Ge
- In
- I
- Tl
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正解:2
- ジェネレータは「半減期の長い親核種から、半減期の短い娘核種を必要なときに取り出す」装置。だから答えは「長寿命の親」を選ぶことになる。
- 1 ✗ Cu(12.7 時間)はサイクロトロンで製造する。
- 2 ○ Ge(半減期 271 日)→ Ga(68 分)。Ga は PET 用の核種で、サイクロトロンがない施設でもジェネレータから得られるのが大きな利点。
- 3 ✗ In(2.8 日)もサイクロトロン製造。
- 4 ✗ I(8 日)は原子炉で製造する。
- 5 ✗ Tl(73 時間)もサイクロトロン製造。
- 代表的なジェネレータ:Mo → Tc(最重要)、Ge → Ga、Rb → Kr。
問2 水相と有機相との分配比が 50 の放射性標識化合物があり、その放射性標識化合物を含む水溶液の放射能は 100 MBq である。水相と等容積の有機相で溶媒抽出したとき、水相に残る放射能[MBq]に最も近いのはどれか。
- 0.1
- 0.2
- 0.5
- 1.0
- 2.0
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正解:5
- 分配比 50 = 有機相に 50、水相に 1 の割合で分かれるということ。等容積なので、そのまま比として使える。
- 全体を 51 として、水相に残るのはそのうち 1。
- これに元の放射能を掛ける。
- 5 ○ したがって約 2.0 MBq。98%が有機相へ移り、2%が水相に残るという感覚をつかんでおくとよい。
- 注意: として 2.0 としても同じ答えになるが、正しくは 分母が である。分配比が小さいとき(例:)に差が出るので、式の形で覚えておきたい。
問3 C 標識化合物の合成法で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 生合成法
- 化学合成法
- スズ還元法
- クロラミン T 法
- Wilzbach〈ウィルツバッハ〉法
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正解:1・2
- C は炭素なので、有機化合物の骨格そのものを作る方法が必要になる。ヨウ素やテクネチウムの標識法とは発想が違う。
- 1 ○ 生合成法。CO を植物に光合成させるなどして、生物の力で標識化合物を作らせる。複雑な化合物を作れるのが利点。
- 2 ○ 化学合成法。C を含む原料から、有機化学反応で目的物を組み立てる。
- 3 ✗ スズ還元法は Tc の標識で使う。過テクネチウム酸イオンをスズ(Sn²⁺)で還元して反応性を持たせる方法。
- 4 ✗ クロラミン T 法は 放射性ヨウ素の標識で使う酸化剤。
- 5 ✗ ウィルツバッハ法は H(トリチウム)の標識法。トリチウムガスの中に化合物を置き、放射線の作用で水素と置き換える。
問4 標識化合物の放射性核種純度の検定に用いるのはどれか。
- 電気泳動法
- ホットアトム法
- 同位体逆希釈分析法
- γ線スペクトロメトリ
- 高速液体クロマトグラフィ法
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正解:4
- 放射性核種純度=「核種そのものが目的のものか」(Tc に Mo が混ざっていないか)。核種を見分けるにはエネルギーを見るしかない。
- 1・5 ✗ 電気泳動法・HPLC が分けるのは化学形。したがって放射化学的純度の検定に使う。
- 2 ✗ ホットアトム法(Szilard‑Chalmers 法)は核反応の反跳を利用した製造・分離の方法で、純度検定ではない。
- 3 ✗ 同位体逆希釈分析法は量を測る分析法。
- 4 ○ γ線スペクトロメトリ。核種ごとに固有のγ線エネルギーを持つので、スペクトルのピーク位置で核種を特定できる(Tc は 141 keV、Mo は 740・780 keV)。
- 整理:核種を見る=エネルギー(γ線スペクトロメトリ)、化学形を見る=分離(クロマトグラフィ・電気泳動)。
問5 始業点検時において、自動露出制御機構を用いた X 線撮影で mAs 値が通常よりも大きい値となった。考えられる原因はどれか。ただし、他の条件は同一とする。
- 管電圧を高くした。
- 照射野を狭くした。
- 焦点検出器間距離を短くした。
- バックアップ時間を大きくした。
- 厚さの薄いファントムを使用した。
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正解:2
- AEC は「検出器に決めた量のX線が届いたら照射を止める」装置。mAs が大きくなった=検出器へ届くのが遅くなった、つまり何かがX線を減らしている。
- 1 ✗ 管電圧を上げれば透過力が増し、検出器に早く届く=mAs は小さくなる。
- 2 ○ 照射野を狭くすると散乱線が減る。散乱線もAEC検出器に届いていた分なので、それが減れば規定量に達するまでに時間がかかり、mAs は大きくなる。
- 3 ✗ 距離を縮めれば線量が増える(逆二乗則)ので、mAs は小さくなる。
- 4 ✗ バックアップ時間は「万一止まらなかったときの上限」を決める安全装置。通常の撮影では作動しないので、mAs には影響しない。
- 5 ✗ 薄いファントムなら透過しやすく、mAs は小さくなる。
問6 骨密度測定装置で正しいのはどれか。
- SXA 法では Gd の特性X線を用いる。
- QUS 法では超音波の反射波を利用する。
- QCT 法では単色化されたX線を用いる。
- DXA 法の骨密度の単位は g・cm⁻³ である。
- DIP 法ではアルミニウム厚の換算値を測定する。
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正解:2・5(正答値表で 2 と 5 の両方が正答とされた)
- 1 ✗ SXA 法は X線管を線源に使う(Single-energy X-ray Absorptiometry)。Gd を使うのは、その前身である SPA 法(光子吸収法)。
- 2 — QUS 法では、踵骨を挟んで透過波を測る方式(超音波伝播速度 SOS と減衰 BUA)が一般的だが、反射波を利用する装置も存在するため、正答値表では 2 も正答として扱われた。
- 3 ✗ QCT 法は通常の CT 装置を使うので、X線は連続スペクトル(単色ではない)。だから校正ファントムを一緒に撮って換算する。
- 4 ✗ DXA は投影法なので、面積あたりの値=g/cm²(面密度)。体積あたり(g/cm³)で測れるのはQCT 法。ここが DXA の弱点で、骨が大きい人ほど高く出やすい。
- 5 ○ DIP 法(RA 法)は、手とアルミニウム階段(スケール)を一緒に撮り、第2中手骨の濃度をアルミの何 mm 相当かに換算して骨密度を求める。「アルミニウム等価厚」を測るのが本質。
- ※本問は「1つ選べ」だったが、正答値表で 2 と 5 の両方が正答として扱われた。
問7 乳房用X線装置で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 総ろ過には圧迫板が含まれる。
- 乳房厚が変化しても撮影条件は一定である。
- 拡大撮影で用いる患者支持器面での拡大率は 2 以下とする。
- 定位装置を用いる場合を除き、焦点皮膚間距離は 60 cm 以上とする。
- 乳房用トモシンセシスは 180 度以上の角度範囲で撮影が可能である。
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正解:3・4
- 1 ✗ 総ろ過は、X線管の窓・付加フィルタなどX線が被写体に届くまでに通るものの合計。圧迫板は被写体(乳房)に接する側にあり、総ろ過には含めない。
- 2 ✗ 逆。乳房の厚さや構成(乳腺の量)に応じて、自動露出制御が管電圧・ターゲット・フィルタまで自動で切り替えるのがマンモグラフィの特徴。
- 3 ○ 拡大率が大きすぎると半影(ボケ)が増え、被ばくも急増する。2 倍以下(実際は 1.5〜1.8 倍)に制限される。
- 4 ○ 焦点皮膚間距離が短いと皮膚線量が跳ね上がるので、60 cm 以上と定められている。距離の逆二乗則による被ばく防護の規定。
- 5 ✗ 乳房用トモシンセシスの角度範囲は 15〜50 度程度。180 度も振れる構造にはなっていない。
問8 医療機関における医療機器安全管理責任者の配置を義務付けている法律はどれか。
- 医療法
- 製造物責任法
- 労働安全衛生法
- 診療放射線技師法
- 医薬品医療機器等法
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正解:1
- 1 ○ 医療法(および医療法施行規則)。病院の安全管理体制を定める法律で、医療機器安全管理責任者・医薬品安全管理責任者・医療放射線安全管理責任者の配置はいずれもここで義務づけられている。「病院の中の体制=医療法」と覚える。
- 2 ✗ 製造物責任法(PL法)は、欠陥製品による被害の製造者の賠償責任を定める法律。
- 3 ✗ 労働安全衛生法は働く人の安全と健康を守る法律。
- 4 ✗ 診療放射線技師法は資格と業務範囲を定める法律。
- 5 ✗ 医薬品医療機器等法は、医療機器の製造・販売の承認や品質を規制する法律。使う側の体制ではない。
問9 FPD で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 空間分解能は画素サイズに依存する。
- 間接変換方式では a‑Se が用いられる。
- 直接変換方式では地磁気の影響を受ける。
- オフセット補正は均一なX線を照射して行う。
- ゲイン補正は X 線変換層の感度のばらつきを補正する。
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正解:1・5
- 1 ○ FPD の分解能は画素の細かさでほぼ決まる。ナイキスト周波数は で表され、画素サイズが 150 µm なら約 3.3 cycles/mm が上限になる。
- 2 ✗ a‑Se(アモルファスセレン)を使うのは直接変換方式。間接変換方式は CsI や GOS のシンチレータで光に変えてからフォトダイオードで受ける。
- 3 ✗ 地磁気の影響を受けるのは I. I.(電子レンズで電子を走らせるため)。FPD は影響を受けない。
- 4 ✗ オフセット補正は、X線を照射しない状態で読み出した暗電流(ダークノイズ)を差し引く補正。X線を当ててしまっては暗電流が測れない。4 と 5 で「X線を当てる/当てない」が入れ替わっている。
- 5 ○ ゲイン補正は、素子ごとの感度のばらつき(X線変換層や読み出し回路の個体差)をそろえる補正。均一なX線を照射して、各素子の応答の違いを測って補正する。
問10 医用画像表示用モニタの品質管理で用いられる TG18−QC パターンを図に示す。ビデオ特性要素はどれか。

- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
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正解:2
- TG18‑QC パターンには、目的の違う要素が1枚に詰め込まれている。それぞれ何を見るための部分かを押さえる。
- 1 ✗ アは白黒の枠に細かいパターンが入った部分で、別の評価要素。
- 2 ○ イがビデオ特性要素。白地の中を黒帯が、黒地の中を白帯が横切る高コントラストの帯で、映像系の乱れ(ゴースト・尾引き・にじみ)を見つけるためのもの。帯の後ろに影が尾を引いていないかを観察する。
- 3 ✗ ウは端にある連続的な階調のグラデーション帯。階調の飛びや段差を見る。
- 4・5 ✗ エ・オは中央にある Cx パターンや線対(ラインペア)で、解像度の評価に使う部分。
- 参考:TG18‑QC ではこのほか、16 段階の輝度パッチ(輝度応答の測定)や、0〜5%・95〜100%のコントラストパッチ(低コントラストの見え方)も評価する。
問11 同一患者で同日に施行した 2 回目の CT で、撮影条件の違いによって脾臓の CT 値が異なっていた。原因で考えられるのはどれか。2つ選べ。
- 管電圧を下げた。
- ヘリカルピッチを下げた。
- X線管の回転速度を下げた。
- 自動露出機構の目標 SD を下げた。
- ビームハードニング補正を外した。
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正解:1・5
- CT 値は線減弱係数 から決まる値。 が変わる(または の見積もりが狂う)条件だけが答えになる。線量だけを変える条件は、ノイズを変えても CT 値の平均は変えない、というのが判断の軸である。
- 1 ○ 管電圧を下げると X 線の実効エネルギーが下がり、光電効果の割合が増えて が変わる。同じ組織でも CT 値が変わる。
- 2 ✗ ヘリカルピッチを下げると線量は増えるが、ノイズが減るだけで CT 値の平均は変わらない。
- 3 ✗ 回転速度も線量に効くだけ。
- 4 ✗ 目標 SD もノイズの許容量を決めるだけ。
- 5 ○ ビームハードニング補正は、X線が通過するうちに硬化することによる の見かけの変化を打ち消す処理。これを外せば CT 値がずれる。
問12 3T MRI で脳白質の T1 緩和時間[s]に最も近いのはどれか。
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正解:4
- 3 T における脳白質の T1 は 約 830〜1,100 ms、つまり およそ 1 秒。
- 4 ○ s = 1 秒。
- 桁の感覚を持っておくと、他のパラメータとも混同しにくい。
| おおよその値 | |
|---|---|
| T1(脳白質・3T) | 約 1,000 ms(1 s) |
| T2(脳白質) | 約 70〜80 ms |
| TR(T1強調) | 約 500 ms |
| TE(T1強調) | 約 10 ms |
- 1(1 ms)・2(10 ms)は TE の桁、3(100 ms)は T2 の桁、5(10 s)は長すぎる。
- 参考:静磁場が強くなると T1 は延長する(1.5 T では約 650 ms)。一方 T2 はやや短縮する。
問13 1.5T MRI と比較した 3T MRI の特徴で正しいのはどれか。
- SAR は減少する。
- SN 比は減少する。
- T1 緩和時間は短縮する。
- 磁化率アーチファクトは増加する。
- ケミカルシフトアーチファクトは減少する。
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正解:4
