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過去問解説

第77回 診療放射線技師 国家試験(午前)解答・解説

問1 JIS規格の診断用MR装置用ファントムの構成部品が図に示されている。z軸に直交する面(xy面)を撮影して点検する項目はどれか。

問1の図(出典:厚生労働省)
  1. 均一性
  2. 空間分解能
  3. スライス厚
  4. 幾何学的ひずみ
  5. 画像コントラスト
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正解:3

  • 1 ✗ 均一性は、一様な水などで満たした部分の信号ムラを見て評価する。傾いた板は使わない。
  • 2 ✗ 空間分解能は、細かい穴やスリットが並んだパターンを撮って評価する。
  • 3 ○ 図の部品は、z方向に傾いた板(ランプ)を交差させたもの。xy面で撮ると、スライスが厚いほど板の像が太く写るので、その幅からスライス厚を求められる。
  • 4 ✗ 幾何学的ひずみは、格子や円形の構造の寸法が設計どおりに写るかで評価する。
  • 5 ✗ 画像コントラストは、T1値・T2値の異なる試料を並べ、その信号差で評価する。

問2 MRIと関連事項の組合せで正しいのはどれか。

  1. 拡散強調像 ── TOF法
  2. 脂肪抑制法 ── bb
  3. 非造影灌流MRI ── ASL〈arterial spin labeling〉
  4. MR hydrography ── BOLD効果
  5. functional MRI ── 化学シフト
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正解:3

  • 1 ✗ TOF法は流れてくる血液の信号を利用する非造影MRAの手法。拡散強調像とは無関係。
  • 2 ✗ bb 値は拡散強調像の強調度を決めるパラメータ。脂肪抑制とは無関係。
  • 3 ○ ASLは、流入する血液の水分子を磁気的に標識して血流を画像化する非造影の灌流(パーフュージョン)MRI
  • 4 ✗ MR hydrographyはMRCPなどに代表される重いT2強調で水を描出する手法。BOLD効果はfMRIの原理。
  • 5 ✗ fMRIの原理はBOLD効果(脱酸素化ヘモグロビンの磁化率変化)。化学シフトはMRSや脂肪抑制で使う現象。

問3 超音波検査用造影剤(ペルフルブタン)について正しいのはどれか。

  1. 主に呼気中に排泄される。
  2. 気泡径は 10 nm 程度である。
  3. クッパー細胞には取り込まれない。
  4. 腎機能障害のある患者には禁忌である。
  5. 体重 50 kg の患者には 100 mL 程度を静注する。
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正解:1

  • 1 ○ ペルフルブタンはガスなので、肺から呼気中に排泄される。腎臓や肝臓での代謝に頼らない。
  • 2 ✗ 気泡(マイクロバブル)の径は 2〜3 µm 程度。赤血球と同じくらいで、肺の毛細血管を通れる大きさである。
  • 3 ✗ 投与後10分ほどの後血管相(クッパー相)でクッパー細胞に取り込まれる。この性質を利用して肝腫瘍を評価する。
  • 4 ✗ 腎排泄でないため腎機能障害でも使える。禁忌は卵アレルギー(卵黄由来成分を含むため)や重篤な心肺障害。
  • 5 ✗ 投与量は 0.015 mL/kg 程度で、50 kg なら1 mL 弱。100 mL はヨード造影剤の感覚で、けた違いに多い。

問4 無散瞳眼底写真撮影について正しいのはどれか。

  1. 明室では撮影できない。
  2. 観察光には赤外線を用いる。
  3. 黄斑部と視神経乳頭を重ねて撮影する。
  4. 画角を大きくすると撮影範囲は狭くなる。
  5. 瞳孔径が 5 mm 以上なければ撮影できない。
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正解:2

  • 1 ✗ 観察に赤外線を使うので、部屋が明るくても撮影自体はできる。ただし瞳孔が縮むため、実際には暗い部屋で自然に瞳孔が開くのを待つのが望ましい。
  • 2 ○ 目に見えない赤外線で観察すれば瞳孔が縮まない。撮影の瞬間だけ可視光をフラッシュする。これが「無散瞳(散瞳薬を使わない)」を可能にしている。
  • 3 ✗ 黄斑部と視神経乳頭は両方が写るように配置する。重ねてしまっては診断できない。
  • 4 ✗ 逆で、画角を大きくすると撮影範囲は広くなる
  • 5 ✗ 無散瞳カメラは瞳孔径 4 mm 程度でも撮影できるように設計されている。

問5 乳房のMR像が示されている。この画像について正しいのはどれか。

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.1 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. T1強調像である。
  2. 位相方向は前後方向である。
  3. 脂肪抑制法が併用されている。
  4. 右乳房腫瘤は骨格筋と比較し低信号である。
  5. 大動脈の内腔は高信号として描出されている。
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正解:3

  • 1 ✗ 水(腫瘤や浮腫)が高信号に写っており、T1強調像ではなくT2強調像である。
  • 2 ✗ 乳房MRIの位相エンコード方向は、心拍や呼吸によるアーチファクトを乳房の外へ逃がすため、通常左右方向にとる。
  • 3 ○ 皮下脂肪や乳腺後脂肪の信号が落ちている=脂肪抑制が併用されている。乳房MRIでは病変を見やすくするため標準的に使う。
  • 4 ✗ 腫瘤は骨格筋より高信号に描出されている。
  • 5 ✗ 高速SE系のT2強調像では、流れている血液は信号を失う(flow void)ため、大動脈内腔は低信号になる。

問6 膝関節のMR像が示されている。正しい組合せはどれか。

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.2 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. ア ── 腓腹筋
  2. イ ── 外側広筋
  3. ウ ── 内側半月板
  4. エ ── 前十字靱帯
  5. オ ── 膝蓋靱帯
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正解:4

  • 1 ✗ 腓腹筋は膝の後方(膝窩)にある筋で、アの位置とは対応しない。
  • 2 ✗ 外側広筋は大腿の前外側にある大腿四頭筋の一部で、イとは対応しない。
  • 3 ✗ 内側半月板は内側の関節裂隙にはさまる三角形(くさび形)の低信号で、ウとは対応しない。
  • 4 ○ エが前十字靱帯。矢状断では、脛骨の前方から大腿骨外側顆の後上方へ斜めに走る、まっすぐな低信号の索状構造として見える。
  • 5 ✗ 膝蓋靱帯は膝蓋骨の下端から脛骨粗面へ向かう靱帯で、オとは対応しない。

問7 乳房の超音波像が示されている。乳腺組織はどれか。

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.3 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

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正解:3

  • 乳房超音波では、浅いほうから 皮膚 → 皮下脂肪 → 乳腺 → 乳腺後脂肪 → 大胸筋 → 肋骨 の順に層が並ぶ。
  • 乳腺組織は、皮下脂肪と大胸筋にはさまれた高エコー(白っぽい)の層として描出される。これがウにあたる。
  • 見分けのポイント:脂肪は乳腺より低エコー、大胸筋はさらに深部にある線維の走行が見える筋層、肋骨は最深部で後方に音響陰影を引く

問8 急性期脳梗塞の頭部MRIのFLAIR像と拡散強調像が示されている。病変の部位はどれか。

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.4(AとB) です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. 視床
  2. 中脳
  3. 被殻
  4. 小脳虫部
  5. 内包前脚
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正解:1

  • 拡散強調像で高信号を示す部分が急性期の梗塞巣。FLAIR像と見比べて、その位置がどの構造にあたるかを読む。
  • 1 ○ 視床は、第三脳室をはさんで左右にある卵型の灰白質核。中脳より上、内包後脚より内側にある。病変はここにある。
  • 2 ✗ 中脳は視床よりにあり、脳幹の最上部(大脳脚と四丘体が目印)。病変の高さが合わない。
  • 3 ✗ 被殻は内包の外側にあるレンズ核の外側部分で、視床より外側にある。
  • 4 ✗ 小脳虫部は後頭蓋窩の正中。テント下なので位置がまったく違う。
  • 5 ✗ 内包前脚は尾状核頭とレンズ核のを走る白質で、灰白質の視床とは別物。

問9 MRCP像が示されている。結石が存在するのはどれか。

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.5 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. 主膵管
  2. 総肝管
  3. 総胆管
  4. 左肝管
  5. 右肝管
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正解:3

  • MRCPは重いT2強調で、胆汁・膵液などの液体を高信号(白)に描出する。結石はその中の抜けた黒い塊(信号欠損)として見える。
  • 胆道の並びは、肝内で 右肝管・左肝管 → 合流して総肝管 → 胆嚢管が合流して総胆管 → 十二指腸乳頭。この順に追って場所を決める。
  • 1 ✗ 主膵管は膵臓の中を横に走り、総胆管とは乳頭部で合流する別の管。走行が違う。
  • 2 ✗ 総肝管は、胆嚢管が合流する手前の区間。結石はそれより下流にある。
  • 3 ○ 結石は総胆管、つまり胆嚢管が合流したあとの太い管の中にある。
  • 4 ✗ 左肝管は肝内の左葉から出る枝で、合流より上流
  • 5 ✗ 右肝管も肝内の右葉から出る枝で、合流より上流

問10 同一腫瘤の腹部超音波像とMR像が示されている。矢印の腫瘤の画像所見から判別できる成分はどれか。

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.6(AとB) です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. ガス
  2. 血液
  3. 脂肪
  4. 鉄分
  5. カルシウム
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正解:3