- 高磁場にすると「信号が増える」代わりに「あらゆる乱れも拡大される」。この二面性を押さえる。
- 1 ✗ SAR は周波数の 2 乗に比例するので、3 T では 1.5 T の約 4 倍になる。高磁場で最も制約になる点。
- 2 ✗ SN 比は静磁場にほぼ比例して増加する。これが 3 T を使う最大の動機。
- 3 ✗ T1 は延長する(1.5 T:約 650 ms → 3 T:約 1,000 ms)。造影剤の効きが良く見えるという副次的な利点もある。
- 4 ○ 磁化率の差による磁場の乱れは静磁場に比例して大きくなるので、副鼻腔・側頭骨・金属の周囲での信号消失や歪みが目立つ。
- 5 ✗ 水と脂肪の周波数差は静磁場に比例して開くので、ケミカルシフトアーチファクトは増加する。
問14 超音波画像診断装置を使って血管内の血流波形を記録するのに適するのはどれか。2つ選べ。
- 組織ドプラ法
- カラードプラ法
- パルスドプラ法
- パワードプラ法
- 連続波ドプラ法
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正解:3・5
- 「血流波形を記録する」=縦軸に速度、横軸に時間をとった波形(スペクトラム)を描くこと。これができるのはどれか、という問い。
- 1 ✗ 組織ドプラ法は、血流ではなく心筋そのものの動きを見る手法。
- 2 ✗ カラードプラ法は断層像に速度を色で重ねる表示。血流の有無や向きは分かるが、波形は描けない。
- 3 ○ パルスドプラ法。距離ゲートを置いた1点の速度波形を描ける。深さを指定できるのが強み。ただし折り返し(エイリアシング)が起こる。
- 4 ✗ パワードプラ法は信号の強さを色で表示する。方向も速度も分からないが、感度が高く微細な血流の描出に向く。
- 5 ○ 連続波ドプラ法。送受信を別々の素子で行うため、どんな高速でも折り返さない。弁狭窄など速い血流の計測に必須。ただし深さは特定できない。
問15 SE 法 TR 500 ms、TE 10 ms の頭部 MR 像で最も高信号を呈するのはどれか。
- 基底核
- 側脳室
- 下垂体前葉
- 眼窩内脂肪
- 頭蓋骨皮質
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正解:4
- TR が短く(500 ms)、TE も短い(10 ms) → これは T1 強調像の条件。したがって「T1 が最も短い組織」が最も白くなる。
- 1 ✗ 基底核は灰白質で、中間の信号。
- 2 ✗ 側脳室は CSF(水)。T1 が数千 ms と最も長いので、T1 強調像では最も低信号(黒)。
- 3 ✗ 下垂体前葉は中間の信号。なお下垂体後葉は T1 強調で高信号(bright spot)を示すが、脂肪ほどではない。
- 4 ○ 脂肪の T1 は約 250 ms と全組織で最も短い。だから T1 強調像で最も高信号になる。
- 5 ✗ 頭蓋骨の皮質は緻密骨で水素原子がほとんどなく、信号がない(黒)。
問16 MRI の高速 SE 法で、数値を大きくすると撮影時間が短縮するのはどれか。
- TE
- TR
- 加算回数
- 位相エンコード数
- エコートレイン数
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正解:5
- 高速 SE 法の撮影時間は次の式で決まる。
- 1 ✗ TE は式に現れない。コントラストを決めるパラメータで、撮影時間には(TR の範囲内にある限り)影響しない。
- 2・3・4 ✗ TR・位相エンコード数・加算回数はすべて分子にあるので、大きくすれば時間は延びる。
- 5 ○ エコートレイン数(ETL)だけが分母にある。1回の TR の中で複数のエコーを集めるので、大きくするほど時間が短くなる。これが高速 SE 法の原理そのもの。ただし大きくしすぎるとボケやコントラストの変化が生じる。
問17 細胞外液性ガドリニウム造影剤で正しいのはどれか。
- 経口投与する。
- 鉄を含有している。
- T1 緩和時間短縮効果がある。
- 高齢者への投与は禁忌である。
- 肝細胞に特異的に取り込まれる。
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正解:3
- 1 ✗ 静脈内投与する。
- 2 ✗ 含有するのはガドリニウム(Gd)。鉄を含む造影剤は SPIO(超常磁性酸化鉄)で、別のもの。
- 3 ○ ガドリニウムは不対電子を7個持つ強い常磁性体で、近くの水素原子のT1 を短縮する。だから T1 強調像で造影された部位が白く光る。
- 4 ✗ 高齢というだけでは禁忌にならない。禁忌となるのは重篤な腎機能障害(eGFR 30 未満)で、NSF(腎性全身性線維症)のリスクがあるため。
- 5 ✗ 肝細胞に特異的に取り込まれるのは Gd‑EOB‑DTPA(EOB・プリモビスト)という肝細胞特異性造影剤。細胞外液性のものは血管外の細胞外液に広がるだけで、細胞内には入らない。
問18 生体内の代謝情報を取得できるのはどれか。
- MRA
- FLAIR 像
- 拡散強調像
- MR hydrography
- MR spectroscopy
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正解:5
- 1 ✗ MRA は血管の形態を見る。
- 2 ✗ FLAIR は水を抑制した T2 強調で、病変の形態を見る。
- 3 ✗ 拡散強調像は水分子の動きを見る。代謝そのものではない。
- 4 ✗ MR hydrography は水の分布(形態)を見る。
- 5 ○ MRS(MR スペクトロスコピー)は、化学シフトを利用して代謝物質の量をグラフ(スペクトル)として測る手法。脳では NAA(神経細胞の指標)、Cho(細胞膜の代謝)、Cr(エネルギー)、乳酸(嫌気性代謝)などが分かる。画像ではなく化学の情報を得る、唯一の選択肢。
問19 超音波像のアーチファクトはどれか。
- リング
- クロストーク
- サイドローブ
- サセプタビリティ
- マジックアングル
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正解:3
- 用語がどのモダリティのものかを見分ける問題。
- 1 ✗ リングアーチファクトは CT(検出器の感度ムラによる同心円状の輪)。
- 2 ✗ クロストークは CT や核医学などで使う語。
- 3 ○ サイドローブは超音波のアーチファクト。ビームの主軸(メインローブ)の脇に漏れる弱い超音波が拾った信号が、あたかも主軸上にあるかのように描出される。
- 4 ✗ サセプタビリティ(磁化率)アーチファクトは MRI。
- 5 ✗ マジックアングル現象は MRI。腱や靱帯が静磁場に対して約 55 度になると T2 が延長して高信号に見える現象。
問20 肝臓の超音波像が示されている。矢印で示すアーチファクトはどれか。
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- 音響陰影
- 鏡面反射
- 多重反射
- レンズ効果
- グレーティングローブ
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正解:2
- 肝臓の超音波でよく出会うアーチファクトを、どこに・どんな形で出るかで見分ける。
- 1 ✗ 音響陰影は結石や石灰化の後ろが黒く抜けるもの。
- 2 ○ 鏡面反射(ミラーイメージ)。横隔膜はきわめて強い反射面なので、これを鏡にしてその向こう側(胸腔側)に肝臓の虚像が写る。実際にはそこに肝臓はない。横隔膜をはさんで対称な像がある、というのが決め手。
- 3 ✗ 多重反射は、プローブと強い反射面の間を往復して等間隔の線が並ぶもの。
- 4 ✗ レンズ効果(屈折)は、腹直筋などで超音波が曲げられて像が二重に見えるもの。
- 5 ✗ グレーティングローブは、素子の配列間隔に起因して主軸から離れた方向に生じる副ローブ。
問21 肩関節の MR 像が示されている。矢印で示す構造はどれか。
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- 鎖骨
- 棘上筋
- 肩甲骨
- 小円筋
- 肩甲下筋
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正解:2
- 肩関節 MRI で最も重要なのは腱板(ローテータカフ)の4つの筋。位置で覚える。
- 1 ✗ 鎖骨は前方にある S 字状の骨。
- 2 ○ 棘上筋は、肩甲骨の棘上窩(肩甲棘より上)にあり、そこから上腕骨大結節へ向かって肩峰の下をくぐる。腱板断裂の 90%以上がこの筋に起こるため、肩 MRI の主役である。斜位冠状断で、肩甲棘の上から肩峰下を通る筋として追える。
- 3 ✗ 肩甲骨は背側の扁平な骨で、筋ではない。
- 4 ✗ 小円筋は肩甲骨の外側縁から起こり、後方にある。
- 5 ✗ 肩甲下筋は肩甲骨の前面(肋骨側)にあり、小結節に付く。
- 腱板の整理:前が肩甲下筋、上が棘上筋、後ろが棘下筋・小円筋。
問22 頸部 MR 像が示されている。正しい組合せはどれか。2つ選べ。
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- ア ── 気管
- イ ── 甲状腺
- ウ ── 食道
- エ ── 総頸動脈
- オ ── 頸静脈
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正解:2・4
- 頸部の横断像は、正中から外側へ順に追うのが基本。
- 1・3・5 ✗ 部位の対応が誤り。それぞれの本来の位置は次のとおり。
- 2 ○ 甲状腺は気管の前〜左右をまたぐ蝶形の実質臓器。イがこれにあたる。
- 4 ○ 総頸動脈は甲状腺の外側にある円形の血管。エがこれにあたる。MRI では流れる血液が信号を失う(flow void)ため、内腔が黒く抜けて見える。
- 気管は正中前方にあり、空気なので信号がなく真っ黒。馬蹄形の軟骨に囲まれる。
- 食道は気管のすぐ後ろで、つぶれた楕円形。
- 頸静脈は総頸動脈の外側にあり、動脈より径が大きくつぶれやすい。動脈と静脈は「内側が動脈・外側が静脈、丸いのが動脈」で見分ける。
問23 頭部 MRI の T2 強調像が示されている。矢印で示すのはどれか。
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- 橋
- 延髄
- 視床
- 小脳
- 中脳
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正解:1
- 脳幹は上から 中脳 → 橋 → 延髄 の順に並ぶ。横断像では、その高さで何が一緒に写っているかで判断する。
- 1 ○ 橋は脳幹の中で最も腹側にふくらんだ部分。横断像では、後ろに第四脳室と小脳、前に脳底動脈が走り、両脇から中小脳脚が小脳へつながる。この組合せが橋のレベルの目印。
- 2 ✗ 延髄は橋より下。前面にオリーブが隆起し、この高さでは小脳半球の下部が写る。
- 3 ✗ 視床は脳幹ではなく間脳。第三脳室をはさんで左右にある。
- 4 ✗ 小脳は後頭蓋窩の後方にあり、橋の背側。
- 5 ✗ 中脳は橋より上。大脳脚と四丘体、中央の中脳水道が目印で、Mickey Mouse のような形に見える。
問24 上腹部右肋間走査の超音波像が示されている。矢印で示すのはどれか。
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- 胆囊
- 門脈
- 肝動脈
- 下大静脈
- 右腎静脈
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正解:2
- 肝内の管を見分ける最大の手がかりは、壁が厚く高エコーに見えるかどうかである。
- 1 ✗ 胆囊は無エコーの袋状構造で、後方エコーが増強する。管ではない。
- 2 ○ 門脈は、線維性のグリソン鞘に包まれているため、壁が厚く白く(高エコーに)描出される。肝門部から末梢へ扇状に広がり、肝動脈・胆管と3本セットで走る。
- 3 ✗ 肝動脈は門脈に並走する細い枝で、単独では追いにくい。
- 4 ✗ 下大静脈は肝臓の背側を縦に走る太い管で、呼吸で径が変わる。肝内ではなく肝の外側後方。
- 5 ✗ 右腎静脈は腎門部から下大静脈へ向かう血管で、肝内には存在しない。
- 対比:肝静脈は壁が薄く(グリソン鞘を伴わない)、下大静脈へ向かって収束する。門脈との見分けはこの2点で行う。
問25 標識キット方式による Tc 放射性医薬品の調製で、標識温度を 95〜99 ℃にする必要があるのはどれか。
- Tc−テトロホスミン
- Tc−ECD
- Tc−HMPAO
- Tc−MAA
- Tc−MIBI
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正解:5
- ほとんどの標識キットは室温で混ぜるだけだが、一部だけ加熱(沸騰水浴)が必要なものがある。
- 1 ✗ テトロホスミンは室温で調製できる。同じ心筋血流製剤でも MIBI と手順が違う点が、実務でも試験でも問われやすい。
- 2 ✗ ECD は室温で調製。
- 3 ✗ HMPAO は室温で調製するが、標識後の安定性が低く 30 分以内に使う必要がある(こちらが注意点)。
- 4 ✗ MAA は室温で調製。粒子製剤なので、使用前に静かに転倒混和する。
- 5 ○ Tc−MIBI は、95〜99 ℃の沸騰水浴で 10 分間加熱して標識する。錯体を作るのに熱エネルギーが要るためで、キットの中では例外的な存在。
問26 シンチレーションカメラと比較して、CdZnTe〈CZT〉半導体検出器を搭載した半導体カメラの特徴で正しいのはどれか。
- 水冷却を要する。
- 計数率特性に優れる。
- 検出器が大型になる。
- エネルギー分解能が低い。
- Tc と I の 2 核種同時収集でのクロストークの影響が大きい。
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正解:2
- 半導体検出器は、γ線が直接 電子-正孔対を作る。光に変えて増幅する段階がないぶん、速く・正確になる。
- 1 ✗ CZT は室温で動作する。冷却が必要なのは高純度 Ge 検出器(液体窒素)。
- 2 ○ 応答が速く、1つのパルスを処理する時間が短いので計数率特性に優れる(数え落としが少ない)。
- 3 ✗ 光電子増倍管が不要なので小型・薄型にできる。だから乳房専用機や心臓専用機のような装置が作れる。
- 4 ✗ 逆。エネルギー分解能はシンチレーションカメラより格段に高い(CZT で約 5〜6%、NaI(Tl) で約 10%)。これが半導体カメラの最大の利点。
- 5 ✗ 逆。エネルギー分解能が高い=2つの核種のピークをはっきり分けられるので、クロストークの影響は小さい。だから 2 核種同時収集に向く。
問27 ドーズキャリブレータで正しいのはどれか。
- 核種ごとの換算定数が設定されている。
- 放射能によらず測定時間は一定である。
- 電源投入直後より正確な測定値が得られる。
- 加圧ガス封入電離箱式は気圧の補正が測定ごとに必要である。
- 1 気圧空気電離箱式では加圧ガス封入電離箱式と比べて検出感度が高い。
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正解:1
- ドーズキャリブレータは井戸型電離箱。測るのは電離電流だが、知りたいのは放射能(Bq)。この読み替えに核種ごとの係数が要る。
- 1 ○ 同じ 1 MBq でも、核種によってγ線のエネルギーや放出割合が違うため、電離電流の大きさが変わる。だから核種ごとの換算定数(キャリブレーションファクタ)をあらかじめ設定しておき、測定前に核種を選ぶ。核種の設定を間違えると値が大きくずれる、実務上の要点でもある。
- 2 ✗ 放射能が低いほど統計変動が大きいので、長く測る必要がある。
- 3 ✗ 電源投入直後は電子回路が安定していない。十分な暖機(ウォームアップ)が必要。
- 4 ✗ 逆。加圧して密封してあるので、外の気圧が変わっても中身は変わらない=気圧補正は不要。補正が要るのは 1 気圧の(大気に開放された)タイプ。
- 5 ✗ 逆。加圧して気体を詰め込むほど電離される気体の質量が増えるので、感度は加圧型のほうが高い。だから実際のドーズキャリブレータは加圧型が主流。
問28 PET における time‑of‑flight〈TOF〉で正しいのはどれか。
- 空間分解能の向上に寄与する。
- BGO シンチレータが適している。
- 逐次近似再構成の収束が遅くなる。
- 消滅γ線の発生位置を特定の範囲に絞り込む。
- 実効感度の増幅効果は被写体が小さいほど大きい。
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正解:4
- TOF は、対向する2つの検出器に消滅放射線が到達する時間差を測り、LOR(同時計数線)上のどのあたりで消滅したかを絞り込む技術。
- 1 ✗ 絞り込めるのは 6 cm 程度で、PET の空間分解能(4〜5 mm)よりはるかに粗い。分解能そのものは向上しない。向上するのはノイズ特性(SNR)である。
- 2 ✗ BGO は発光が遅く時間分解能が悪いので TOF に向かない。適するのは LSO・LYSO(発光が速い)。
- 3 ✗ 逆。絞り込んだ情報が加わるぶん、収束は速くなる。
- 4 ○ 定義そのもの。時間分解能 400 ps なら、光速から cm 程度の範囲に絞れる。
- 5 ✗ 逆。被写体が大きいほど効果が大きい。LOR が長いほど「絞り込めた割合」の恩恵が増すため。肥満患者で画質改善が顕著、というのが TOF の実際の利点。
問29 SPECT データ収集のサンプリング角度に関係するのはどれか。2つ選べ。
- 投与量
- ピクセルサイズ
- エネルギー分解能
- 検出器の回転直径
- シンチレータの材質
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正解:2・4
- サンプリング角度(何度おきに撮るか)は、視野の一番外側で、隣り合う投影がどれだけ離れるかが画素サイズと同程度になるように決める。角度が粗すぎるとストリークアーチファクトが出る。
- 1 ✗ 投与量はカウント数(統計精度)に効くだけ。
- 2 ○ ピクセルサイズが細かいほど、それに見合った細かい角度が必要になる。
- 3・5 ✗ エネルギー分解能やシンチレータの材質は検出器の性能で、角度の決め方とは無関係。
- 4 ○ 回転直径が大きいほど、同じ角度でも外周での間隔が広がる(円弧の長さは半径×角度)。だから大きく回すほど細かい角度で撮る必要がある。
- 判断のコツ:この問題は「幾何学の話か、検出器の性能の話か」で切り分けられる。サンプリング角度は幾何学の話である。
問30 I−イオフルパンの正常集積部位はどれか。2つ選べ。
- 海馬
- 視床
- 被殻
- 淡蒼球
- 尾状核
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正解:3・5
- イオフルパン(ダットスキャン)はドパミントランスポータに結合する。ドパミン神経は黒質から線条体へ伸びているので、集積するのは線条体である。
- 線条体 = 尾状核 + 被殻。この定義がそのまま答えになる。
- 1 ✗ 海馬は側頭葉内側。記憶に関わる。
- 2 ✗ 視床は間脳の核で、ドパミントランスポータは乏しい。
- 3 ○ 被殻は線条体の一部。
- 4 ✗ 淡蒼球はレンズ核の一部(被殻とセット)だが、線条体には含まれない。ここが引っかけどころ。
- 5 ○ 尾状核も線条体の一部。正常では両者が連なって三日月形(コンマ状)に描出される。パーキンソン病では被殻から集積が失われ、尾状核だけが残って点状(ドット状)になる。
- 用語整理:レンズ核 = 被殻 + 淡蒼球、線条体 = 被殻 + 尾状核。被殻が両方に属する。
問31 NaI シンチグラフィで甲状腺全体の集積が低下するのはどれか。
- 副甲状腺腺腫
- 亜急性甲状腺炎
- Basedow〈バセドウ〉病
- Plummer〈プランマー〉病
- Cushing〈クッシング〉症候群
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正解:2
- 1 ✗ 副甲状腺腺腫は別の臓器の病気。甲状腺の摂取率には影響しない。
- 2 ○ 亜急性甲状腺炎では、炎症で濾胞が壊れ、溜まっていたホルモンが漏れ出す。血中ホルモンは高いのに、甲状腺自身は新しくヨウ素を取り込む働きを失っているので、摂取率は著明に低下する。「血液検査は甲状腺機能亢進なのに、シンチは低下」というこの乖離が診断の決め手になる。
- 3 ✗ バセドウ病は甲状腺自身が働きすぎている状態なので、全体の集積がびまん性に増加する。
- 4 ✗ プランマー病(機能性結節)は、結節だけが強く集積し、周囲は抑制されて低下する(ホットノジュール)。全体の低下ではない。
- 5 ✗ クッシング症候群は副腎皮質ホルモンの過剰で、甲状腺とは無関係。
- ※このほか、ヨード造影剤の使用後も摂取率が下がる。検査前の造影剤の有無は必ず確認する。
問32 副腎腫瘍の診断に用いられる放射性医薬品はどれか。2つ選べ。
- Tc−ECD
- Tc−MAA
- I−BMIPP
- I−MIBG
- I−アドステロール
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正解:4・5
- 副腎は皮質(ステロイドを作る)と髄質(カテコールアミンを作る)でできている。それぞれに対応する製剤がある。
- 1 ✗ ECD は脳血流製剤。
- 2 ✗ MAA は肺血流製剤。
- 3 ✗ BMIPP は心筋の脂肪酸代謝製剤。MIBG と名前が似ているが、こちらは心筋の検査で紛らわしい。MIBG=神経、BMIPP=脂肪酸と区別する。
- 4 ○ MIBG はノルアドレナリンの類似体で、副腎髄質(と交感神経)に集積する。褐色細胞腫・神経芽腫の診断に使う。
- 5 ○ アドステロールはコレステロールの類似体で、副腎皮質に集積する(皮質ホルモンの原料がコレステロールであるため)。原発性アルドステロン症・クッシング症候群の診断に使う。
問33 骨シンチグラフィで正しいのはどれか。
- ペースメーカは集積増加像をつくる。
- 小児では骨幹より骨幹端への集積が高い。
- 放射性医薬品投与 1 時間後から撮影する。
- 収集エネルギーピークを 360 keV にする。
- 心臓サルコイドーシスの診断に有用である。
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正解:2
- 1 ✗ ペースメーカは金属なのでγ線を遮り、集積の欠損(コールドスポット)として写る。バリウムや補綴物も同様。
- 2 ○ 小児の骨幹端(成長板の付近)は骨が活発に作られている場所なので、生理的に強く集積する。左右対称に見られる正常所見で、病変と間違えないことが重要。
- 3 ✗ 投与から 3 時間後に撮影する。骨に取り込まれ、かつ軟部組織から抜けきるのを待つ必要があるため。その間に十分な排尿をしてもらう。
- 4 ✗ Tc のエネルギーピークは 141 keV。360 keV は I の主γ線。
- 5 ✗ 心臓サルコイドーシスの診断に使うのは F−FDG PET(と Ga)。骨シンチではない。
問34 F−FDG の生理的集積部位でないものはどれか。
- 肺
- 肝臓
- 小脳
- 腎臓
- 外眼筋
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正解:1
- FDG は糖を使う場所と排泄経路に集まる。逆にいえば、糖をあまり使わない臓器には集まらない。
- 1 ○(これが答え) 肺は生理的集積がほとんどない。空気ばかりで細胞が少なく、糖代謝も低いため。だからこそ肺病変の検出感度が高い(背景が暗いので病変が目立つ)。これが FDG-PET が肺癌に強い理由でもある。
- 2 ✗ 肝臓は中等度のびまん性集積を示す。SUV の目安(背景)としても使われる。
- 3 ✗ 脳(大脳・小脳)は糖だけをエネルギー源にするので、最も強く集積する。
- 4 ✗ FDG は尿から排泄されるので、腎臓・尿管・膀胱に強く集積する。
- 5 ✗ 外眼筋は常に動いているため集積する。緊張していると咀嚼筋や頸部の筋にも集まる。
問35 食道癌に対する放射線治療で正しいのはどれか。
- 急性期有害事象として嚥下時痛がある。
- 日本では腺癌の割合が 50%以上である。
- 晩期有害事象として口腔乾燥が最も多い。
- 日本では食道癌Ⅰ期における化学放射線治療の 5 年生存率は約 50%である。
- 放射線肺臓炎を避けるためには肺の最大線量を下げることが最も重要である。
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正解:1
- 1 ○ 食道の粘膜は細胞の入れ替わりが速いので、照射2週目ごろから放射線食道炎が起こり、嚥下時痛・つかえ感が出る。典型的な急性期有害事象。
- 2 ✗ 日本の食道癌は 90%以上が扁平上皮癌。喫煙・飲酒が主因。腺癌が多いのは欧米(逆流性食道炎からのバレット食道が背景)。
- 3 ✗ 口腔乾燥は唾液腺を照射する頭頸部癌の有害事象。食道は照射野に唾液腺が入らない。
- 4 ✗ Ⅰ期の化学放射線治療の 5 年生存率は 約 70〜80% と良好で、手術に匹敵する。50%は低く見積もりすぎ。
- 5 ✗ 肺は並列臓器なので、1点の最大線量よりV20(20 Gy 以上が当たる肺体積の割合)や平均肺線量のほうが重要。最大線量が効くのは脊髄などの直列臓器。
問36 放射線治療による有害事象で正しいのはどれか。
- 骨盤への放射線治療期間中に生じる下痢は不可逆性である。
- 放射線治療に伴う甲状腺機能低下に対しヨード制限を行う。
- 小児の膝へ照射した場合、有害事象として骨成長障害がある。
- 脳腫瘍に対する放射線治療の急性期有害事象として白内障がある。
- 子宮頸癌に対する術後放射線治療の急性期有害事象に仙骨不全骨折がある。
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正解:3
- 1 ✗ 治療中の下痢は急性期の有害事象で、腸粘膜が再生すれば回復する(可逆性)。
- 2 ✗ 甲状腺機能低下にはホルモンを補充する(レボチロキシン)。ヨード制限を行うのは、放射性ヨウ素治療の前処置として。
- 3 ○ 膝には成長板(骨端線)があり、そこの軟骨細胞は分裂が盛んで放射線感受性が高い。障害されるとその後の骨の伸びが止まり、脚長差や変形を残す。小児特有の、しかも取り返しのつかない晩期障害である。
- 4 ✗ 白内障は水晶体の混濁で、被ばくから数か月〜数年後に現れる晩期有害事象。
- 5 ✗ 仙骨不全骨折も、骨の脆弱化が進んでから起こる晩期有害事象(照射後 1〜2 年)。
問37 リニアック装置の点検項目のうち、強度変調放射線治療を実施する場合に、より厳しい基準が求められる項目はどれか。
- 出力不変性
- MU 値直線性
- ガントリ回転中心
- ビーム・プロファイル不変性
- 光照射野と放射線照射野の一致
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正解:2
- IMRT は、小さな照射野(セグメント)を数十〜数百個も重ね合わせて目的の分布を作る。したがって、1つひとつのセグメントが少ない MU で正確に出せるかが決定的になる。
- 1・3・4・5 ✗ いずれも重要な項目だが、IMRT だから特に厳しくなる、という性質のものではない。
- 2 ○ MU 値直線性。通常照射なら 100〜300 MU をまとめて出すが、IMRT では 1 セグメントが数 MU ということもある。低 MU 領域で出力が比例からずれると、そのずれが全セグメントに積み重なって分布全体を狂わせる。だから低 MU 域まで含めた直線性が厳しく問われる。
- 考え方:「IMRT が通常照射と何が違うか」=小さく・細かく・多数に分けること。そこから直接効いてくる項目を選ぶ。
問38 標準計測法 12 の線量計の校正で、国家標準とのトレーサビリティが必要なのはどれか。
- 線質変換係数
- 温度気圧補正係数
- コバルト校正定数
- 水吸収線量校正定数
- イオン再結合補正係数
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正解:4
- トレーサビリティ=国家標準まで、切れ目のない校正の連鎖でたどれること。つまり「国の標準機関で実際に測って与えられる値」が答えになる。
- 1 ✗ 線質変換係数 は、プロトコル(標準計測法 12)の表から読む値。計算・文献値であって、個々の線量計を測って得るものではない。
- 2 ✗ 温度気圧補正係数 は、その場で測った温度・気圧から自分で計算する。
- 3 ✗ 「コバルト校正定数」という名の校正定数は用いない。
- 4 ○ 水吸収線量校正定数 は、国家標準機関(日本では産総研)にトレーサブルな標準計測室で、Co γ線を使って実測して与えられる値。ここが連鎖の起点になる。
- 5 ✗ イオン再結合補正係数 は、印加電圧を変えて自分で測定して求める(2点電圧法)。
問39 粒子線治療のスキャニング法で正しいのはどれか。
- 電磁石でビームを走査する。
- 呼吸同期照射との併用はできない。
- 患者ごとのボーラス作成が必要である。
- ブロードビーム法と比較してビーム利用効率が低い。
- 二重散乱体法と Wobbler〈ワブラー〉散乱体法がある。