  • 超音波像とMR像の両方の所見を突き合わせることで、成分を1つに絞り込む問題。
  • 1 ✗ ガスは超音波で強い反射と多重反射(コメット様)を生じ、MRIでは信号がない(真っ黒)。
  • 2 ✗ 血液は時期によって信号が大きく変わり、超音波とMRIの組合せだけでは断定しにくい。
  • 3 ○ 脂肪は、超音波では高エコー(白っぽい)、MRIではT1強調で高信号を示し、脂肪抑制をかけると信号が落ちる。この2つの組合せで確定できるのが脂肪の特徴。
  • 4 ✗ 鉄分(ヘモジデリンなど)はT2*強調で著明な低信号になるのが特徴で、高エコー+T1高信号にはならない。
  • 5 ✗ カルシウム(石灰化)は超音波では高エコーだが後方に音響陰影を引き、MRIではT1・T2ともに低信号になる。

問11 放射性核種の分離法について正しいのはどれか。

  1. 共沈法は溶解度積の法則を利用する。
  2. 電気泳動法はイオン化傾向の差を利用する。
  3. ラジオコロイド法はイオン交換樹脂によるろ過を利用する。
  4. 電気化学的分離法はイオン交換体の分布係数の違いを利用する。
  5. Szilard‑Chalmers〈ジラード・チャルマー〉法ではRf値の違いを利用する。
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正解:1

  • 1 ○ 共沈法は、微量すぎて単独では沈殿しない放射性核種を、担体と一緒に沈殿させて回収する方法。溶解度積を超えさせる原理を使う。
  • 2 ✗ 電気泳動法が利用するのは、電場の中でのイオンの電荷と移動度の差。イオン化傾向ではない。
  • 3 ✗ ラジオコロイド法は、微量の核種がコロイド状になって容器壁や他の粒子に吸着する性質を利用する。
  • 4 ✗ 分布係数の違いを使うのはイオン交換法。電気化学的分離法は電極電位(イオン化傾向)の差を利用する。
  • 5 ✗ Szilard‑Chalmers法は、(n,γ)(n,\gamma) 反応の反跳エネルギーで化学結合が切れ、化学形が変わることを利用する。Rf値はペーパークロマトグラフィの指標。

問12 99^{99}Mo−99m^{99m}Tc ジェネレータで 99m^{99m}Tc を溶出するのに用いられるのはどれか。

  1. 蒸留水
  2. 生理食塩水
  3. 5%ブドウ糖液
  4. 10%アミノ酸液
  5. 0.1 mol/L 塩酸水溶液
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正解:2

  • 1 ✗ 蒸留水では溶出効率が悪いうえ、そのまま静注できない(溶血の危険)。
  • 2 ○ 生理食塩水を流すと、塩化物イオンがカラム(アルミナ)に吸着している過テクネチウム酸イオン 99m^{99m}TcO4_4^- と入れ替わり、99m^{99m}Tc だけが溶出される。99^{99}Mo はカラムに残る。
  • 3・4 ✗ ブドウ糖液・アミノ酸液には溶出に必要な塩化物イオンがなく、ジェネレータには用いない。
  • 5 ✗ 塩酸は溶出できてもカラムや患者に使えない。そのまま注射する薬剤であることを忘れないこと。

問13 X線CTを用いたSPECT減弱補正で、CT値から線減弱係数への変換テーブル作成に関係するのはどれか。2つ選べ。

  1. 収集時間
  2. CT管電圧
  3. 被検者の体格
  4. 放射性医薬品の投与量
  5. 放射性核種のエネルギー
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正解:2・5

  • 変換テーブルは「CT撮影のX線エネルギーで測ったCT値」を「核種のγ線エネルギーに対する線減弱係数 μ\mu」に読み替えるためのもの。したがって、この2つのエネルギーを決める条件が関係する。
  • 1 ✗ 収集時間はカウント数(統計精度)に効くだけで、μ\mu の値とは無関係。
  • 2 ○ 管電圧が変わればX線の実効エネルギーが変わり、同じ組織でもCT値が変わる。
  • 3 ✗ 体格は補正の「必要度」には効くが、変換テーブルそのものは体格によらない。
  • 4 ✗ 投与量もカウント数に効くだけ。
  • 5 ○ μ\mu はγ線のエネルギーごとに違う(例:99m^{99m}Tc の 141 keV と 123^{123}I の 159 keV では別の値)。

問14 Silicon photomultiplier〈SiPM〉PET検出器について正しいのはどれか。

  1. 冷却が不要である。
  2. 磁場の影響を受ける。
  3. 光子数を求めることができない。
  4. 光電子増倍管より時間分解能が高い。
  5. 物理的サイズは光電子増倍管と同等である。
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正解:4

  • 1 ✗ SiPMは増倍率が温度で大きく変わるため、冷却や温度補正が欠かせない。
  • 2 ✗ 半導体素子なので磁場の影響をほとんど受けない。だからPET/MRIの同時撮像が可能になった。
  • 3 ✗ 多数の微小セル(APD)の発火数を数えることで、入射した光子数を求められる
  • 4 ○ 応答が速く時間分解能が高い。これがTOF(time of flight)-PETの性能向上につながっている。
  • 5 ✗ SiPMは数 mm 角の薄い半導体で、真空管である光電子増倍管よりはるかに小型。

問15 PETについて正しいのはどれか。

  1. エミッションスキャンは放射性医薬品の投与前に行う。
  2. ノーマライズスキャンは減弱補正のためのデータ収集である。
  3. トランスミッションスキャンは各検出器の感度のばらつきを補正する。
  4. クロスキャリブレーションによって放射能濃度値からPET値(cps/pixel)に変換する。
  5. SUVの算出にはPET装置とドーズキャリブレータとのクロスキャリブレーションが必要である。
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正解:5

  • 1 ✗ エミッションスキャンは、体内から出てくる消滅放射線を集める撮影なので、当然投与後に行う。
  • 2 ✗ ノーマライズスキャンは検出器ごとの感度のばらつきをそろえるためのもの。
  • 3 ✗ トランスミッションスキャンは外部線源やCTで体の透過度を測る減弱補正用。2と3は入れ替わっている。
  • 4 ✗ 向きが逆。クロスキャリブレーションはPET値(cps/pixel)を放射能濃度(Bq/mL)に変換するために行う。
  • 5 ○ SUVは「体内の放射能濃度 ÷ (投与量/体重)」。投与量はドーズキャリブレータで測るので、両者の目盛りを合わせておかないとSUVがずれる

問16 脳SPECTについて正しいのはどれか。

  1. 123^{123}I−IMP は主に線条体に集積する。
  2. 123^{123}I−イオマゼニルは大脳白質に集積する。
  3. 123^{123}I−イオフルパンは投与後速やかに撮影する。
  4. 99m^{99m}Tc−HMPAO は標識後数時間は安定である。
  5. 99m^{99m}Tc−ECD は高血流域で血流量を過小評価する。
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正解:5

  • 1 ✗ IMPは脳血流製剤で、血流の多い大脳皮質に広く集積する。線条体に集まるのはイオフルパン(ドパミントランスポータ)。
  • 2 ✗ イオマゼニルは中枢性ベンゾジアゼピン受容体に結合する製剤で、受容体が多い大脳皮質(灰白質)に集積する。
  • 3 ✗ イオフルパンは線条体に集まるまで時間がかかるため、投与3〜6時間後に撮影する。
  • 4 ✗ HMPAOは標識後の安定性が低く、30分以内に使う必要がある(安定化剤入りの製剤を除く)。
  • 5 ○ ECDもHMPAOも、血流が多い領域ほど取り込み率が頭打ちになるため、高血流域では血流量を低めに見積もる(リニアリティの低下)。

問17 呼吸器核医学検査について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 99m^{99m}Tc−MAA は脳への生理的集積を認める。
  2. 右左シャントが疑われる場合は全身像を撮影する。
  3. 肺高血圧症では 99m^{99m}Tc−MAA の集積が上肺野で欠損する。
  4. 肺塞栓症では 81m^{81m}Kr と 99m^{99m}Tc−MAA の集積ミスマッチを起こす。
  5. 99m^{99m}Tc−MAA の投与時は注射器内への血液の逆流があることを確認する。
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正解:2・4

  • 1 ✗ MAAは肺の毛細血管に引っかかって止まる粒子なので、正常なら肺以外には集積しない。脳に写ったらシャントを疑う所見。
  • 2 ○ 右左シャントがあるとMAAが肺を通り抜けて全身へ回る。脳や腎臓への集積を確認するために全身像を撮る。
  • 3 ✗ 肺高血圧症では血流分布が不均一になるが、「上肺野が欠損する」という決まった所見はない。
  • 4 ○ 肺塞栓症では換気(81m^{81m}Kr)は保たれているのに血流(MAA)だけが欠損する。この食い違いがミスマッチで、診断の決め手になる。
  • 5 ✗ 逆。血液が注射器内に入るとMAAと血液が固まって大きな塊になり、ホットスポットの原因になる。逆流させないよう注意する。

問18 肝受容体シンチグラフィの血中滞在率指標を示す式はどれか。ただし、心臓部の時間放射能曲線の3分と15分のカウントをそれぞれ H3、H15、肝臓部の時間放射能曲線の15分のカウントを L15 とする。