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正解:1
- スキャニング法は、細いビーム(ペンシルビーム)を電磁石で振って、腫瘍を塗りつぶすように照射する方式。ブロードビーム法(広げて型で抜く)との対比で覚える。
- 1 ○ 荷電粒子なので電磁石で自在に曲げられる。これがスキャニングを可能にしている原理。
- 2 ✗ 併用できる。むしろ動く標的への対応は課題(相互作用効果)だが、呼吸同期やリスキャンニングと組み合わせて実施されている。
- 3 ✗ ボーラス(患者ごとの飛程調整具)やコリメータが不要なのがスキャニング法の利点。エネルギーを変えて深さを、電磁石で横方向を制御できるため。
- 4 ✗ 逆。ブロードビーム法は広げてから型で削り取るので大半を捨てるが、スキャニング法は必要な場所にだけ当てるので利用効率が高い。二次中性子の発生も少ない。
- 5 ✗ 二重散乱体法・ワブラー法は、いずれもブロードビーム法でビームを広げる手法。
問40 舌癌で正しいのはどれか。
- 好発部位は舌中央である。
- 腺癌の割合が 80%以上である。
- 早期癌は小線源治療の適応である。
- 外部照射の有害事象で唾液腺障害は生じない。
- 解剖学的な位置により上舌癌、中舌癌、下舌癌に分けられる。
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正解:3
- 1 ✗ 好発部位は舌縁(舌の側面)。歯が当たる慢性的な刺激が関与するとされる。中央にはあまりできない。
- 2 ✗ 舌の表面は粘膜(重層扁平上皮)なので 90%以上が扁平上皮癌。
- 3 ○ 早期(T1・T2)の舌癌には組織内照射(小線源治療)が標準治療のひとつ。Ir などの線源を病巣に直接刺入することで、舌の機能(話す・食べる)を温存しつつ、手術に匹敵する制御率が得られる。
- 4 ✗ 外部照射では照射野に唾液腺が入りやすく、口腔乾燥は代表的な有害事象。これを避けられることが、小線源治療を選ぶ理由のひとつでもある。
- 5 ✗ そのような分類はない。舌は舌体部(前 2/3)と舌根部(後 1/3)に分けられ、舌癌といえば通常は舌体部のものを指す(舌根部は中咽頭癌に分類される)。
問41 骨転移に対する放射線治療で正しいのはどれか。
- 単回照射を行うことはない。
- 定位放射線治療の適応がある。
- 神経障害性疼痛には無効である。
- 脊髄圧迫を伴う骨転移は禁忌である。
- 医療用麻薬で除痛効果がある症例は禁忌である。
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正解:2
- 1 ✗ 8 Gy の単回照射は疼痛緩和の標準的な選択肢のひとつ。1回で済むため、予後の限られた患者や通院が負担な患者に適する。
- 2 ○ 少数個の骨転移(オリゴメタ)や、以前に照射した部位の再照射に対して、定位放射線治療が行われる。高線量を集中でき、脊髄など隣接する臓器を避けられる。
- 3 ✗ 神経障害性疼痛(神経の圧迫による痛み)にも、腫瘍が縮小すれば効果が期待できる。
- 4 ✗ 逆。脊髄圧迫は緊急照射の適応。麻痺が完成する前に照射すれば機能を救える可能性があり、急ぐべき状況である。
- 5 ✗ 禁忌ではない。麻薬を減らせる(副作用を減らせる)ことも放射線治療の目的になる。
問42 リニアックの相対線量測定で正しいのはどれか。
- PDI は吸収線量百分率である。
- PDD は SSD によって変化しない。
- R50 は電離量が 50%になる深さである。
- TMR は照射野サイズによって変化する。
- PDD は照射野サイズによって変化しない。
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正解:4
- 1 ✗ PDI は 深部電離量百分率(Percentage Depth Ionization)で、電離箱が示す電離量の分布。吸収線量ではない。
- 2 ✗ PDD は距離の逆二乗則の影響を受けるので、SSD が変われば変化する。SSD に依存しないように作られたのが TAR・TMR。
- 3 ✗ は「線量が 50%になる深さ」。電離量が 50%になる深さは で、 と換算する。1 と同じく「線量と電離量」の取り違え。
- 4 ○ 照射野が大きいほど散乱線が増えて深部の線量が持ち上がるので、TMR は照射野サイズで変わる。だから TMR は「深さ×照射野サイズ」の表として与えられる。
- 5 ✗ PDD も照射野サイズで変化する(散乱線が増えるため)。
問43 10 MV X線を照射野 15 cm × 15 cm で照射したとき、組織中の深さ 10 cm の点の線量率が 2.0 Gy・min⁻¹ であった。照射野 10 cm × 10 cm の基準点の吸収線量率[Gy・min⁻¹]に最も近いのはどれか。ただし、照射野 15 cm × 15 cm の出力係数は 1.1、組織最大線量比は 0.8、線源標的間距離は一定とする。
- 1.5
- 1.8
- 2.3
- 2.8
- 3.4
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正解:3
- 基準点(10×10・dmax)の線量率を とすると、実際に測った点の線量率は次のように表せる。
- 出力係数 1.1(照射野を広げたぶん散乱線が増える)、TMR 0.8(10 cm 深いぶん減る)を入れる。
- したがって、
- 3 ○ 2.3。
- 向きを間違えないのがすべて。求めるのは「基準点に戻した値」なので割り算になる。掛けてしまうと = 選択肢2 になり、これも用意されている。
問44 Performance Status〈PS〉で正しいのはどれか。
- 癌の分化度に影響する。
- 癌の病期分類に影響する。
- 治療法の選択に影響する。
- 有害事象の評価基準に用いられる。
- 標的病変の治療効果判定に用いられる。
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正解:3
- PS は「患者がどれだけ動けるか」を 0〜4 の5段階で表す指標(0=制限なく活動できる、4=終日ベッド上)。腫瘍側ではなく患者側の指標である点が要点。
- 1 ✗ 分化度は病理学的な所見。患者の全身状態とは無関係。
- 2 ✗ 病期は TNM(腫瘍の広がり)で決まる。PS は入らない。
- 3 ○ 同じ病期でも、PS 0 なら強力な化学放射線治療ができ、PS 3〜4 なら緩和的治療を選ぶ。治療の強度を決める最も基本的な物差しになる。
- 4 ✗ 有害事象の評価は CTCAE という別の基準を使う。
- 5 ✗ 治療効果の判定は RECIST(病変のサイズの変化)を使う。
- 整理:PS=患者の状態、TNM=病期、CTCAE=有害事象、RECIST=効果判定。それぞれ役割が違う。
問45 図 A に 1 次元フィルタ(−1,1,0)で重畳積分処理したものを図 B とする。使用したフィルタで正しいのはどれか。

- 微分フィルタ
- 平均フィルタ
- 加重平均フィルタ
- メディアンフィルタ
- アンシャープマスキングフィルタ
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正解:1
- 図の変化を読むのが確実。図 A は台形(平らな部分がある)だったのに、図 B では平らな部分がすべて 0 になり、傾いていた場所(立ち上がりと立ち下がり)にだけ値が出ている。しかも立ち上がりでは −1、立ち下がりでは +1 と符号が逆。
- これはまさに微分のふるまい。「変化しているところだけを取り出し、変化の向きを符号で表す」という性質そのものである。
- 1 ○ フィルタ係数 (−1, 1, 0) の和が 0 であることも決め手。係数の和が 0 のフィルタは微分(エッジ抽出)系、和が 1 のフィルタは平滑化系、と覚えておくと即座に判断できる。
- 2・3 ✗ 平均・加重平均フィルタは平滑化なので、台形はなまるだけで、平らな部分が 0 になることはない。係数の和は 1。
- 4 ✗ メディアンフィルタも平滑化系(ノイズ除去)。
- 5 ✗ アンシャープマスキングは輪郭を強調する処理で、元の形を残したまま縁が際立つ。元の平らな部分が消えることはない。
問46 医療情報に関する記載で正しいのはどれか。
- IHE は業務ワークフローを定めた標準規格である。
- MWM は検査実施情報を RIS に伝送する規格である。
- SSL は画像データの外部保存用統合プロトコルである。
- ICD−10 はコード体系化された検査プロトコルである。
- Radiation Dose Structured Report〈RDSR〉は線量情報を扱う構造化レポートである。
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正解:5(正答値表で 1 と 5 の両方が正答とされた)
- 1 — IHE は、DICOM や HL7 といった既存の規格をどう組み合わせて使うかを示したガイドライン(統合プロファイル)であって、厳密には「規格」そのものではない。ただし業務ワークフローを定めているという記述は妥当なため、正答値表では 1 も正答として扱われた。
- 2 ✗ MWM(モダリティワークリスト管理)は、検査予定リストを装置へ渡す規格。検査実施情報を RIS へ返すのは MPPS。「予定を渡す=MWM、実施を返す=MPPS」と対で覚える。
- 3 ✗ SSL は通信を暗号化するプロトコル。画像の外部保存用ではない。
- 4 ✗ ICD-10 は 疾病(病名)の分類コード。検査プロトコルではない。
- 5 ○ RDSR は、CT などの装置が出力する被ばく線量の情報を、決まった構造で記録した DICOM のレポート。線量管理の義務化に伴って重要度が増している。定義そのもの。
- ※本問は「1つ選べ」だったが、正答値表で 1 と 5 の両方が正答として扱われた。
問47 図は 3 × 3 の局所画像の画素値である。この局所画像に 3 × 3 のメディアンフィルタ処理をした結果はどれか。

- 6
- 29
- 37
- 76
- 87
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正解:4
- メディアンフィルタは、範囲内の画素値を小さい順に並べて、ちょうど真ん中の値を採るフィルタ。平均ではないことに注意。
- 9つの値を並べる。
- 小さい順に並べ替える。
- 9個あるので、5番目が中央値。したがって 76。
- 4 ○ 76。
- 参考:平均を採ると となり、まったく違う値になる。メディアンフィルタは、6 や 96 のような極端な値(スパイクノイズ)に引きずられないのが最大の利点で、ごま塩ノイズの除去に強い。一方で、エッジを保存できるのも特徴である。
問48 図の中で、CR 画像読み取り装置に用いられている log アンプの電圧入出力特性を示しているのはどれか。ただし、 は入力電圧、 は出力電圧、グラフは横軸・縦軸ともリニアスケールとする。

- a
- b
- c
- d
- e
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正解:4
- log アンプは、出力が入力の対数になる増幅器。
- 対数関数のグラフの形を思い出す。入力が小さいうちは急激に立ち上がり、大きくなるにつれて寝ていく(頭打ちになる)。
- 1 ✗ a は指数関数()の形。log とは逆。
- 2 ✗ b は比例(リニア)。
- 3 ✗ c は山型(正規分布のような形)。
- 4 ○ d がこの形。
- 5 ✗ e は S 字(シグモイド)で、これは増感紙-フィルム系の特性曲線の形。
- なぜ log アンプを使うのか:CR の輝尽性蛍光の強さは、X線量に対して 10 以上の広いダイナミックレンジにわたる。これをそのまま扱うと桁が大きすぎるので、対数に圧縮して扱いやすくする。同時に、フィルムの特性曲線(濃度は露光量の対数に比例)と対応がとれるという利点もある。
問49 アナログ信号をデジタル化する際に用いるアンチエリアシングフィルタの効果で正しいのはどれか。
- 画像を鮮鋭化させる。
- 直流成分を減衰させる。
- 濃度分解能を向上させる。
- 標本化周波数以上の空間周波数成分を増加させる。
- ナイキスト周波数以上の空間周波数成分を減衰させる。
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正解:5
- エリアシング(折り返し)は、ナイキスト周波数(=標本化周波数の 1/2)を超える成分が、標本化によって低周波側に化けて紛れ込む現象。モアレの原因になる。
- 1 ✗ 逆。高周波を削るので、画像はなまる(鮮鋭度は落ちる)。エリアシングを防ぐための代償である。
- 2 ✗ 直流成分(一番の低周波)は素通しする。それを削るのはハイパスフィルタ。
- 3 ✗ 濃度分解能は量子化ビット数で決まる。標本化とは別の話。
- 4 ✗ 増加させるのではなく減衰させる。また基準は標本化周波数ではなく、その半分のナイキスト周波数である。
- 5 ○ あらかじめナイキスト周波数以上を削っておけば、折り返す成分そのものがなくなる。だからアンチエリアシングフィルタはローパスフィルタである。「標本化する前に、入り得ないものを捨てておく」という考え方。
問50 アポトーシスで正しいのはどれか。
- 壊死のことである。
- 群発的に発現する。
- 炎症反応が関与する。
- 細胞環境の悪化によって生じる。
- プログラムされた細胞死である。
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正解:5
- アポトーシスとネクローシス(壊死)の対比が問われている。アポトーシスは「自ら畳む」、ネクローシスは「事故で壊れる」と考えると整理できる。
- 1 ✗ 壊死=ネクローシス。別物である。
- 2 ✗ アポトーシスは個々の細胞が単独で起こる。群発的(一帯がまとめて)に起こるのはネクローシス。
- 3 ✗ アポトーシスでは細胞が小さく縮んで断片化し、マクロファージが静かに片づけるので炎症は起こらない。周囲に内容物をぶちまけて炎症を起こすのがネクローシス。ここが両者の最大の違い。
- 4 ✗ 虚血・低栄養など細胞環境の悪化で起こるのはネクローシス。アポトーシスは環境が良くても、指令があれば起こる。
- 5 ○ アポトーシスは、遺伝子にあらかじめ組み込まれた手順に従って細胞が自ら死ぬこと。オタマジャクシの尾が消えるのも、放射線でリンパ球が死ぬのもこれ。
問51 水腎症の原因で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 陰囊水腫
- 尿管結石
- 慢性腎炎
- 神経因性膀胱
- 急性糸球体腎炎
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正解:2・4
- 水腎症=尿の通り道がどこかで詰まり、腎盂・腎杯に尿がたまって腎臓が拡張した状態。だから「流れをせき止めるもの」が答えになる。
- 1 ✗ 陰囊水腫は陰囊内に液体がたまる病気。尿路とは無関係。
- 2 ○ 尿管結石は尿管を直接ふさぐ。水腎症の最も典型的な原因。
- 3・5 ✗ 慢性腎炎・急性糸球体腎炎は腎実質そのものの病気で、尿の通り道は詰まっていない。腎機能は落ちるが水腎症にはならない。
- 4 ○ 神経因性膀胱では膀胱が尿を出しきれず、たまった尿が尿管へ逆流したり、内圧が上がって流れをせき止めたりする(下流の閉塞)。
- 整理:水腎症の原因は「尿路のどこかの閉塞」。結石・腫瘍(前立腺癌・膀胱癌・後腹膜腫瘍)・妊娠子宮による圧迫・神経因性膀胱など。腎実質の病気は原因にならない。
問52 生活習慣病はどれか。
- がん
- 1 型糖尿病
- 肥大型心筋症
- 重症筋無力症
- 慢性関節リウマチ
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正解:1
- 生活習慣病=食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒などが発症や進行に関与する疾患群。
- 1 ○ がんは代表的な生活習慣病。喫煙・飲酒・食生活・肥満・感染などが関与し、予防可能な要因が大きい。がん・脳卒中・心疾患・糖尿病が四大生活習慣病とされる。
- 2 ✗ 1 型糖尿病は、自己免疫によって膵β細胞が破壊されて起こる。生活習慣とは無関係で、小児にも起こる。生活習慣病なのは 2 型糖尿病。「1 型」と明記されているのがこの選択肢の要点。
- 3 ✗ 肥大型心筋症は遺伝性の心筋の病気。
- 4 ✗ 重症筋無力症は自己免疫疾患(神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する抗体)。
- 5 ✗ 関節リウマチも自己免疫疾患。
問53 ファーター乳頭に開口するのはどれか。
- 総肝管
- 総胆管
- 胆囊管
- 左肝管
- 右肝管
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正解:2
- 胆道の流れを順に追う。右肝管・左肝管 → 合流して総肝管 → 胆囊管が合流して総胆管 → 十二指腸乳頭(ファーター乳頭)。
- 1 ✗ 総肝管は胆囊管が合流する手前の区間。乳頭にはまだ届いていない。
- 2 ○ 総胆管が、主膵管と合流してファーター乳頭(十二指腸下行部)に開口する。ここにはオッディ括約筋があり、胆汁と膵液の流出を調節している。
- 3 ✗ 胆囊管は胆囊から出て総肝管に合流する枝。
- 4・5 ✗ 左肝管・右肝管は肝内から出る、最も上流の枝。
- 覚え方:「乳頭に開口するのは総胆管と主膵管の2本だけ」。名前に「総胆管」とあるとおり、すべての胆汁が最後に通る1本である。
問54 異物や不要物の処理を担う細胞内小器官はどれか。
- 小胞体
- ゴルジ体
- リソソーム
- リボソーム
- ミトコンドリア
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正解:3
- 1 ✗ 小胞体はタンパク質の合成(粗面)や脂質の合成・解毒(滑面)を担う。
- 2 ✗ ゴルジ体はタンパク質の加工・糖鎖付加・仕分けと出荷を担う。
- 3 ○ リソソームは加水分解酵素を詰め込んだ袋で、細胞内の「ごみ処理場」。取り込んだ異物や、古くなった自分の細胞小器官を分解する(オートファジー)。
- 4 ✗ リボソームはタンパク質を合成する。リソソームと名前が一字違いなので要注意。「リボ=作る、リソ=壊す」と覚える。
- 5 ✗ ミトコンドリアは ATP を産生する。
問55 頸椎横突孔を通過する血管はどれか。
- 外頸動脈
- 総頸動脈
- 椎骨動脈
- 内頸動脈
- 脳底動脈
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正解:3
- 1・2・4 ✗ 総頸動脈・内頸動脈・外頸動脈は、いずれも頸部の前外側の軟部組織の中を走る(頸動脈鞘の中)。骨の中は通らない。
- 3 ○ 椎骨動脈は鎖骨下動脈から分かれ、第6頸椎から第1頸椎までの横突孔を上行する。骨のトンネルの中を通るという、他に例のない走行をする血管。左右が合流して脳底動脈になり、後方循環を作る。
- 5 ✗ 脳底動脈は、左右の椎骨動脈が頭蓋内で合流した後の血管。横突孔を通り終えた先にある。
- 臨床的な意味:横突孔を通るため、頸椎の変形や外傷で椎骨動脈が傷つくことがある。頸椎の斜位撮影で横突孔が観察できる。
問56 鼓膜に接するのはどれか。
- 鋤骨
- ツチ骨
- 有鉤骨
- アブミ骨
- キヌタ骨
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正解:2
- 耳小骨は、鼓膜から内耳へ振動を伝える3つの骨。鼓膜 →(ツチ骨 → キヌタ骨 → アブミ骨)→ 前庭窓(内耳)の順に並ぶ。
- 1 ✗ 鋤骨(じょこつ)は鼻中隔を作る骨。耳ではない。
- 2 ○ ツチ骨が鼓膜に接する(最初の骨)。
- 3 ✗ 有鉤骨は手根骨のひとつ。
- 4 ✗ アブミ骨は最後で、前庭窓(卵円窓)に接する。人体で最も小さい骨。
- 5 ✗ キヌタ骨は真ん中。
- 覚え方:「鼓膜からツチ・キヌタ・アブミ」。順に並べるだけで、両端が何に接するかも決まる。
問57 Basedow〈バセドウ〉病で低下するのはどれか。
- TSH
- 心拍数
- FT3(非結合型 T3)
- FT4(非結合型 T4)
- 抗 TSH 受容体抗体
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正解:1
- バセドウ病は、抗 TSH 受容体抗体が甲状腺の TSH 受容体を刺激し続けることで、甲状腺ホルモンが出すぎる病気。ここからネガティブフィードバックを考える。
- 1 ○ 甲状腺ホルモンが多すぎるので、下垂体は「もう作らなくていい」と判断して TSH の分泌を止める。だから TSH は著明に低下(測定感度以下になることも多い)。ホルモンは高いのに、刺激ホルモンは低いという組合せが、原発性(甲状腺自身の問題)であることを示す。
- 2 ✗ 甲状腺ホルモンは代謝を上げるので、心拍数は増加(頻脈・動悸)。
- 3・4 ✗ FT3・FT4 はいずれも上昇。これが病気の本体。
- 5 ✗ 抗 TSH 受容体抗体は上昇(陽性)。バセドウ病の原因物質であり、診断の決め手になる。
問58 呼吸運動に寄与する筋肉はどれか。2つ選べ。
- 横隔膜
- 三角筋
- 梨状筋
- 肋間筋
- 内閉鎖筋
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正解:1・4
- 呼吸は、胸郭の容積を変えることで行われる。それを担う筋が答え。
- 1 ○ 横隔膜は最も主要な呼吸筋。収縮して下がると胸腔が広がり、息が吸える(腹式呼吸)。安静時の吸気の約7割を担う。
- 2 ✗ 三角筋は肩を外転させる筋。
- 3 ✗ 梨状筋は股関節を外旋させる筋。
- 4 ○ 肋間筋。外肋間筋が収縮すると肋骨が持ち上がって胸郭が広がる(胸式呼吸)。
- 5 ✗ 内閉鎖筋も股関節の外旋筋。
- 補足:安静時の呼気は筋を使わない(肺と胸郭の弾性で自然に戻る)。努力呼気のときだけ内肋間筋や腹筋群が働く。
問59 ウイルスによる感染症はどれか。
- 結核
- 梅毒
- 淋病
- 帯状疱疹
- 性器クラミジア
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正解:4
- 1 ✗ 結核は結核菌(細菌)。
- 2 ✗ 梅毒は梅毒トレポネーマ(スピロヘータ=細菌)。
- 3 ✗ 淋病は淋菌(細菌)。
- 4 ○ 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による。子どものときの水痘の後、ウイルスが神経節に潜んでいて、免疫が落ちたときに再活性化して起こる。
- 5 ✗ 性器クラミジアはクラミジア・トラコマチス(細菌の一種)。
- 見分け方:抗菌薬が効くかどうかで考えるとよい。1・2・3・5 はすべて抗菌薬で治療できる細菌感染症。ウイルスには抗菌薬が効かない。
問60 筋組織が横紋筋であるのはどれか。2つ選べ。
- 咬筋
- 子宮
- 小腸
- 心臓
- 動脈
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正解:1・4
- 筋は3種類。骨格筋(横紋・随意)・心筋(横紋・不随意)・平滑筋(横紋なし・不随意)。横紋があるのは骨格筋と心筋の2つである。
- 1 ○ 咬筋は骨格筋(横紋筋)。あごを閉じる筋。
- 2 ✗ 子宮は平滑筋。
- 3 ✗ 小腸(消化管)は平滑筋。
- 4 ○ 心臓(心筋)は横紋筋。ただし自分の意思では動かせない不随意筋。ここが骨格筋と違う点で、最も間違えやすい。
- 5 ✗ 動脈の中膜も平滑筋。
- 整理:横紋の有無と随意・不随意は一致しない。「心筋だけが、横紋があるのに不随意」という例外を押さえるのがこの問題の核心。
問61 ネフロン〈腎単位〉の構造でないものはどれか。
- 腎杯
- 糸球体
- 遠位尿細管
- 近位尿細管
- ボーマン囊
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正解:1
- ネフロン=腎臓が尿を作る最小の単位で、腎小体(糸球体+ボーマン囊)+ 尿細管(近位・ヘンレ係蹄・遠位)からなる。片方の腎臓に約 100 万個ある。
- 1 ○(これが答え) 腎杯は、できあがった尿を受けて集める空間。尿を「作る」構造ではないのでネフロンに含まれない。腎杯 → 腎盂 → 尿管、と続く排出路である。
- 2・5 ✗ 糸球体とボーマン囊は腎小体を構成し、ろ過を担う。
- 3・4 ✗ 近位・遠位尿細管は再吸収と分泌を担う。
- 補足:集合管もネフロンには含めない(複数のネフロンが合流する共同の管であるため)。「1個の単位として完結しているか」が線引きになる。
問62 空気感染するのはどれか。
- AIDS
- 麻疹
- 破傷風
- B 型肝炎
- 流行性角結膜炎
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正解:2
- 空気感染(飛沫核感染)するのは 結核・麻疹・水痘 の3つだけ。「ケッカク・マシン・スイトウ」で覚える。
- 1 ✗ AIDS(HIV)は血液・体液を介した感染。
- 2 ○ 麻疹(はしか)。飛沫核が空気中を長く漂うため、同じ部屋にいるだけで感染する。感染力がきわめて強い。
- 3 ✗ 破傷風は土壌中の破傷風菌が傷口から入る(創傷感染)。人から人へはうつらない。
- 4 ✗ B 型肝炎は血液・体液を介した感染。針刺し事故で問題になる。
- 5 ✗ 流行性角結膜炎(はやり目、アデノウイルス)は接触感染。
- 実務上の要点:空気感染には N95 マスクと陰圧室が必要。サージカルマスクでは防げない。
問63 肺静脈が流入する場所はどれか。
- 右心室
- 右心房
- 左心室
- 左心房
- 上大静脈
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正解:4
- 血液の流れ:全身 → 上下大静脈 → 右心房 → 右心室 → 肺動脈 → 肺 → 肺静脈 → 左心房 → 左心室 → 大動脈 → 全身。
- 1・3 ✗ 心室は血液が出ていく部屋。入ってくるのは心房。
- 2 ✗ 右心房に入るのは上大静脈・下大静脈・冠静脈洞。
- 4 ○ 肺静脈は左心房に流入する(左右2本ずつ計4本)。
- 5 ✗ 上大静脈は右心房へ注ぐ側であり、受け皿ではない。
- 紛らわしい点の整理:肺動脈には静脈血(酸素の少ない血)が流れ、肺静脈には動脈血(酸素の多い血)が流れる。動脈・静脈の名前は「心臓から出るか・戻るか」で決まり、血液の質とは無関係である。
問64 受精が起こるのはどこか。
- 腟
- 卵管
- 卵巣
- 子宮頸部
- 子宮内膜
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正解:2
- 1・4 ✗ 腟・子宮頸部は精子が通過する通り道。
- 2 ○ 受精は卵管膨大部(卵管の外側 1/3、最も広い部分)で起こる。卵巣から排卵された卵子を卵管采が拾い上げ、腟から上ってきた精子とここで出会う。
- 3 ✗ 卵巣は卵子を放出する場所(排卵)。受精はその後。
- 5 ✗ 子宮内膜は、受精卵が数日かけて卵管を下り、着床する場所。受精の場所ではない。
- 流れ:排卵(卵巣)→ 受精(卵管膨大部)→ 分裂しながら移動 → 着床(子宮内膜)。受精から着床まで約 1 週間かかる。
- 臨床:受精卵が卵管にとどまってしまうのが子宮外妊娠(卵管妊娠)で、破裂すると大量出血をきたす緊急疾患になる。
問65 放射線による殺細胞効果で正しいのはどれか。
- LET が高いほど RBE も高くなる。
- 低 LET 放射線では直線的な細胞生存率曲線を示す。
- 高 LET 放射線に対する放射線感受性は細胞周期に大きく依存する。
- α/β 値が小さい細胞では、大きい細胞に比べて 1 回当たりの線量による影響が小さい。
- 高 LET 放射線では、酸素存在下と無酸素下における細胞生存率曲線の差は低 LET 線に比べ小さい。
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正解:5
- 1 ✗ 途中までは正しいが、LET が 100 keV/µm 付近で RBE は最大になり、それを超えるとむしろ低下する。エネルギーを1つの細胞に使いすぎて無駄になるため(オーバーキル効果)。「ほど〜なる」という単調な関係ではない。
- 2 ✗ 逆。低LETでは肩(ショルダー)のある曲線になる(亜致死損傷の蓄積と修復があるため)。直線的になるのは高LET。
- 3 ✗ 逆。高LETでは細胞周期による感受性の差が小さくなる。どの時期でも容赦なく殺せる。
- 4 ✗ 逆。 より、α/β が小さいほど 1 回線量 の影響が大きくなる。だから前立腺癌(α/β が低い)では 1 回線量を上げる寡分割照射が有利になる。
- 5 ○ 高LET放射線は直接作用が主なので、酸素の助けを借りずに DNA を壊せる。したがって酸素効果が小さい(OER が 1 に近い)=酸素の有無で生存率曲線があまり変わらない。低酸素の腫瘍にも効くという、粒子線治療の大きな利点である。
問66 全身被ばくで正しいのはどれか。
- γ線 6 Gy の被ばく後に生じる主な死因は腸管死である。
- 被ばくした直後に意識消失があった場合、致死的である。