  1. H3/H15\mathrm{H3}/\mathrm{H15}
  2. H15/H3\mathrm{H15}/\mathrm{H3}
  3. H3/(H3+H15)\mathrm{H3}/(\mathrm{H3}+\mathrm{H15})
  4. H15/(H15+L15)\mathrm{H15}/(\mathrm{H15}+\mathrm{L15})
  5. L15/(H15+L15)\mathrm{L15}/(\mathrm{H15}+\mathrm{L15})
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正解:2

  • 肝受容体シンチ(99m^{99m}Tc−GSA)では、心臓の上のROIで血液中の残り具合を、肝臓のROIで取り込み具合を見る。
  • 1 ✗ 分子と分母が逆で、値の増減の向きが逆になってしまう。
  • 2 ○ これが HH15。3分後に対する15分後の心臓カウントの比で、肝機能が悪いほど血液中に残るので値が大きくなる。分母が早い時刻・分子が遅い時刻と覚える。
  • 3 ✗ このような形の指標は使われていない。
  • 4・5 ✗ 心臓と肝臓を組み合わせた15分値の比は LHL15(肝の取り込み率)の系統で、L15/(H15+L15)\mathrm{L15}/(\mathrm{H15}+\mathrm{L15}) がそれにあたる。血中滞在率ではない。

問19 骨シンチグラフィについて正しいのはどれか。

  1. 骨折では集積が低下する。
  2. 骨代謝亢進部位に集積する。
  3. 骨肉腫では集積が欠損する。
  4. 腸管に生理的集積を認める。
  5. 多発骨転移では bone scan index〈BSI〉が低下する。
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正解:2

  • 1 ✗ 骨折部では修復のため骨代謝が盛んになるので、集積は亢進する。
  • 2 ○ 骨シンチの製剤(99m^{99m}Tc−MDP など)は、新しく作られる骨のハイドロキシアパタイトに吸着する。だから骨代謝が盛んな場所に集まる。
  • 3 ✗ 骨肉腫は骨形成が非常に盛んなので、強い集積を示す。
  • 4 ✗ 生理的集積が見られるのは骨のほか、排泄経路である腎臓・膀胱。腸管には集積しない。
  • 5 ✗ BSIは全身の骨のうち転移が占める割合を数値化したもの。転移が多ければ上昇する。

問20 核医学治療で使われる核種で、物理的半減期が最も短いのはどれか。

  1. 89^{89}Sr
  2. 90^{90}Y
  3. 131^{131}I
  4. 177^{177}Lu
  5. 223^{223}Ra
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正解:2

  • 1 ✗ 89^{89}Sr は約 50.5日。有痛性骨転移の治療に使う。
  • 2 ○ 90^{90}Y は約 64時間(2.7日) で、選択肢の中で最も短い。
  • 3 ✗ 131^{131}I は約 8.0日。甲状腺がん・バセドウ病の治療に使う。
  • 4 ✗ 177^{177}Lu は約 6.7日。神経内分泌腫瘍や前立腺がんの治療に使う。
  • 5 ✗ 223^{223}Ra は約 11.4日。去勢抵抗性前立腺がんの骨転移に使うα線核種。

問21 我が国の2022年時点の統計について正しいのはどれか。

  1. 死因の第1位は肺炎である。
  2. がんによる死亡数は女性の方が男性よりも多い。
  3. 胃がん年齢調整死亡率は2000年と比べて上昇している。
  4. 女性の部位別がん死亡数で最も多いのは大腸がんである。
  5. 男性の部位別がん死亡数で最も多いのは前立腺がんである。
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正解:4

  • 1 ✗ 死因の第1位は悪性新生物(がん)。第2位は心疾患で、肺炎は上位ではあるが1位ではない。
  • 2 ✗ がん死亡数は男性のほうが多い(男性が約22万人、女性が約16万人)。
  • 3 ✗ ピロリ菌感染率の低下と検診の普及により、胃がんの年齢調整死亡率は低下し続けている。
  • 4 ○ 女性は 大腸 → 肺 → 膵臓 → 乳房 → 胃 の順。大腸がんが最多である。
  • 5 ✗ 男性は 肺 → 大腸 → 胃 → 膵臓 → 肝臓 の順で、最多は肺がん。前立腺がんは罹患数は多いが死亡数は上位ではない。

問22 放射線治療について誤っているのはどれか。

  1. セットアップマージンは PTV に含まれる。
  2. ITV は CTV に内的マージンを加えたものである。
  3. 計算アルゴリズムである convolution 法では非電子平衡を考慮している。
  4. ホウ素中性子捕捉療法で発生する 7^{7}Li や 4^{4}He の体内飛程は 2〜3 mm である。
  5. くさびフィルタのウェッジ角度は、水ファントム中の 10 cm 深における等線量曲線と中心軸を横切る角度の余角である。
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正解:4

  • 1 正しい PTV = ITV + SM(セットアップマージン)。位置合わせの誤差を吸収するための余裕。
  • 2 正しい ITV = CTV + IM(内的マージン)。呼吸などによる標的自体の動きを吸収する。
  • 3 正しい convolution/superposition 法は、発生した二次電子の広がり(カーネル)を畳み込むため、肺などの非電子平衡領域もある程度扱える。
  • 4 誤り BNCTで生じる 7^{7}Li と 4^{4}He(α粒子)の飛程は 5〜9 µm 程度で、細胞1個分ほどしかない。だからホウ素を取り込んだがん細胞だけを狙い撃ちできる。mm 単位では細胞選択性が失われてしまう。
  • 5 正しい ウェッジ角度の定義そのもの。

問23 骨髄移植の前処置で行われる放射線治療はどれか。

  1. 全脳照射
  2. マントル照射
  3. 全身X線照射
  4. 全身電子線照射
  5. 全脳全脊髄照射
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正解:3

  • 1 ✗ 全脳照射は脳転移などが対象。
  • 2 ✗ マントル照射は、かつてホジキンリンパ腫で行われた頸部〜縦隔の照射法。
  • 3 ○ 全身X線照射(TBI)。全身の骨髄と残存する腫瘍細胞を根絶し、拒絶反応を抑えるために移植前に行う。
  • 4 ✗ 全身電子線照射は、電子線が皮膚表面で止まる性質を利用した菌状息肉症など皮膚病変の治療。骨髄には届かない。
  • 5 ✗ 全脳全脊髄照射は髄芽腫や胚細胞腫などが対象。

問24 DVHについて正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 微分型と積分型がある。
  2. 肺の障害指標で D20 が用いられる。
  3. 標的体積内の hot spot や cold spot を評価することができる。
  4. D95 は目的とする標的やリスク臓器の 95%体積内の最大線量を表す。
  5. V20 は目的とする標的やリスク臓器のうち 20 Gy 以上照射される体積の割合である。
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正解:1・5

  • 1 ○ 微分型(各線量帯の体積そのもの)と積分型(ある線量以上を受ける体積の累積)がある。臨床で使うのはほぼ積分型。
  • 2 ✗ 肺の指標は V20(20 Gy 以上が当たる肺体積の割合)。放射線肺炎のリスク評価に使う。
  • 3 ✗ DVHは「どれだけの体積が何 Gy を受けたか」を示すだけで、位置の情報を持たない。hot spot や cold spot がどこにあるかは線量分布図を見ないと分からない。
  • 4 ✗ D95 は「95%の体積が受ける最小線量」。処方線量が標的の95%体積に入っているかの確認に使う。
  • 5 ○ V20 の定義そのもの。

問25 永久挿入密封小線源治療で用いられる線源はどれか。2つ選べ。

  1. 60^{60}Co
  2. 125^{125}I
  3. 131^{131}I
  4. 137^{137}Cs
  5. 198^{198}Au
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正解:2・5

  • 永久挿入では、線源を体内に入れっぱなしにする。だから エネルギーが低く(周囲への被ばくが少ない)・半減期が短い(やがて無害になる) 核種が選ばれる。
  • 1 ✗ 60^{60}Co は高エネルギー(約 1.25 MeV)・半減期 約5.3年。遠隔操作式後充填(RALS)などの一時挿入用。
  • 2 ○ 125^{125}I(半減期 約60日、約 28 keV)。前立腺がんのシード治療で使う代表核種。
  • 3 ✗ 131^{131}I は密封線源ではなく、内用療法(飲み薬)に使う非密封の核種。
  • 4 ✗ 137^{137}Cs は半減期 約30年と長すぎ、一時挿入用として使われてきた核種。
  • 5 ○ 198^{198}Au(半減期 約2.7日)。グレインとして永久刺入に用いられる。

問26 陽子線治療と炭素線治療の比較について正しいのはどれか。

  1. 陽子線治療の方がペナンブラが小さい。
  2. 炭素線治療の方が生物学的効果比が低い。
  3. 炭素線治療の方が線エネルギー付与が高い。
  4. 陽子線治療の方が酸素効果の影響が小さい。
  5. 炭素線治療の方がブラッグピークにおける核破砕が少ない。
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正解:3