- X線を 3 Gy 被ばくした場合、10 分以内に重度の頭痛が生じる。
- 被ばく線量が高いほど腸管死が生じるまでの期間は短くなる。
- 中性子線 3 Gy の被ばくであれば適切な治療介入によって回復可能である。
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正解:2
- 急性放射線症の線量と死因の対応を押さえる。3〜10 Gy=骨髄死(30〜60日)、8〜15 Gy=腸管死(1〜2週)、15〜20 Gy 以上=中枢神経死(数日)。
- 1 ✗ 6 Gy は骨髄死の線量域。腸管死は 8 Gy 以上。
- 2 ○ 被ばく直後の意識消失は、中枢神経が直接やられた(=20 Gy を大きく超える)ことを意味する。この線量域では救命の手立てがなく、致死的である。前駆症状の出る速さがそのまま重症度を示す。
- 3 ✗ 3 Gy 程度では、10 分以内に重度の頭痛は生じない。数時間後に悪心・嘔吐などの宿酔症状が出る。
- 4 ✗ 腸管死が起こる時期(1〜2週)は、腸上皮が寿命で失われるまでの時間でほぼ決まっており、線量を上げてもあまり短くならない。線量を上げると、時期が早まるのではなくより重い病態(中枢神経死)に移行する。
- 5 ✗ 中性子線は放射線加重係数が大きく(最大 20)、3 Gy の中性子は等価線量で数十 Sv 相当。回復は望めない。「Gy と Sv の違い」を突く選択肢である。
問67 確率的影響で正しいのはどれか。
- しきい値を持つ。
- 発生時期は被ばく後 1 年以内である。
- 被ばくにより発がんのリスクが増加する。
- 線量の増加とともに障害の程度が大きくなる。
- 被ばく線量の増加に伴い発生確率は指数関数的に増加する。
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正解:3
- 確率的影響=発がんと遺伝的影響の2つだけ。「線量が増えると確率が上がるが、重さは変わらない」「しきい値がない」のが特徴。
- 1 ✗ しきい値はないと仮定される(LNT 仮説)。どんなに少ない線量でもリスクはゼロにならない、という前提で防護体系が組まれている。しきい値があるのは確定的影響。
- 2 ✗ 発がんは数年〜数十年後に現れる晩発影響。白血病で 2〜5 年、固形がんで 10 年以上。
- 3 ○ 確率的影響の中身そのもの。
- 4 ✗ 線量が増えても、できるがんが「重くなる」わけではない。増えるのは起こる確率だけ。この区別が確率的影響の核心。
- 5 ✗ 線量に直線的に比例して増加すると仮定される(LNT=Linear No-Threshold)。指数関数ではない。
問68 X線の分割照射で正しいのはどれか。
- SLD 回復は誘導されない。
- 寡分割照射では 1 日 2 〜 3 回照射する。
- 総線量が同じであれば、分割回数を増やすと晩期の有害事象が増加する。
- 総線量と分割回数が同じであれば、全照射期間が長い方が細胞の生存率は高い。
- 骨転移緩和照射では、1 回 8 Gy の単回照射と比べて疼痛再発のリスクが上がる。
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正解:4
- 1 ✗ 逆。分割することで照射の間にSLD 回復が起こる。これが分割照射の「4つのR」の一つ。
- 2 ✗ 寡分割=分割回数を減らす(1回線量を大きくする)。1日2〜3回照射するのは多分割(過分割)照射。用語が逆になっている。
- 3 ✗ 逆。分割回数を増やす=1回線量が小さくなるので、 より、α/β の小さい晩期反応組織ほど影響が小さくなる。だから晩期有害事象は減少する。これが分割照射を行う最大の理由。
- 4 ○ 期間が長いほど、その間に細胞の再増殖(repopulation)が進むので、生存率は高くなる。腫瘍にとってはこれが不利に働くため、治療期間の延長(休止期間)は避けるべきとされる。
- 5 ✗ 骨転移の緩和照射では、8 Gy 単回と 30 Gy/10 回の除痛効果はほぼ同等。ただし単回のほうが再照射を要する率は高い(10〜20% 対 数%)。この選択肢は向きが逆になっている。
問69 α/β 値が 1 〜 3 Gy とされるのはどれか。
- 筋肉
- 口腔粘膜
- 腸管上皮
- リンパ球
- 小細胞肺癌
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正解:1
- α/β 値は「1回線量の大きさにどれだけ敏感か」を表す。増殖の遅い組織(晩期反応組織)は 1〜3 Gy、増殖の速い組織(早期反応組織)と多くの腫瘍は約 10 Gy。
- 1 ○ 筋肉は分裂がほとんどない晩期反応組織なので、α/β は 1〜3 Gy。同じ仲間は脊髄・肺・腎臓・膀胱・皮膚(晩期)など。
- 2 ✗ 口腔粘膜は数日で入れ替わる早期反応組織。α/β は約 10 Gy。
- 3 ✗ 腸管上皮も早期反応組織。α/β は約 10 Gy。
- 4 ✗ リンパ球は感受性がきわめて高い細胞で、α/β も高い。
- 5 ✗ 小細胞肺癌は増殖が非常に速い腫瘍で、α/β は約 10 Gy。
- 例外として押さえたいのは 前立腺癌(α/β ≒ 1.5 Gy)。腫瘍なのに晩期反応組織と同じくらい低いため、寡分割照射が有利になる。
問70 基底状態にある Sr 原子の最外殻の軌道電子配置はどれか。
- 4s²
- 4s²4p⁴
- 5s²
- 5s²5p²
- 6s¹
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正解:3
- Sr(ストロンチウム)は原子番号 38、第5周期・第2族(アルカリ土類金属)。周期表の位置から電子配置が決まる。
- 周期 = 最外殻の主量子数 → 第5周期なので 5s
- 第2族 = 最外殻の電子が 2 個 → 5s²
- 1 ✗ 4s² は Ca(第4周期・第2族)の最外殻。同じ第2族だが周期が1つ違う。
- 3 ○ したがって 5s²。全体では と書ける(Kr が 36 個 + 2 個 = 38 個で原子番号と一致する、と検算できる)。
- 4 ✗ 5s²5p² は Sn(第5周期・第14族)。
- 5 ✗ 6s¹ は Cs(第6周期・第1族)。
- 核医学との関連:Sr は有痛性骨転移の治療に使う。カルシウムと同じ第2族なので、体内でカルシウムと同じように振る舞って骨に集積する。この性質は電子配置(最外殻が s²)から来ている。
問71 60 keV 光子の水中における、全相互作用数に対するコンプトン効果の寄与の割合[%]に最も近いのはどれか。
- 25
- 40
- 55
- 70
- 85
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正解:5
- 水(実効原子番号 7.4)における光子の相互作用の主役は、エネルギーによって次のように移り変わる。
| エネルギー | 主な相互作用 |
|---|---|
| 〜30 keV | 光電効果が優勢 |
| 30 keV〜30 MeV | コンプトン散乱が支配的 |
| 30 MeV〜 | 電子対生成が優勢 |
- 60 keV は、コンプトン散乱が支配的な領域にしっかり入っている。実際の断面積を比べると、コンプトン散乱が全体の 8〜9 割を占め、光電効果は数%、残りが干渉性(レイリー)散乱となる。
- 5 ○ したがって 85% が最も近い。
- 1〜4 ✗ いずれも低すぎる。光電効果を過大に見積もった値。
- 押さえどころ:診断領域(30〜120 keV)の軟部組織ではコンプトンが主役。ただし骨やヨードなど原子番号の大きい物質では光電効果の寄与が大きくなり、これがX線画像のコントラストを生んでいる。「水では 60 keV でもう 8 割以上がコンプトン」という感覚を持っておきたい。
問72 中性子の性質で正しいのはどれか。
- 自由空間中では β⁺ 壊変する。
- 静止質量は陽子と電子の静止質量の和よりも大きい。
- 熱中性子の室温でのエネルギーの最確値は 0.25 eV である。
- 熱中性子の捕獲反応断面積は中性子の運動エネルギーに反比例する。
- 速中性子が重陽子と弾性散乱したとき失う運動エネルギーの最大値は、散乱前の運動エネルギーに等しい。
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正解:2
- 1 ✗ 自由中性子は β⁻ 壊変する(半減期約 10 分)。。中性子が陽子に変わるので、出るのは電子(β⁻)。
- 2 ○ 中性子 939.57 MeV に対し、陽子+電子は 938.27 + 0.511 = 938.78 MeV。中性子のほうが約 0.78 MeV 大きい。この差があるからこそ、中性子は陽子+電子+反ニュートリノへ自発的に壊変できる(質量の大きいものから小さいものへ)。
- 3 ✗ 熱中性子の室温でのエネルギーは 0.025 eV(=25 meV)。ひと桁違う。(:ボルツマン定数、= 300 K)から求まる値で、頻出の数値。
- 4 ✗ 捕獲断面積は速度に反比例する(1/v 則)。運動エネルギーは なので 、つまり断面積は に比例する。エネルギーそのものへの反比例ではない。
- 5 ✗ 弾性散乱で全エネルギーを失えるのは、質量の等しい相手(水素=陽子)とぶつかったときだけ。重陽子は質量が約2倍なので、最大でも 8/9(約 89%)しか渡せない。減速材に水素を使う理由がここにある。
問73 X線の発生で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 特性X線のエネルギーは管電圧に比例する。
- 制動X線の全強度は管電圧を 2 倍にすると 4 倍になる。
- Kα 線のエネルギーはモリブデンよりタングステンの方が大きい。
- ターゲットの原子番号が大きくなるほど制動X線の最大エネルギーは大きくなる。
- K 特性X線は、ターゲットへの入射電子エネルギーが K 殻軌道電子の結合エネルギーより小さいときに生じる。
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正解:2・3
- 押さえどころは、特性X線は「ターゲットの元素」で決まり、制動X線は「管電圧」で決まるという役割分担。
- 1 ✗ 特性X線のエネルギーはターゲット元素の殻のエネルギー差で決まり、管電圧を上げても変わらない(増えるのは量だけ)。
- 2 ○ 制動X線の全強度は 。管電圧の2乗に比例するので、2倍にすれば 4 倍になる。
- 3 ○ Kα 線のエネルギーは K 殻の結合エネルギーで決まり、原子番号が大きいほど大きい。W(Z=74)は約 59 keV、Mo(Z=42)は約 17.5 keV。マンモグラフィで Mo を使うのは、この低いエネルギーの特性X線が乳腺のコントラストに適しているため。
- 4 ✗ 制動X線の最大エネルギーは管電圧だけで決まる(100 kV なら 100 keV)。原子番号は強度には効くが、最大エネルギーには効かない。
- 5 ✗ 逆。入射電子のエネルギーが結合エネルギーより大きいときに、K 殻電子を弾き飛ばせて特性X線が出る。この境目が励起電圧である。
問74 核融合反応 D + T → He + n による核反応の 値[MeV]に最も近いのはどれか。ただし、それぞれの粒子の静止質量を D は 2.014 Da、T は 3.016 Da、He は 4.002 Da、n は 1.009 Da とし、統一原子質量単位 1 Da = 930 MeV とする。
- −18
- −5
- 0
- 5
- 18
解答・解説を見る
正解:5
- 値は「反応前の質量 − 反応後の質量」をエネルギーに直したもの。質量が減ったぶんがエネルギーとして出てくる()。
- ① 反応前の質量
- ② 反応後の質量
- ③ 質量の差(質量欠損)
- ④ エネルギーに換算
- 5 ○ MeV。
- 符号の意味: = 発熱反応(エネルギーが出る)。核融合はまさにこれで、太陽が輝くのも同じ原理。引き算の向きを逆にすると −18(選択肢1)になるので、「軽くなったぶんが出てくる」と覚えて向きを確かめる。
問75 変圧器の電圧及び負荷電流が一定で、周波数が低下したときの鉄損と銅損との変化の組合せで正しいのはどれか。
| 鉄損 | 銅損 | |
|---|---|---|
| 1 | 減少する | 変わらない |
| 2 | 増加する | 変わらない |
| 3 | 増加する | 減少する |
| 4 | 変わらない | 減少する |
| 5 | 変わらない | 増加する |
解答・解説を見る
正解:2
- 銅損から考えるほうが簡単。銅損=巻線の抵抗による損失= 。負荷電流が一定なら、周波数が変わっても銅損は変わらない。これで選択肢は 1 か 2 に絞れる。
- 鉄損は、電圧一定で周波数が下がると磁束密度 が上がることが鍵になる。ファラデーの法則から なので、
- が下がれば は増える。これを踏まえて2つの損失を見る。
- ヒステリシス損 → が下がると増加
- 渦電流損 → によらず一定
- したがって鉄損全体としては増加する。
- 2 ○ 鉄損は増加、銅損は変わらない。
- 実際上の意味:周波数の低い電源で変圧器を使うと磁気飽和を起こしやすく、うなりや過熱の原因になる。だから 50 Hz 用の機器を 60 Hz で使うのは比較的安全だが、逆は危険とされる。
問76 図に示すブリッジの検流計 G の振れが 0 になったときの抵抗 [Ω]はどれか。

- 0.3
- 0.5
- 2.0
- 3.0
- 8.3
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正解:4
- 検流計の振れが 0 = ホイートストンブリッジの平衡条件が成り立っている。向かい合う辺の積が等しい(たすき掛け)。
( は 6 Ω と の並列合成抵抗)
- まず を求める。
- 次に、並列合成が 2 Ω になる を求める。
- 4 ○ したがって 3.0 Ω。
- 落とし穴は2つ。① 6 Ω と が並列であることを見落とさない( をそのまま答えると選択肢3)。② 並列合成は「和分の積」で、単純な足し算ではない。検算: ✓
問77 図に示す平行平板コンデンサの静電容量[pF]はどれか。ただし、極板間の誘電率 は F・m⁻¹ とする。

- 0.1
- 0.2
- 0.5
- 1.0
- 5.0
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正解:3
- 平行平板コンデンサの静電容量は次の式で表される。
(:極板の面積、:極板間の距離)
- 図から読み取ると、極板は 5 mm × 10 mm、間隔は 5 mm。すべて m に直してから代入するのが確実。
- 代入する。
- 単位を pF に直す。1 pF = F なので、
- 3 ○ 0.5 pF。