  • 1 ✗ 逆。炭素は重いぶん体内での散乱が小さく、炭素線のほうがペナンブラ(線量の裾)が小さい
  • 2 ✗ 逆。炭素線のRBEは 2〜3程度で、陽子線(約1.1)より高い
  • 3 ○ 炭素は電荷数が大きく、LET(線エネルギー付与)が高い。DNAに二重鎖切断を密に作るので、修復されにくい。
  • 4 ✗ 逆。高LETほど酸素効果は小さくなるので、炭素線のほうがOERが小さい=低酸素のがんにも効く。
  • 5 ✗ 逆。炭素線ではブラッグピークを過ぎたところで核破砕(フラグメンテーション)によるテール(尾を引く線量)が出る。陽子線にはほとんどない。

問27 粒子線治療における深さ方向の線量分布を表す量はどれか。

  1. 平坦度
  2. 電子平衡厚
  3. 照射野サイズ
  4. 軸外線量比における 100%線量
  5. 深部量百分率における 100%線量
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正解:5

  • 1 ✗ 平坦度は照射野内の線量のそろい具合で、横方向の指標。
  • 2 ✗ 電子平衡厚はビルドアップに関する厚さで、線量分布そのものを表す量ではない。
  • 3 ✗ 照射野サイズは横方向の広がり。
  • 4 ✗ 軸外線量比(OAR/OCR)は中心軸から横にずれた位置の線量比で、これも横方向の指標。
  • 5 ○ 深部量百分率(PDD)は、深さに対する線量の変化を表す量。最大線量となる深さを 100%として表す。

問28 電離箱線量計の特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アニーリングが必要である。
  2. 電離空洞内の温度が高いと電離量は増加する。
  3. 電離空洞内の気圧が低いと電離量は増加する。
  4. イオン再結合は電離空洞内の電離密度に依存する。
  5. 水吸収線量校正定数は 60^{60}Co ガンマ線を用いた校正が可能である。
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正解:4・5

  • 1 ✗ アニーリング(加熱して素子をリセットする操作)が必要なのはTLD(熱ルミネセンス線量計)。電離箱には不要。
  • 2 ✗ 温度が高いと空洞内の空気は膨張して密度が下がるので、電離される空気の質量が減り電離量は減少する。
  • 3 ✗ 気圧が低いときも空気の密度が下がるので、電離量は減少する。2・3はどちらも「温度気圧補正 kTPk_{TP}」で補正する対象。
  • 4 ○ 電離密度が高いほど、生じたイオンが電極に届く前に再び出会って中和されやすい。だからパルスビームや高線量率で再結合損失が大きくなる。
  • 5 ○ 水吸収線量校正定数 ND,wN_{D,w} は、標準計測室の 60^{60}Co γ線を基準として与えられる。実際のビームでは線質変換係数 kQk_Q で補正する。

問29 電子線の R50 について正しいのはどれか。

  1. 単位は g/m である。
  2. 校正深の計算に必要である。
  3. PDD から直接求めることができる。
  4. 質量エネルギー吸収係数を意味する。
  5. 測定の基準条件はエネルギーに関わらず照射野サイズ 10 cm × 10 cm である。
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正解:2

  • 1 ✗ 深さなので単位は cm または g/cm²。g/m ではない。
  • 2 ○ R50 は線量が最大の 50%になる深さで、電子線の線質を表す指標。校正深は zref=0.6R500.1z_{ref} = 0.6\,R_{50} - 0.1(cm)で計算するので、R50 がないと決められない。
  • 3 ✗ 実際に測れるのは電離量の深部分布(PDI)で、そこから R50,ionR_{50,ion} を求め、R50=1.029R50,ion0.06R_{50} = 1.029\,R_{50,ion} - 0.06 と換算する。「PDDから直接」ではない。
  • 4 ✗ 質量エネルギー吸収係数はまったく別の量(記号は μen/ρ\mu_{en}/\rho)。
  • 5 ✗ 照射野はエネルギーで変える。R507R_{50} \le 7 g/cm² なら 10 cm × 10 cm、それを超えるときは 20 cm × 20 cm 以上

問30 放射線治療装置の受入試験について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 納入業者のみで実施する。
  2. 計算値を実測値で検証する。
  3. コミッショニング後に実施する。
  4. 仕様書を満たすことを確認する。
  5. 定期的品質管理の基本データを得る。
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正解:4・5

  • 流れは 受入試験 → コミッショニング → 臨床使用 → 定期的品質管理。受入試験は「注文どおりの品物が届いたか」の確認である。
  • 1 ✗ 納入業者だけでなく、使用者(施設の医学物理士・技師)も立ち会って実施する。
  • 2 ✗ 治療計画装置の計算値と実測値を突き合わせるのはコミッショニングの作業。
  • 3 ✗ 順番が逆。受入試験に合格してからコミッショニングに進む。
  • 4 ○ 仕様書(契約した性能)を満たしているかの確認が受入試験の目的。
  • 5 ○ このとき測った値が、以後の定期的品質管理で比べる基準値(ベースライン)になる。

問31 情報の数の表現について正しいのはどれか。

  1. 1 Gbit は 1,024 Mbyte である。
  2. 1 byte は 10 進数の 8 桁分である。
  3. 16 進法は 0 から 15 までの整数で表す。
  4. アスキーコードは数値データの表現形式である。
  5. 2 byte の符号なし整数型は 0 から 65,535 の値を表現できる。
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正解:5

  • 1 ✗ 1 Gbit = 1,024 Mbit = 128 Mbyte(8で割る)。bit と byte を取り違えている。
  • 2 ✗ 1 byte = 8 bit = 2進数で8桁。10進数の8桁ではない。
  • 3 ✗ 各桁が表す値は 0〜15 だが、10以上は A〜F の文字で表記する。「0から15までの整数で表す」は誤り。
  • 4 ✗ アスキーコードは文字(英数字・記号)を数値に対応づけた文字コード。
  • 5 ○ 2 byte = 16 bit。表現できる組合せは 216=65,5362^{16} = 65{,}536 通りで、符号なしなら 0 〜 65,535

問32 診療録等の電子保存の3原則に含まれるのはどれか。2つ選べ。

  1. 可用性
  2. 完全性
  3. 機密性
  4. 見読性
  5. 真正性
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正解:4・5

  • 電子保存の3原則は 真正性・見読性・保存性。「しん・けん・ほ」で覚えるとよい。
  • 1・2・3 ✗ 可用性・完全性・機密性は情報セキュリティの3要素。よく似ているので混同しやすいが、電子保存の3原則とは別物。なお残る1つの原則は保存性(定められた期間、復元可能な状態で保つこと)。
  • 4 ○ 見読性=必要なときに肉眼で読める形で表示・出力できること。
  • 5 ○ 真正性=誰が作成したか明確で、書き換えや消去ができない(したら分かる)こと。

問33 ファイアウォールの機能について正しいのはどれか。

  1. ログイン時にパスワードを要求する。
  2. 通信パケットに含まれるウイルスを駆除する。
  3. ネットワーク間で暗号化された通信だけを許可する。
  4. 脆弱性があるシステムのソフトウェアを自動更新する。
  5. 外部と内部のネットワーク間で特定の通信だけを許可する。
解答・解説を見る

正解:5

  • 1 ✗ これは認証システムの役割。
  • 2 ✗ ウイルスの検出・駆除はウイルス対策ソフトの役割。
  • 3 ✗ 暗号化されているかどうかで通す・通さないを決めるものではない。
  • 4 ✗ ソフトウェアの更新はパッチ管理・更新プログラムの役割。
  • 5 ○ ファイアウォールは、外部と内部の境界に置く関所。あらかじめ決めたルール(送信元・宛先・ポート番号など)に合う通信だけを通し、それ以外は遮断する。

問34 機械学習の多クラス分類モデルの評価指標でないものはどれか。

  1. F値
  2. 再現率
  3. 正解率
  4. 適合率
  5. 比例尺度
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正解:5

  • 1 ✗ F値は適合率と再現率の調和平均で、両者のバランスを見る指標。
  • 2 ✗ 再現率(感度)=実際に陽性のうち、正しく陽性と判定できた割合。
  • 3 ✗ 正解率=全体のうち、正しく分類できた割合。
  • 4 ✗ 適合率=陽性と判定したうち、実際に陽性だった割合。
  • 5 ○(これが答え) 比例尺度は、統計学でデータの種類を分けるときの言葉(名義・順序・間隔・比例)。0が「無い」を意味し、比に意味がある尺度のこと。モデルの性能を測る指標ではない。

問35 病院情報システムについて正しいのはどれか。

  1. 画像情報は放射線情報システムに送信される。
  2. X線撮影の検査オーダには撮影部位の情報が含まれる。
  3. 医師が行った診察の記録はオーダリングシステムに登録される。
  4. 検査に用いる医療材料や医薬品は医事会計システムで発注される。
  5. 実施情報はオーダリングシステムから放射線情報システムに伝達される。
解答・解説を見る

正解:2

  • 1 ✗ 画像そのものが送られるのは PACS。RIS(放射線情報システム)が扱うのは検査の予約・進行・実施記録といった情報。
  • 2 ○ 「胸部正面」「腹部臥位」など、何をどこ撮るかが入っていなければ検査ができない。撮影部位はオーダの必須情報。
  • 3 ✗ 診察の記録が入るのは電子カルテ。オーダリングシステムは検査や処方の「依頼」を流す仕組み。
  • 4 ✗ 医療材料・医薬品の発注は物流管理システム(SPD)。医事会計システムは診療報酬の計算・請求を担当する。
  • 5 ✗ 向きが逆。オーダ(依頼)はオーダリング → RIS へ流れ、実施情報は RIS → オーダリング(電子カルテ)へ返される。

問36 スイスチーズモデルの考え方について正しいのはどれか。

  1. 個人の過ちや職場の環境と体制に潜む危険が安全対策の穴を作る。
  2. 個人の集中力や責任感を高めなければ事故を減らすことはできない。
  3. 事故の原因追求を徹底すれば単一の根本的な過誤や失策に行き着く。
  4. 不完全な安全対策を複数用意するより完全な安全対策を一つ用意する。
  5. 抜け穴のある安全対策を複数に増やしても事故を減らすことはできない。
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正解:1

  • スイスチーズモデルは、安全対策を「穴のあいたチーズのスライス」にたとえる考え方。穴(弱点)は個人のミス組織・環境の潜在的な問題の両方から生まれ、複数の穴が一直線に並んだときに事故が起こる、と説明する。
  • 1 ○ まさにこの「穴がどこから生まれるか」を述べている。
  • 2 ✗ 個人の努力に頼る発想は、このモデルが乗り越えようとした考え方そのもの。
  • 3 ✗ 事故は複数の要因が重なって起こる、というのがモデルの主張。単一原因には行き着かない。
  • 4 ✗ 完全な対策は作れないという前提に立ち、不完全でも重ねることを勧めるのがこのモデル。
  • 5 ✗ スライスを重ねれば穴が一直線に並ぶ確率は下がる。重ねることに意味があるというのが結論。

問37 検査待合で患者が床に倒れており、時折いびきのような音を立てて首を動かしている。呼びかけに対する反応はあいまいで、周囲に他の人はいない。対応で正しいのはどれか。

  1. 胸骨圧迫開始の前に院内緊急コールをする。
  2. 胸骨圧迫は 1 分間に 50〜70 回のテンポで行う。
  3. 呼吸しているので直ちに心肺蘇生を開始する必要はない。
  4. 1 分間以上は肩を叩いて呼びかけ反応の有無を明確にする。
  5. 胸骨圧迫で心拍が再開しない場合に AED の持参を依頼する。
解答・解説を見る

正解:1

  • 「いびきのような音」+「反応があいまい」は死戦期呼吸を強く疑う所見。これは正常な呼吸ではなく、心停止のサインとして扱う。
  • 1 ○ 周囲に誰もいないので、まず院内緊急コールでAEDと応援を呼び、それから胸骨圧迫を始める。一人のときは応援要請が先。
  • 2 ✗ テンポは 100〜120回/分。50〜70回では遅すぎて血液を送れない。
  • 3 ✗ 死戦期呼吸は「呼吸あり」と判定してはいけない。直ちにCPRを開始する。
  • 4 ✗ 反応の確認は10秒以内。1分もかけていては手遅れになる。
  • 5 ✗ AEDは「圧迫がだめだったら」ではなく、最初から同時に手配する。除細動は1分遅れるごとに救命率が約10%下がる。

問38 保守点検計画を策定すべきX線装置はどれか。

  1. X線CT装置
  2. 移動形X線装置
  3. 透視用X線装置
  4. 乳房用X線装置
  5. 口内法用X線装置
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正解:1

  • 医療法施行規則では、保守点検計画の策定と実施が義務づけられている装置が具体的に決められている。診療用X線CT装置のほか、診療用高エネルギー放射線発生装置、診療用粒子線照射装置、診療用放射線照射装置、MRI装置などが対象。
  • 1 ○ X線CT装置はこの対象に含まれる。
  • 2・3・4・5 ✗ いずれも日常的な点検は当然行うが、法令で「保守点検計画の策定」まで求められている装置には含まれていない。

問39 診療放射線技師が検査中に認めた異常所見で、直ちに医師に報告することが適切でないのはどれか。

  1. 脳の腫瘤
  2. 頭蓋内出血
  3. 腹腔内遊離ガス
  4. 肋間腔開大を伴う気胸
  5. 径 3 cm の蛇行した上行大動脈
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正解:5

  • 1 ✗ 脳腫瘍は速やかな精査が必要。
  • 2 ✗ 頭蓋内出血は分単位で対応が変わる緊急所見。
  • 3 ✗ 腹腔内遊離ガス(free air)は消化管穿孔を示唆し、緊急手術になり得る。
  • 4 ✗ 肋間腔の開大を伴う気胸は緊張性気胸の可能性があり、最も急ぐ所見のひとつ。
  • 5 ○(これが答え) 上行大動脈の径は 3 cm 前後が正常範囲(拡張と呼ぶのは 4 cm 以上、瘤は 4.5〜5 cm 以上が目安)。蛇行も加齢で普通に見られる。緊急性がなく、直ちに報告すべき所見ではない。

問40 腸間膜を有さないのはどれか。

  1. 空腸
  2. S状結腸
  3. 横行結腸
  4. 十二指腸
  5. 上行結腸
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正解:4・5(正答値表で 4 と 5 の両方が正答とされた)

  • 腸間膜とは、腸を腹壁からぶら下げて血管・神経を運ぶ膜のこと。これを持たない=後腹膜に固定されて動かない臓器、ということになる。
  • 1 ✗ 空腸(と回腸)は腸間膜でぶら下がり、腹腔内をよく動く。
  • 2 ✗ S状結腸にはS状結腸間膜がある。よく動くため軸捻転を起こしやすい。
  • 3 ✗ 横行結腸には横行結腸間膜がある。
  • 4 ○ 十二指腸は(球部を除き)後腹膜臓器で、腸間膜を持たない。
  • 5 ○ 上行結腸も後腹膜に癒着して固定されており、腸間膜を持たない。下行結腸も同じ。
  • ※本問は「1つ選べ」だったが、4と5のどちらも腸間膜を持たないため、両方が正答として扱われた。

問41 骨粗鬆症性椎体骨折が多いのはどれか。

  1. 上部頸椎
  2. 下部頸椎〜上部胸椎
  3. 中部胸椎
  4. 下部胸椎〜上部腰椎
  5. 下部腰椎
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正解:4

  • 1・2・3 ✗ 頸椎や中部胸椎は、肋骨や胸郭に支えられているぶん脆弱性骨折は少ない。
  • 4 ○ 胸腰椎移行部(Th11〜L1)が最も多い。ここは、後方に肋骨で支えられた動きの少ない胸椎から、よく動く腰椎へ切り替わる境目で、力が集中しやすいため。
  • 5 ✗ 下部腰椎にも起こるが、頻度は胸腰椎移行部に及ばない。

問42 診療放射線技師による情報の取扱いについて正しいのはどれか。

  1. 守秘義務は診療放射線技師でなくなった後も続く。
  2. 患者の情報は医療機関内であれば自由に共有してよい。
  3. 診療放射線技師はカルテの情報を閲覧することができない。
  4. 個人情報保護法では患者名を画像に載せることは禁止されている。
  5. 患者本人の了解がなくても家族からの要請があれば情報開示ができる。
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正解:1

  • 1 ○ 診療放射線技師法第29条。資格を失った後も、退職した後も守秘義務は続く
  • 2 ✗ 院内でも、その業務に必要な範囲でしか見てはならない。関係のない患者の情報を見ることは許されない。
  • 3 ✗ 適切な検査を行うために必要であれば閲覧できる
  • 4 ✗ 禁止されていない。むしろ取り違え防止のため、患者名は画像に記録される。
  • 5 ✗ 家族であっても、原則として本人の同意が必要。

問43 頭蓋底を構成するのはどれか。2つ選べ。

  1. 頰骨
  2. 鼻骨
  3. 下顎骨
  4. 後頭骨
  5. 蝶形骨
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正解:4・5

  • 頭蓋底を作るのは 前頭骨・篩骨・蝶形骨・側頭骨・後頭骨 の5つ。前から後ろへ、前頭蓋窩・中頭蓋窩・後頭蓋窩の順に並ぶ。
  • 1・2・3 ✗ 頰骨・鼻骨・下顎骨はいずれも顔面頭蓋の骨で、頭蓋底は作らない。
  • 4 ○ 後頭骨は後頭蓋窩を作り、大後頭孔があいている。
  • 5 ○ 蝶形骨は中頭蓋窩の中心にあり、トルコ鞍(下垂体窩)を持つ。

問44 灰白質はどれか。

  1. 内包
  2. 脳梁
  3. 被殻
  4. 前交連
  5. 放線冠
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正解:3

  • 灰白質=神経細胞の本体(細胞体)が集まるところ。白質=軸索(神経線維)の束が通るところ。
  • 1 ✗ 内包は大脳皮質と脳幹・脊髄を結ぶ線維の束(白質)。
  • 2 ✗ 脳梁は左右の大脳半球を結ぶ交連線維(白質)。
  • 3 ○ 被殻は尾状核・淡蒼球とともに大脳基底核を作る灰白質の核。
  • 4 ✗ 前交連も左右をつなぐ交連線維(白質)。
  • 5 ✗ 放線冠は内包から大脳皮質へ扇状に広がる線維(白質)。

問45 悪性腫瘍の発生数が最も少ないのはどれか。

  1. 食道
  2. 小腸
  3. 結腸
  4. 直腸
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正解:3