- mm のまま計算すると桁が狂う。また最後に pF への換算を忘れると 5.0(選択肢5)を選んでしまう。
問78 正弦波交流の実効値 と平均値 との比(:)はどれか。
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正解:5
- 最大値を として、2つの値を書き出す。平均値は「半周期で平均した値」である点に注意(1周期では 0 になってしまうため)。
- 比をとる。 が約分できる。
- 両辺に を掛けて整理する。
- 5 ○ したがって 。
- 検算:。比の値は 。これは波形率(実効値÷平均値=1.11)と一致する。正弦波では波形率 1.11、波高率 1.41 という数値を覚えておくと、その場で確かめられる。
問79 物理量と単位の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
- カーマ ── J・kg
- 吸収線量 ── C・kg⁻¹
- 照射線量 ── J・kg⁻¹
- 質量阻止能 ── J・m²・kg⁻¹
- 線減弱係数 ── m⁻¹
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正解:4・5
- 1 ✗ カーマは単位質量あたりのエネルギーなので J・kg⁻¹(=Gy)。「⁻¹」が抜けている。
- 2 ✗ 吸収線量も J・kg⁻¹(=Gy)。C・kg⁻¹ は照射線量の単位。
- 3 ✗ 照射線量は単位質量の空気に生じる電荷なので C・kg⁻¹。2 と 3 が入れ替わっている。
- 4 ○ 質量阻止能は「エネルギー ÷(密度 × 距離)」= 。よく使う MeV・cm²・g⁻¹ と同じ次元である。
- 5 ○ 線減弱係数は の指数部が無次元になるよう、長さの逆数(m⁻¹)。
- 整理:Gy(=J/kg)を単位とするのは カーマ・吸収線量、C/kg を単位とするのは 照射線量。エネルギーを測るのか、電荷を測るのかの違いである。
問80 比例計数管で誤っているのはどれか。
- PR ガスを用いる。
- 光電子増倍管を用いる。
- 電子なだれを利用する。
- BF ガスを封入すると熱中性子を検出できる。
- 印加電圧の変化による計数率特性から α 線と β 線を弁別できる。
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正解:2
- 1 正しい PR ガス(P-10 ガス:アルゴン 90%+メタン 10%)が標準的に使われる。メタンはクエンチング(消滅)ガスとして働く。
- 2 誤り 光電子増倍管は、シンチレーション検出器で「光を電気信号に変えて増幅する」ための部品。比例計数管は気体の電離で生じた電荷を直接集めるので、光に変える段階がなく、必要ない。
- 3 正しい 印加電圧を上げて陽極付近の電界を強くすると、電子が加速されて次々に電離を起こす(電子なだれ/ガス増幅)。比例領域では、元の電離量に比例した大きさのパルスが得られる。
- 4 正しい B(n,α)Li 反応を利用して熱中性子を検出できる。中性子そのものは電離しないので、荷電粒子に変換する仕組みが要る。
- 5 正しい α線は電離が密で大きなパルス、β線は小さなパルスを作る。印加電圧を変えながら計数率を測ると、α線だけを数えるプラトーと、α+βを数えるプラトーが現れるので弁別できる。これは GM 計数管にはできない、比例計数管ならではの性質。
問81 潮解性を示す放射線検出器はどれか。
- GM 計数管
- 比例計数管
- 半導体検出器
- 蛍光ガラス線量計
- NaI(Tl)シンチレーション検出器
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正解:5
- 1・2 ✗ GM 計数管・比例計数管は気体を封入した金属容器。潮解性はない。
- 3 ✗ 半導体検出器(Si・Ge・CZT)は固体の結晶で、潮解性はない。
- 4 ✗ 蛍光ガラス線量計はガラスなので水に溶けない。むしろ安定でフェーディングが少ないことが利点で、長期の個人線量測定に使われる。
- 5 ○ NaI(ヨウ化ナトリウム)は塩の一種で、空気中の水分を吸って溶けてしまう(潮解性)。だからアルミニウムなどの容器に密封して使う。容器に傷や隙間ができると結晶が白濁し、光の透過が悪くなって性能が落ちる。取り扱いで最も注意すべき点である。
- 参考:シンチレータでも CsI(Tl) はわずかに潮解性がある程度、BGO・LSO・プラスチックシンチレータは潮解性がない。NaI(Tl) は発光量が大きく安価という利点があるため、潮解性という欠点を密封で補って広く使われている。
問82 蛍光現象を利用した個人被ばく線量計で、Sn や Al のフィルタを組合せて使用する目的はどれか。
- α 線と β 線を弁別する。
- LET 依存性を補正する。
- フェーディングを補正する。
- エネルギー依存性を補正する。
- 中性子線に対する感度を高くする。
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正解:4
- 蛍光ガラス線量計や OSL 線量計の素子は、実効原子番号が人体組織より大きいため、低エネルギーのX線を過大に評価してしまう(光電効果が に比例するため)。
- 1 ✗ α線はそもそも線量計の窓を通れない。弁別の目的ではない。
- 2 ✗ LET 依存性はフィルタでは補正できない。
- 3 ✗ フェーディング(時間とともに信号が薄れる現象)は素子の性質で決まり、フィルタとは無関係。
- 4 ○ そこで原子番号の異なるフィルタ(Sn・Al・Cu など)を重ねる。低エネルギー成分はフィルタで削られるので、過大評価が打ち消され、応答が平坦になる。これがエネルギー依存性の補正。さらに、複数のフィルタの下の読み値を比べることで、入射した放射線のおおよそのエネルギーや種類まで推定でき、1 cm 線量当量と 70 µm 線量当量の評価に使える。
- 5 ✗ 中性子の検出には別の仕組み(Li を含む素子や飛跡検出器)が必要。
問83 半価層を求める式はどれか。ただし、線減弱係数を とする。
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正解:5
- 半価層 は「線量が半分になる厚さ」。減弱の式に を代入して解く。
- 両辺の自然対数をとる。
- 5 ○ したがって 。 なので、おなじみの と同じ式である。
- 符号と次数の確認が要点。 は負の値(約 −0.693)なので、マイナスを付けないと厚さが負になってしまう(選択肢2)。また の単位が cm⁻¹ なので、厚さ(cm)にするには でなければならない(選択肢4 は次元が合わない)。
問84 検査と造影剤の体内への注入経路の組合せで適切でないのはどれか。
- CAG ── 経動脈
- DIP ── 経静脈
- HSG ── 経腟
- UCG ── 経尿道
- ERCP ── 経皮経肝
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正解:5
- 1 正しい CAG(冠動脈造影)は経動脈(大腿動脈・橈骨動脈から)。
- 2 正しい DIP(点滴静注腎盂造影)は経静脈。名前に「静注」とある。
- 3 正しい HSG(子宮卵管造影)は経腟(子宮口からカテーテルを入れる)。
- 4 正しい UCG(膀胱造影)は経尿道(尿道カテーテルから)。
- 5 誤り ERCP=内視鏡的逆行性胆管膵管造影。名前のとおり内視鏡を口から入れ、十二指腸乳頭から逆行性に造影剤を注入する(経口・経内視鏡)。経皮経肝で行うのは PTC(経皮経肝胆管造影)で、別の検査。名前に「内視鏡的(Endoscopic)」とあることが決め手になる。
- 略語の展開:Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography。略語の最初の文字が経路を示している好例である。
問85 上部消化管造影写真が示されている。正しいのはどれか。
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.6 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- 腹臥位の画像である。
- 立位で撮影している。
- 噴門部が明瞭に描出されている。
- 胃体中部後壁の描出を目的としている。
- 胃角部の小弯線が U 字に描出されている。
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正解:4
- 二重造影法では、バリウムは重力で下に落ち、空気は上に上がる。したがって、「上になっている壁」が薄くバリウムで覆われて描出される。体位から目的が決まる、というのが読み方の骨格である。
- 1 ✗ 腹臥位(うつぶせ)なら前壁の描出が目的になる。
- 2 ✗ 立位では、バリウムが胃の下部(前庭部)に溜まり、上部(穹窿部)が空気で広がる。写真の像とは異なる。
- 3 ✗ 噴門部を見るには、頭低位(トレンデレンブルグ)で背臥位〜第2斜位をとる必要がある。背臥位のままでは描出しにくい部位。
- 4 ○ 背臥位(仰向け)では後壁が上になるので、後壁にバリウムが薄く付き、空気で広げられて胃体中部後壁が描出される。二重造影の基本体位。
- 5 ✗ 胃角部の小弯線が U 字に見えるのは、立位第1斜位などの体位。
- 原則:「見たい壁を上にする」。これだけで体位と目的の対応が導ける。
問86 WHO のガイドラインで、手指衛生の 5 つのタイミングに該当するのはどれか。
- 食事休憩の後
- 電子カルテ端末に触る前
- X線 CT 装置の始業点検の前
- X線 CT 装置の操作卓に触った後
- 寝台から起き上がる患者を介助した後
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正解:5
- WHO の「手指衛生の 5 つのタイミング(My 5 Moments)」は、患者を中心に定められている。
- ① 患者に触れる前
- ② 清潔・無菌操作の前
- ③ 体液に曝露された可能性のある後
- ④ 患者に触れた後
- ⑤ 患者周辺の環境に触れた後
- 1 ✗ 食事休憩の後は一般的な衛生行為で、この5つには含まれない。
- 2・3・4 ✗ 電子カルテ端末・CT の始業点検・操作卓は、いずれも患者周辺の環境ではない(患者ゾーンの外)。5つのタイミングに該当しない。
- 5 ○ 患者の介助=患者に触れた後(④)にあたる。
- 判断の軸:「患者ゾーン(患者とその周囲)に出入りするとき」が対象になる。装置の操作卓は医療者ゾーンなので含まれない、という線引きである。
問87 頭部撮影基準線が示されている。正しい組合せはどれか。

- ア ── ドイツ水平線
- イ ── 眼窩耳孔線
- ウ ── 耳垂直線
- エ ── 頷角耳孔線
- オ ── 前鼻棘耳孔線
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正解:2
- 頭部の基準線は、いずれも外耳孔を起点として、顔面のどの点に向かうかで決まる。図でもすべての線が外耳孔から放射状に出ている。それぞれの定義は次のとおり。
- ドイツ水平線(IOML/フランクフルト平面):眼窩下縁と外耳孔上縁を結ぶ線。すべての基準となる 0 度の線。
- 眼窩耳孔線(OML):外眼角と外耳孔を結ぶ線。ドイツ水平線より 7〜10 度上を通る。
- 耳垂直線:外耳孔を通り、ドイツ水平線に垂直な線。
- 前鼻棘耳孔線(AML):前鼻棘(鼻の付け根の下の突起)と外耳孔を結ぶ線。
- 頷角耳孔線:下顎角と外耳孔を結ぶ線。
- 1・3・4・5 ✗ いずれも線と名称の対応が誤り。
- 2 ○ イが眼窩耳孔線。ドイツ水平線のすぐ上を、外眼角に向かって走る線として読み取れる。
- なお図の骨模型は頭部を後屈させた状態で置かれているため、線の見かけの向きではなく、外耳孔からどの解剖学的な点へ向かっているかで判断する必要がある。
問88 IVR における術者の水晶体被ばく低減へ向けた取組みで正しいのはどれか。
- 拡大透視を使用する。
- 透視のパルスレートを高くする。
- 不均等被ばくとして線量管理する。
- オーバーテーブルチューブ方式を採用する。
- 患者に可能な限り近づいて手技を実施する。
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正解:3
- 術者の被ばくの正体は患者から出る散乱線。したがって「患者への線量を減らす」「距離をとる」「遮へいする」の3つが基本になる。
- 1 ✗ 拡大透視は患者の入射線量を大幅に増やすので、散乱線も増えて術者の被ばくも増える。
- 2 ✗ パルスレートを高くすると照射回数が増える。下げるのが低減策。
- 3 ○ 防護衣を着ると衣の内側と襟の外(頭頸部)で線量がまったく違うので、不均等被ばくとして扱い、頸部にも線量計を着けて管理する。水晶体の等価線量限度が 20 mSv/年(5年平均)に引き下げられ、この管理が必須になった。
- 4 ✗ オーバーテーブル方式はX線の入射側が上になるため、強い散乱線が術者の上半身(目・甲状腺)を直撃する。アンダーテーブル方式を採用すべき。
- 5 ✗ 距離の逆二乗則により、近づくほど被ばくは増える。離れられるときは離れるのが原則。
- 最も効果的なのは、防護めがね・天吊り防護板を正しく使うこと。管理(3)と併せて実施する。
問89 油性ヨード造影剤を用いてもよいのはどれか。
- 血管造影
- 大腸造影
- 子宮卵管造影
- 上部消化管造影
- 排泄性尿路造影
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正解:3
- 油性ヨード造影剤(リピオドールなど)は水に溶けず、体内で吸収されにくい。血管内に入れば油による塞栓を起こす危険があるため、使える場面は限られる。
- 1 ✗ 血管造影では水溶性の非イオン性ヨード造影剤を使う。油性では塞栓を起こす。
- 2・4 ✗ 消化管造影では硫酸バリウム(穿孔が疑われるときは水溶性ヨード造影剤)を使う。
- 3 ○ 子宮卵管造影(HSG)。子宮腔から卵管を通して腹腔へ流れる様子を見る検査で、粘性が高いぶん卵管の狭窄部を押し広げる効果(通水効果)があり、検査後に妊娠しやすくなることが知られている。
- 5 ✗ 排泄性尿路造影は、腎から尿中へ排泄される必要があるので水溶性でなければならない。
- 補足:リピオドールは肝細胞癌の TACE(肝動脈化学塞栓療法)にも使われる。腫瘍に選択的にとどまる性質を利用したもので、これは意図的に塞栓させる例である。
問90 頭部単純 CT 像が示されている。確認できるのはどれか。
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.8 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- メタルアーチファクト
- リングアーチファクト
- ストリークアーチファクト
- ダークバンドアーチファクト
- ステアステップアーチファクト
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正解:4
- 頭部 CT で後頭蓋窩に特徴的に現れるのが、ダークバンドアーチファクト(Hounsfield の暗帯)である。
- 1 ✗ メタルアーチファクトは、歯科充填物や金属クリップなど明らかな金属の周囲に放射状の白黒の縞を作る。頭部単純 CT の後頭蓋窩に典型的なのは、金属がなくても生じるダークバンドのほう。
- 2 ✗ リングアーチファクトは検出器の感度ムラによる同心円状の輪。
- 3 ✗ ストリークアーチファクトは筋状の線。ダークバンドは「線」ではなく帯状の黒い領域として現れる点で区別する。
- 4 ○ 厚く硬い錐体骨(側頭骨)にはさまれた部分で、X線が強く吸収されて光子が足りなくなり(光子不足とビームハードニング)、両側の骨を結ぶように黒い帯が現れる。橋や小脳の観察を妨げる、頭部 CT の宿命的な所見。
- 5 ✗ ステアステップアーチファクトは、ヘリカルスキャンの MPR で階段状に見えるもの。
- 対策:管電圧を上げる、逐次近似再構成を使う、薄いスライスで撮るなど。
問91 X線 CT で正しいのはどれか。
- 検査前日から絶飲食とする。
- 正常な肝臓の CT 値は脂肪より高い。
- ダイナミック CT では造影剤は使用しない。
- 急性期脳梗塞の描出能は MRI より優れている。
- 肺を観察するときのウインドウ幅は 500 HU 程度とする。
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正解:2
- 1 ✗ 造影 CT でも当日の数時間前から絶食する程度(誤嚥防止のため)。前日からは長すぎるうえ、飲水は脱水を防ぐためむしろ勧められる。
- 2 ○ 正常な肝臓は 60〜70 HU、脂肪は −100 HU 前後。肝臓のほうが明らかに高い。脂肪肝になると肝臓の CT 値が下がり、脾臓(約 50 HU)より低くなることが診断の目安になる。
- 3 ✗ ダイナミック CT は、造影剤を急速静注して、時間を追って複数回撮影する検査。造影剤が主役である。
- 4 ✗ 逆。急性期脳梗塞の描出は MRI の拡散強調像が圧倒的に優れる(発症数分〜数時間で高信号になる)。CT は早期には所見が乏しく、主に出血の否定のために撮る。
- 5 ✗ 肺野条件のウインドウ幅は 1,500〜2,000 HU 程度(ウインドウレベル −600 前後)。空気(−1,000)から軟部組織(+50)まで幅広く含める必要があるため。500 HU は縦隔条件に近い値。
問92 胸部X線写真が示されている。正しい組合せはどれか。
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.9 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- ア ── 喉頭
- イ ── 大動脈弓
- ウ ── 肋骨横隔膜角
- エ ── 上大静脈
- オ ── 肩甲骨
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正解:2
- 胸部正面像のシルエットを、上から下へ・左右の縁を順に追うのが読影の基本。
- 1・3・4・5 ✗ 部位の対応が誤り。それぞれの本来の位置は次のとおり。
- 2 ○ イが大動脈弓。左第1弓を作る、縦隔の左縁の一番上にある半球状の隆起。ここから下へ、左第2弓(肺動脈)、左第3弓(左心耳)、左第4弓(左心室)と続く。
- 喉頭は胸部写真の照射野より上(頸部)にあり、通常は写らない。
- 肋骨横隔膜角(CP アングル)は、胸壁と横隔膜が作る左右下端の鋭い角。ここが鈍くなれば胸水を疑う、重要な観察点。
- 上大静脈は縦隔の右縁の上部を作る(右第1弓)。左縁ではない。
- 肩甲骨は肺野の外側に重なる線状の陰影として写る。深吸気で腕を前に回すと肺野から外れる。
問93 右肘関節の正面X線写真が示されている。正しい組合せはどれか。
🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午後)の No.10 です。厚生労働省の公式ページから「午後・問題・別冊」を開いてご確認ください。
- ア ── 上腕骨小頭
- イ ── 肘頭
- ウ ── 尺骨
- エ ── 茎状突起
- オ ── 内側上顆
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正解:2
- 肘関節は 上腕骨・橈骨・尺骨 の3つで構成される。橈骨は母指側(外側)、尺骨は小指側(内側)という大原則から出発する。
- 1・3・4・5 ✗ 部位の対応が誤り。それぞれの本来の位置は次のとおり。
- 2 ○ イが肘頭。尺骨の近位端にある大きな突起で、肘の後ろに触れる部分。正面像では上腕骨の肘頭窩に重なって写る。
- 上腕骨小頭は上腕骨遠位の外側(橈骨側)にある丸い関節面で、橈骨頭と関節する。内側にあるのは滑車。
- 尺骨は前腕の内側(小指側)を走る骨。
- 茎状突起は橈骨・尺骨の遠位端(手関節側)にある突起。肘の写真には写らない。
- 内側上顆は上腕骨遠位の内側に突出する部分。ここには前腕屈筋群が付き、尺骨神経が後ろを通る。
- 見分けのコツ:「小頭は外側、滑車は内側」「上顆は内外にそれぞれ突出」。右肘の正面像では、画像上の左右がどちらの側になるかを最初に決めてから読む。
問94 撮影線量に依存する画像雑音はどれか。
- 熱雑音
- 回路雑音
- 磁気雑音
- 量子雑音
- 量子化雑音
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正解:4
- 1 ✗ 熱雑音は、電子の熱運動による電気的な雑音。温度で決まり、X線量とは無関係。
- 2 ✗ 回路雑音も電子回路に由来し、線量に依存しない。
- 3 ✗ 磁気雑音はX線画像の主要な雑音ではない。
- 4 ○ 量子雑音(X線量子モトル)は、検出器に届くX線光子の数がランダムにばらつくことによる雑音。光子数を とすると、ばらつきは 、SNR は に比例する。つまり線量を増やせばノイズは相対的に減る。デジタルX線画像のノイズの主成分であり、被ばくと画質のトレードオフの正体でもある。
- 5 ✗ 量子化雑音は、アナログ値をデジタルの段階に丸めるときの誤差。ビット数で決まり、線量とは無関係。「量子雑音」と一字違いで紛らわしいが、まったく別物である。
問95 ROC 曲線を図に示す。感度 90%のときの特異度はどれか。

- 10%
- 30%
- 70%
- 82%
- 98%
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正解:3
- ROC 曲線の軸の意味を確認する。縦軸 TPF = 真陽性率 = 感度、横軸 FPF = 偽陽性率 = 1 − 特異度。
- ① グラフを読む:感度 90% = 縦軸 TPF = 0.9 の高さで曲線を見ると、横軸は FPF = 0.3。
- ② 特異度に直す:横軸は「1 − 特異度」なので、
- 2 ✗ 30%は FPF をそのまま答えてしまった値。横軸は特異度そのものではないという一点が、この問題の要である。
- 3 ○ したがって 70%。
- 感覚的な確認:感度を上げる(見落としを減らす)ほど、偽陽性が増えて特異度は下がる。この曲線でも、感度 80%なら FPF は約 0.1(特異度 90%)で済むが、感度を 90%まで上げると特異度は 70%まで落ちる。両者はつねにトレードオフであり、それを可視化したものが ROC 曲線である。
問96 国際放射線防護委員会〈ICRP〉による放射線防護体系の考え方で正しいのはどれか。
- 医療被ばくには線量限度が適用される。
- 線量拘束値は正当化のプロセスで考慮される。
- 線量限度は線量拘束値より低い値に設定される。
- 防護の最適化では経済的・社会的要因を考慮しなければならない。
- 放射線被ばくを伴う状況では防護の最適化を最初に考慮しなければならない。
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正解:4
- 防護の3原則は ① 正当化 → ② 最適化 → ③ 線量限度の適用 の順。
- 1 ✗ 医療被ばくには線量限度を適用しない。患者本人が利益を受けるためで、限度を設けると必要な検査ができなくなってしまう。代わりに DRL(診断参考レベル)で最適化を図る。
- 2 ✗ 線量拘束値は最適化のプロセスで使う上限値。正当化ではない。
- 3 ✗ 逆。線量拘束値のほうが線量限度より低く設定される。限度に達する前に対策を打つための、いわば「手前の目安」である。
- 4 ○ 最適化は ALARA(As Low As Reasonably Achievable)=「合理的に達成できる限り低く」。この「合理的に」の中身がまさに経済的・社会的要因の考慮である。無制限に線量を下げることを求めているのではない、というのが要点。
- 5 ✗ 最初に考慮するのは正当化。「そもそもその被ばくは、害を上回る利益をもたらすか」を判断してから、最適化に進む。順番が逆になっている。
問97 国際放射線防護委員会〈ICRP〉2007 年勧告における組織加重係数で正しいのはどれか。
- 肝臓 ── 0.08
- 骨髄 ── 0.12
- 乳房 ── 0.08
- 甲状腺 ── 0.12
- 生殖腺 ── 0.12
解答・解説を見る
正解:2
- ICRP 2007年勧告(Publication 103)の組織加重係数 は次のとおり。合計が 1 になるように配分されている。
| 組織 | |
|---|---|
| 0.12 | 骨髄・結腸・肺・胃・乳房・残りの組織 |
| 0.08 | 生殖腺 |
| 0.04 | 膀胱・食道・肝臓・甲状腺 |
| 0.01 | 骨表面・脳・唾液腺・皮膚 |
- 1 ✗ 肝臓は 0.04。
- 2 ○ 骨髄は 0.12。0.12 のグループ(最大)に属する。
- 3 ✗ 乳房は 0.12(0.08 ではない)。1990年勧告の 0.05 から大幅に引き上げられた。
- 4 ✗ 甲状腺は 0.04。
- 5 ✗ 生殖腺は 0.08。1990年勧告では 0.20 で最大だったが、大幅に引き下げられた。
- 覚えどころ:2007年勧告での大きな変更は「乳房 0.05 → 0.12(上げ)」と「生殖腺 0.20 → 0.08(下げ)」。この2つの入れ替わりが繰り返し出題される。
問98 放射線測定器と使用用途の組合せで正しいのはどれか。
- He 比例計数管 ── X線診療室の漏洩線量測定
- 蛍光ガラス線量計 ── 個人の内部被ばく線量測定
- 熱ルミネセンス線量計 ── 環境の空間線量率測定
- 電離箱式サーベイメータ ── 管理区域床面の表面汚染測定
- 光刺激ルミネセンス線量計 ── 個人の外部被ばく線量測定
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正解:5
- 1 ✗ He 比例計数管は中性子の検出器。X線診療室の漏洩線量測定には電離箱式サーベイメータやシンチレーションサーベイメータを使う。
- 2 ✗ 蛍光ガラス線量計は外部被ばく用。内部被ばくは体表の線量計では測れない(ホールボディカウンタやバイオアッセイ法で評価する)。
- 3 ✗ TLD は積算型なので空間線量「率」(時間あたりの値)は測れない。率を測るにはサーベイメータを使う。ただし環境の積算線量を測る用途には使える。
- 4 ✗ 表面汚染の測定には GM 管式サーベイメータ(β線用)を使う。電離箱式は感度が低く、汚染検査には向かない。
- 5 ○ OSL 線量計(光刺激ルミネセンス、ルミネスバッジなど)は、個人の外部被ばくを測る代表的な線量計。レーザー光を当てて発光量を読み取る方式で、繰り返し読み出せるのが利点。
- 整理:個人被ばく=OSL・ガラス・TLD(積算型)、空間線量率=サーベイメータ、表面汚染=GM 管式、中性子=He・BF 比例計数管。何を測るかで道具が決まる。
問99 液体状 Tc および Tl の 3 月間の最大使用予定数量がそれぞれ 600 GBq と 30 GBq である施設において、3 月間の総排気量を m³ としたとき、最大排気濃度限度比の和で正しいのはどれか。ただし、液体状 Tc および Tl の排気中濃度限度をそれぞれ Bq・cm⁻³ と Bq・cm⁻³、飛散率を 0.001、HEPA フィルタの透過率を 0.01 とする。
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正解:5
- 核種ごとに「① 実際に排気される放射能 → ② 濃度 → ③ 限度との比」を出し、最後に足す。
- 単位をそろえるのが最大の関門。濃度限度が Bq/cm³ なので、排気量も cm³ に直す。
(1 m³ = 10⁶ cm³)
- Tc
- Tl
- 和をとる
- 5 ○ 。この和が 1 以下であれば法令上問題ない。
- 落とし穴:m³ → cm³ の換算(10⁶ 倍)を忘れると桁が大きく狂う。また 2 核種の和を求める問題なので、片方だけ計算して 5×10⁻⁴ で止めないこと。
問100 非密封放射性同位元素の取扱いで正しいのはどれか。2つ選べ。
- ゴム手袋を着用する。
- 専用の作業衣を着用する。
- 個人被ばく線量計は作業衣の外側に装着する。
- 安全キャビネットの扉はできるだけ大きく開ける。
- ポリエチレンろ紙をポリエチレン面を上にして作業台に敷く。
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正解:1・2
- 非密封 RI の取扱いの原則は、汚染を「広げない・持ち出さない・体内に入れない」こと。
- 1 ○ ゴム手袋は、手指の汚染と、そこからの経口摂取(内部被ばく)を防ぐ基本装備。
- 2 ○ 専用の作業衣を着て、管理区域の外へ汚染を持ち出さないようにする。
- 3 ✗ 線量計は作業衣の内側(身体に近い側)に着ける。作業衣は汚染するものであり、その外側では正しく身体の被ばくを評価できない。
- 4 ✗ 逆。安全キャビネットの扉は、気流が乱れない適切な高さ(できるだけ狭く)にする。大きく開けると、内部の汚染された空気が外へ漏れ出す。
- 5 ✗ 逆。ポリエチレンろ紙は、ろ紙面(吸収する側)を上、ポリエチレン面(防水する側)を下にして敷く。こぼれた液をろ紙で吸い取り、下のポリエチレンで作業台への浸透を防ぐ、という二層構造になっている。上下を逆にすると液が広がってしまう。
第76回の 午前の解答・解説 もあわせてご覧ください。