  • 1 ✗ 食道がんは日本人に多いがんのひとつ。
  • 2 ✗ 胃がんは罹患数の上位を占める。
  • 3 ○ 小腸は消化管の中で最も長いのに、がんは極端に少ない(消化管がんの数%以下)。内容物が液状で速く通過し粘膜への刺激が少ないこと、リンパ組織が豊富で免疫監視が働くことなどが理由と考えられている。
  • 4 ✗ 結腸がんは罹患数の第1位(大腸がんの一部)。
  • 5 ✗ 直腸がんも結腸と合わせた大腸がんとして罹患数の上位。

問46 体温の恒常性について誤っているのはどれか。

  1. 体温中枢は視床下部にある。
  2. 運動によって体温は上昇する。
  3. 寒冷の環境では代謝が低下する。
  4. 体温には概日リズムが存在する。
  5. 年齢が高くなるにつれ体温は低下する。
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正解:3

  • 1 正しい 体温調節中枢は視床下部にある。
  • 2 正しい 筋肉の活動で熱が産生される。
  • 3 誤り 寒いときは体温を保つために、ふるえ(骨格筋の収縮)や褐色脂肪組織の熱産生が働き、代謝は亢進する。
  • 4 正しい 早朝に最も低く、夕方に最も高くなる約1℃の日内変動がある。
  • 5 正しい 高齢者は筋肉量の減少などにより、平熱がやや低くなる傾向がある。

問47 Ⅰ型アレルギー反応に関連するのはどれか。2つ選べ。

  1. 補体
  2. T細胞
  3. IgE抗体
  4. IgM抗体
  5. ヒスタミン
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正解:3・5

  • Ⅰ型(即時型・アナフィラキシー型)は、IgE抗体が肥満細胞の表面に結合しているところへ抗原が結合し、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されて起こる。造影剤の即時型副作用もこの型に準じた反応である。
  • 1 ✗ 補体が関わるのはⅡ型(細胞傷害型)・Ⅲ型(免疫複合体型)
  • 2 ✗ T細胞が主役なのはⅣ型(遅延型)。ツベルクリン反応や接触性皮膚炎がこれにあたる。
  • 3 ○ Ⅰ型の主役となる抗体。
  • 4 ✗ IgM(やIgG)が関わるのもⅡ型・Ⅲ型。Ⅰ型の抗体はIgE。
  • 5 ○ 放出されて血管拡張・透過性亢進・気管支収縮を起こす物質。

問48 悪性腫瘍とその発生原因の組合せで誤っているのはどれか。

  1. 胃癌 ── ヘリコバクターピロリ菌
  2. 肝臓癌 ── A型肝炎ウイルス
  3. 外陰部癌 ── ヒトパピローマウイルス
  4. カポジ肉腫 ── ヒトヘルペスウイルス
  5. 成人T細胞白血病 ── ヒトT細胞白血病ウイルス
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正解:2

  • 1 正しい ピロリ菌の持続感染は萎縮性胃炎を経て胃癌の原因になる。
  • 2 誤り 肝細胞癌の原因となるのは B型・C型肝炎ウイルス。A型肝炎は経口感染する急性肝炎で、慢性化せず、発がんにもつながらない。
  • 3 正しい HPVは子宮頸癌のほか、外陰部癌・中咽頭癌の原因にもなる。
  • 4 正しい カポジ肉腫の原因は HHV-8(ヒトヘルペスウイルス8型)
  • 5 正しい 成人T細胞白血病の原因は HTLV-1。母乳を介した母子感染が主な経路。

問49 右心房と右心室の間にある弁はどれか。

  1. 三尖弁
  2. 静脈弁
  3. 僧帽弁
  4. 大動脈弁
  5. 肺動脈弁
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正解:1

  • 血液の流れは 右心房 →(三尖弁)→ 右心室 →(肺動脈弁)→ 肺 → 左心房 →(僧帽弁)→ 左心室 →(大動脈弁)→ 全身
  • 1 ○ 右の房室弁が三尖弁(弁尖が3枚)。
  • 2 ✗ 静脈弁は四肢の静脈にあり、血液の逆流を防ぐ弁。心臓の弁ではない。
  • 3 ✗ 僧帽弁はの房室弁(弁尖が2枚なので二尖弁ともいう)。
  • 4 ✗ 大動脈弁は左心室の出口。
  • 5 ✗ 肺動脈弁は右心室の出口。

問50 ヒトの感染防御機構で獲得免疫に関与するのはどれか。2つ選べ。

  1. 胸腺
  2. 口腔
  3. 骨髄
  4. 皮膚
  5. 消化管
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正解:1・3

  • 獲得免疫の主役はリンパ球(T細胞・B細胞)。その生まれ育つ場所が答えになる。
  • 1 ○ 胸腺は T細胞が成熟する場所(Thymus の T)。
  • 2 ✗ 口腔の粘膜は、唾液や常在菌によって病原体の侵入を防ぐ自然免疫のバリア
  • 3 ○ 骨髄はすべての血球が生まれる場所で、B細胞はここで成熟する(Bone marrow の B)。
  • 4 ✗ 皮膚は物理的に侵入を防ぐ自然免疫のバリア
  • 5 ✗ 消化管の粘膜も自然免疫のバリア。いずれも抗原を覚えて特異的に攻撃する仕組みではない。

問51 人体を構成する主要4大元素でないものはどれか。

  1. 塩素
  2. 酸素
  3. 水素
  4. 炭素
  5. 窒素
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正解:1

  • 人体の主要4大元素は 酸素・炭素・水素・窒素。この4つで体重の約96%を占める。水(H₂O)とタンパク質・脂質・糖質を作る元素と考えれば覚えやすい。
  • 1 ○(これが答え) 塩素は体液の浸透圧を保つ大切な元素だが、含有量は約0.15%。4大元素には入らない。
  • 2 ✗ 酸素は約65%で最多(体の約60%が水であるため)。
  • 3 ✗ 水素は約10%。
  • 4 ✗ 炭素は約18%で2番目。
  • 5 ✗ 窒素は約3%。タンパク質・核酸に含まれる。

問52 上眼窩裂を通らないのはどれか。

  1. 眼神経
  2. 視神経
  3. 外転神経
  4. 滑車神経
  5. 動眼神経
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正解:2

  • 上眼窩裂を通るのは 動眼神経(Ⅲ)・滑車神経(Ⅳ)・眼神経(Ⅴ₁:三叉神経の第1枝)・外転神経(Ⅵ) と上眼静脈。眼球を動かす神経がすべてここを通る。
  • 1 ✗ 眼神経(Ⅴ₁)は上眼窩裂を通る。
  • 2 ○(これが答え) 視神経(Ⅱ)だけは別の穴、視神経管を眼動脈とともに通る。
  • 3 ✗ 外転神経(Ⅵ)は上眼窩裂を通る。
  • 4 ✗ 滑車神経(Ⅳ)は上眼窩裂を通る。
  • 5 ✗ 動眼神経(Ⅲ)は上眼窩裂を通る。

問53 肺結核の主な感染経路はどれか。

  1. 空気感染
  2. 垂直感染
  3. 接触感染
  4. 飛沫感染
  5. 媒介物感染
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正解:1

  • 1 ○ 結核菌は、飛沫の水分が蒸発してできた飛沫核(5 µm 未満)として空気中を長く漂い、遠くまで届く。これが空気感染(飛沫核感染)。同じ経路をとるのは麻疹・水痘で、「ケッカク・マシン・スイトウ」で覚える。
  • 2 ✗ 垂直感染は母から子への感染(風疹・HTLV-1など)。
  • 3 ✗ 接触感染は手指や器具を介する経路(MRSA・ノロウイルスなど)。
  • 4 ✗ 飛沫感染は 5 µm 以上の飛沫が 1〜2 m 以内に落ちる経路(インフルエンザなど)。結核はこれより広がる。
  • 5 ✗ 媒介物感染は水・食品・蚊などを介する経路。
  • ※対策として、空気感染にはN95マスクと陰圧室が必要。飛沫感染のサージカルマスクでは防ぎきれない。

問54 手根管を通過する神経はどれか。

  1. 副神経
  2. 尺骨神経
  3. 正中神経
  4. 橈骨神経
  5. 肋間神経
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正解:3

  • 1 ✗ 副神経は胸鎖乳突筋・僧帽筋を支配する脳神経(Ⅺ)。
  • 2 ✗ 尺骨神経は手根管の外側(Guyon管)を通る。
  • 3 ○ 手根管は、手根骨と屈筋支帯に囲まれたトンネル。ここを正中神経と9本の屈筋腱が通る。狭くなって正中神経が圧迫されると、母指〜環指のしびれを起こす手根管症候群になる。
  • 4 ✗ 橈骨神経は手背側を走り、手根管は通らない。
  • 5 ✗ 肋間神経は胸壁を走る。

問55 紫外線の特徴について正しいのはどれか。

  1. DNA を標的としない。
  2. X線よりも波長が長い。
  3. 直接電離放射線である。
  4. X線よりも LET が高い。
  5. 発がんを引き起こさない。
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正解:2

  • 1 ✗ 紫外線(特にUVB)は DNA に吸収され、ピリミジンダイマーという特徴的な傷を作る。標的はまさにDNA。
  • 2 ○ 紫外線は約 10〜400 nm、X線は約 0.01〜10 nm。紫外線のほうが波長が長く、エネルギーは低い。
  • 3 ✗ 紫外線は原子を電離させるだけのエネルギーがなく、非電離放射線。直接電離放射線とは荷電粒子(α線・β線など)のこと。
  • 4 ✗ LETは電離放射線について定義される量。電離を起こさない紫外線にLETという概念は当てはまらない。
  • 5 ✗ 紫外線は皮膚がん(基底細胞癌・有棘細胞癌・悪性黒色腫)の主要な原因で、IARCの発がん性分類でもグループ1。

問56 ヒトの半致死線量について正しいのはどれか。

  1. 50〜60 Gy である。
  2. Dq 線量と同義である。
  3. 生存率が 50%になる線量である。
  4. 被ばく後 30 日の生存率で判定する。
  5. 定位放射線治療の線量計算に使用する。
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正解:3

  • 1 ✗ ヒトのLD50は 3〜4 Gy 程度(無治療の場合)。50〜60 Gy は放射線治療の総線量の話。
  • 2 ✗ Dq は生存曲線の肩の幅を表す準閾線量で、まったく別の量。
  • 3 ○ 半致死線量(LD50)は、その集団の半数が死亡する=生存率が50%になる線量という定義。
  • 4 ✗ ヒトでは骨髄死の経過を見るのに 60日 を使い、LD50/60 と表す。30日を使うのはマウスなどの実験動物(LD50/30)。
  • 5 ✗ LD50 は急性被ばくの重篤度を表す指標で、治療計画の線量計算には使わない。

問57 成人の正常組織で放射線感受性が最も低いのはどれか。

  1. 肝臓
  2. 小腸
  3. 心筋
  4. 皮膚
  5. 水晶体
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正解:3

  • ベルゴニー・トリボンドーの法則:細胞分裂が盛んなほど・分化が未熟なほど・将来分裂する回数が多いほど放射線感受性が高い。
  • 1 ✗ 肝細胞は普段は分裂しないが、障害を受けると再生する能力を持つ(心筋よりは感受性がある)。
  • 2 ✗ 小腸の陰窩細胞は数日で入れ替わるほど分裂が盛んで、感受性は非常に高い。
  • 3 ○ 心筋は成人ではほとんど分裂しない終末分化細胞。感受性は最も低い。
  • 4 ✗ 皮膚の基底細胞も分裂が活発。
  • 5 ✗ 水晶体上皮は感受性が高く、白内障のしきい値が 0.5 Gy に引き下げられた。

問58 放射線誘発がんについて正しいのはどれか。

  1. 前立腺癌の主な発がん形式である。
  2. 小児より成人の方が発がんリスクは高い。
  3. 発がんリスクは線量率によって変化しない。
  4. 放射線による肺癌の発生リスクと喫煙は関係ない。
  5. 同じ物理線量の場合、低LET放射線より高LET放射線の方が発がんリスクは高い。
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正解:5

  • 1 ✗ 前立腺癌は放射線誘発がんとしては代表的ではない。誘発されやすいのは白血病・甲状腺癌・乳癌など。
  • 2 ✗ 逆。小児のほうがリスクは高い。細胞分裂が盛んで、発症までの余命も長いため。
  • 3 ✗ 同じ総線量でも、ゆっくり被ばくするほうが修復が進みリスクは下がる(線量・線量率効果係数 DDREF)。
  • 4 ✗ 関係する。ラドンや放射線と喫煙が重なると、リスクは足し算以上(相乗的)に増えることが知られている。
  • 5 ○ 高LET放射線は電離を密に起こし、修復されにくい複雑なDNA損傷を作る。同じ Gy でも生物学的な効き目が強いため、放射線加重係数も大きく設定されている(α線は 20)。

問59 細胞に総線量 12 Gy を照射した場合、細胞の生存率が最も高くなる条件はどれか。ただし、他の条件は全て同じとし、細胞の α/β\alpha/\beta は 10 Gy とする。

  1. 1 Gy/回とし、週3回4週間で照射する。
  2. 1 Gy/回とし、週4回3週間で照射する。
  3. 2 Gy/回とし、連続する6日間で照射する。
  4. 1 Gy/回とし、1日2回、連続する6日間で照射する。
  5. 2 Gy/回とし、1日2回、連続する3日間で照射する。
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正解:1

  • まず1回線量で比べる。生物学的効果は BED=D(1+dα/β)BED = D\left(1 + \dfrac{d}{\alpha/\beta}\right) で見積もれる。

1 Gy/12×(1+110)=13.22 Gy/12×(1+210)=14.41\ \mathrm{Gy/回}:12\times\left(1+\frac{1}{10}\right)=13.2 \qquad 2\ \mathrm{Gy/回}:12\times\left(1+\frac{2}{10}\right)=14.4

  • 1回線量が小さいほど効果は弱い=生存率は高い。よって候補は 1・2・4 に絞られる。
  • 次に時間で比べる。照射の間隔が空くほど、亜致死損傷の回復と細胞の再増殖が進み、生存率は上がる。
  • 1 ○ 1 Gy/回で最も低い効果、かつ 4週間と最も長い。生存率が最も高くなる。
  • 2 ✗ 同じ 1 Gy/回だが期間が3週間と短く、再増殖の余地が少ない。
  • 3 ✗ 2 Gy/回で効果が強く、6日間と短期集中。
  • 4 ✗ 1 Gy/回だが1日2回では回復が不完全なまま次が当たり、6日間と短い。
  • 5 ✗ 2 Gy/回・1日2回・3日間と、最も効果が強い条件。生存率は最も低くなる。

問60 電離性の電磁放射線はどれか。

  1. α線
  2. β線
  3. γ線
  4. 中性子線
  5. マイクロ波
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正解:3

  • 問われているのは「電磁波であって、かつ電離を起こすもの」の2条件。
  • 1・2 ✗ α線(ヘリウム原子核)・β線(電子)は電離するが、粒子線であって電磁波ではない。
  • 3 ○ γ線は電磁波であり、電離作用を持つ。同じ仲間はX線。電荷を持たないので間接電離放射線に分類される。
  • 4 ✗ 中性子線も粒子線
  • 5 ✗ マイクロ波は電磁波だが、エネルギーが低く電離を起こさない(非電離放射線)

問61 光子と物質の相互作用について正しいのはどれか。

  1. 特性X線は連続スペクトルを持つ。
  2. 光電効果は最外殻の電子で起こることが多い。
  3. 電子対生成の生じた位置で消滅放射線が発生する。
  4. コンプトン散乱において散乱光子の波長は入射光子の波長より長くなる。
  5. 光子エネルギーが 1 MeV のとき鉛と光子の相互作用は電子対生成が主である。
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正解:4

  • 1 ✗ 特性X線は、殻の間のエネルギー差そのものが出るので線スペクトル(とびとび)。連続スペクトルは制動X線。
  • 2 ✗ 光電効果は内殻(K殻)で起こりやすい(約80%)。原子核に強く束縛された電子ほど、原子核が反跳を引き受けられるため。
  • 3 ✗ 消滅放射線が出るのは、生じた陽電子が周囲を飛んでエネルギーを失い、停止した場所。生成した位置とは少しずれる。
  • 4 ○ コンプトン散乱では、光子がエネルギーの一部を電子に渡すので、残った光子はエネルギーが減る=波長が長くなる。この波長の伸びをコンプトンシフトという。
  • 5 ✗ 電子対生成のしきい値は 1.022 MeV なので、1 MeV ではそもそも起こらない。この領域の鉛ではコンプトン散乱が主となる。

問62 重荷電粒子の質量衝突阻止能について正しいのはどれか。

  1. 物質の密度に反比例する。
  2. 物質の原子番号に反比例する。
  3. 入射粒子の質量に反比例する。
  4. 入射粒子の電荷数に比例する。
  5. 入射粒子のエネルギーに反比例する。
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正解:5

  • ベーテの式の要点は、質量衝突阻止能が z2v2ZA\dfrac{z^2}{v^2}\cdot\dfrac{Z}{A} に比例すること(zz:入射粒子の電荷数、vv:速度、Z/AZ/A:物質の原子番号/質量数)。
  • 1 ✗ 質量阻止能はすでに密度で割った量なので、密度には依存しない。
  • 2 ✗ Z/AZ/A にほぼ比例するので、反比例ではない(Z/AZ/A はどの物質でもおよそ 0.5 で、水素だけ約1)。
  • 3 ✗ 式に入射粒子の質量は現れない。同じ速度なら、質量が違っても阻止能は同じ
  • 4 ✗ 電荷数は2乗(z2z^2)に比例する。だから炭素(z=6z=6)は陽子(z=1z=1)の36倍も効率よくエネルギーを落とす。
  • 5 ○ v2v^2 に反比例するので、E=12mv2E=\frac{1}{2}mv^2 よりエネルギーに反比例する。粒子は遅くなるほど激しくエネルギーを落とす。これがブラッグピークができる理由。

問63 50 keV 光子の Al(原子番号 13、原子量 27、密度 2.7 g・cm⁻³)に対する線減弱係数が 1.0 cm⁻¹ であるとき、この光子エネルギーに対する Al の電子断面積[b](バーン)に最も近いのはどれか。ただし、アボガドロ数を 6.0×10236.0\times10^{23}、1 b = 102410^{-24} cm² とする。

  1. 0.08
  2. 0.4
  3. 1.3
  4. 4.8
  5. 17
解答・解説を見る

正解:3

  • 電子断面積は「電子1個あたりの的の面積」。線減弱係数を電子密度で割れば求まる。

σe=μNe\sigma_e = \frac{\mu}{N_e}

  • まず 1 cm³ あたりの電子数 NeN_e を出す。ρNAZA\rho \cdot N_A \cdot \dfrac{Z}{A} で計算する。

Ne=2.7×(6.0×1023)×1327=7.8×1023 /cm3N_e = 2.7 \times (6.0\times10^{23}) \times \frac{13}{27} = 7.8\times10^{23}\ \mathrm{個/cm^3}

  • これで μ\mu を割る。

σe=1.07.8×1023=1.28×1024 cm2=1.28 b1.3 b\sigma_e = \frac{1.0}{7.8\times10^{23}} = 1.28\times10^{-24}\ \mathrm{cm^2} = 1.28\ \mathrm{b} \fallingdotseq 1.3\ \mathrm{b}

  • ポイントは Z/AZ/A(13/27 ≒ 0.48)を掛け忘れないこと。これを忘れると約 2 倍ずれて選択肢4になる。

問64 核磁気共鳴の緩和現象について正しいのはどれか。

  1. 縦緩和時間は磁場均一性に依存する。
  2. 縦緩和時間は物質の温度に依存する。
  3. 横緩和時間は縦緩和時間よりも長い。
  4. 横磁化は時間とともに直線的に減少する。
  5. 縦磁化は 90 度 RF パルス印加中に増加する。
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正解:2

  • 1 ✗ 磁場の不均一が効くのは横緩和の見かけの速さ(T2*)。T1は関係しない。
  • 2 ○ 縦緩和(T1)は、励起された核が周囲の分子(格子)にエネルギーを渡す過程。分子運動の速さで効率が変わり、分子運動は温度に依存する。だからT1は温度で変わる。
  • 3 ✗ 必ず T2 ≦ T1。横磁化はスピン同士の位相のずれでも失われるため、縦磁化の回復より速い。
  • 4 ✗ 横磁化の減衰は指数関数的exp(t/T2)\exp(-t/T2))。直線ではない。
  • 5 ✗ 90度パルスは縦磁化を横に倒す操作なので、印加中に縦磁化は減少して0になる

問65 電流の大きさが 2 A(実効値)で、位相が電圧より 30 度だけ進んでいる正弦波交流回路がある。この回路の電圧が 0 V の瞬間の電流の大きさ[A]はどれか。

  1. 0
  2. 23\dfrac{\sqrt{2}}{3}
  3. 22\dfrac{\sqrt{2}}{2}
  4. 2\sqrt{2}
  5. 222\sqrt{2}
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正解:4

  • 実効値 2 A → 最大値(振幅)は 222\sqrt{2} A。ここを間違えないことが第一のポイント。

Imax=2×Irms=22 AI_{max} = \sqrt{2} \times I_{rms} = 2\sqrt{2}\ \mathrm{A}

  • 電流は電圧より 30 度進んでいるので、電圧を v=Vsinωtv = V\sin\omega t と置くと

i=22sin(ωt+30)i = 2\sqrt{2}\,\sin(\omega t + 30^\circ)

  • 電圧が 0 V になるのは ωt=0\omega t = 0 の瞬間。これを代入する。

i=22sin30=22×12=2 Ai = 2\sqrt{2}\,\sin 30^\circ = 2\sqrt{2}\times\frac{1}{2} = \sqrt{2}\ \mathrm{A}

  • 「電圧0の瞬間に電流も0」と早合点すると 1 を選んでしまう。位相がずれているから、電圧が0でも電流は流れている、というのがこの問題の主旨。

問66 真性半導体の絶対零度におけるエネルギーバンド構造について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 伝導帯は空帯となっている。
  2. 禁制帯にキャリアは存在しない。
  3. 禁制帯の幅は絶縁体より大きい。
  4. 価電子帯の電子は電流に寄与する。
  5. フェルミ準位は価電子帯に存在する。
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正解:1・2

  • 絶対零度(0 K)では熱エネルギーがまったくないので、電子は1個も伝導帯へ上がれない。価電子帯は満杯、伝導帯は空っぽという状態になる。
  • 1 ○ 電子が1個もいない=空帯。だから絶対零度の真性半導体は電気を通さない(絶縁体と同じふるまい)。
  • 2 ○ 禁制帯は電子が存在できないエネルギー領域。そもそもキャリアは存在しえない
  • 3 ✗ 逆。禁制帯の幅は 半導体(Si は約 1.1 eV)< 絶縁体(数 eV 以上)。この差が両者を分けている。
  • 4 ✗ 価電子帯が満杯だと電子は動く先がないため、電流に寄与できない
  • 5 ✗ 真性半導体のフェルミ準位は禁制帯のほぼ中央にある。

問67 MRI装置でボリューム送信コイルを使用した場合、JISで規定されている通常操作モードでの全身 SAR[W/kg]の上限値はどれか。

  1. 0.1
  2. 0.5
  3. 2.0
  4. 3.2
  5. 10.0
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正解:3

  • SAR は単位質量あたりに吸収されるRFのエネルギー(体温上昇の原因)。全身SARの上限は次のように決められている。
  • 1・2 ✗ 低すぎる。
  • 3 ○ 通常操作モード:2.0 W/kg。誰でも安全に使える範囲。
  • 4 ✗ 3.2 W/kg は頭部のSAR上限。
  • 5 ✗ 10 W/kg は局所SAR(頭部・体幹)の値。
  • 参考:全身SARは、第一次水準管理操作モード(医学的監視のもとで使用)で 4 W/kg まで許容される。

問68 エネルギーフルエンスが一様な γ線場において、指頭形電離箱で電離電流を測定するとき、測定値について正しいのはどれか。

  1. 空洞の体積に反比例する。
  2. 充塡気体の密度に比例する。
  3. 充塡気体の W 値に比例する。
  4. 集電極の印加電圧に反比例する。
  5. 電離箱壁からの二次電子の飛程に比例する。
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正解:2

  • 電離電流は「空洞内の空気の質量にどれだけの電荷が作られるか」で決まる。質量は 密度 × 体積 である。
  • 1 ✗ 体積も同じく比例(反比例ではない)。大きい空洞ほど電離電流は大きい。
  • 2 ○ 密度が高いほど空洞内の空気の質量が増え、電離される量も増える=比例する。
  • 3 ✗ W値は「イオン対を1つ作るのに必要なエネルギー」。W値が大きいほど少ないイオンしかできないので、反比例する。
  • 4 ✗ 電離箱は飽和領域で使うため、印加電圧を上げても電離電流はほぼ変わらない。
  • 5 ✗ ブラッグ・グレイの条件が成り立つ範囲では、空洞は二次電子にとって十分小さいとみなす。飛程に比例するという関係はない。

問69 飛跡を利用した放射線検出器はどれか。

  1. CR‑39
  2. GM計数管
  3. 比例計数管
  4. 蛍光ガラス線量計
  5. NaI(Tl)シンチレーション検出器
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正解:1

  • 1 ○ CR‑39 はプラスチックの固体飛跡検出器。荷電粒子が通ると分子鎖が切れて損傷が残り、アルカリでエッチングすると穴(エッチピット)が現れる。これを顕微鏡で数える。中性子や α線の個人線量計に使われる。
  • 2・3 ✗ GM計数管・比例計数管は、気体の電離で生じた電荷をパルスとして数える。
  • 4 ✗ 蛍光ガラス線量計は、紫外線を当てたときに出るラジオフォトルミネセンス(橙色の蛍光)を測る。
  • 5 ✗ NaI(Tl) は入射放射線が起こすシンチレーション光を光電子増倍管で電気信号に変える。

問70 高純度 Ge 半導体検出器の基本構成に含まれないのはどれか。

  1. 高圧電源
  2. 線形増幅器
  3. 前置増幅器
  4. 光電子増倍管
  5. 多重波高分析器
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正解:4

  • 半導体検出器では、放射線が半導体内で電子-正孔対を直接作り、それがそのまま電気信号になる。光に変える段階がない。
  • 1 ✗ 空乏層を作るための逆バイアス(高圧)が必要。
  • 2・3 ✗ 微弱な信号を取り出すため、前置増幅器 → 線形増幅器と段階的に増幅する。
  • 4 ○(これが答え) 光電子増倍管は、シンチレーション検出器で「光を電気信号に変えて増幅する」ための部品。半導体検出器には不要である。
  • 5 ✗ γ線スペクトルを得るには、パルス波高ごとに数える多重波高分析器(MCA)が必須。

問71 X線の半価層測定について正しいのはどれか。

  1. 実効波長によって補正する。
  2. 管電圧によって半価層は変化しない。
  3. 線量の測定には電離箱線量計が適する。
  4. 実効エネルギーを最大エネルギーで除して算出できる。
  5. 連続エネルギー分布を持つX線では第2半価層より第1半価層が大きい。
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正解:3

  • 1 ✗ 実効波長による補正という手順はない。半価層から逆に実効エネルギーを求める。
  • 2 ✗ 管電圧を上げればX線は硬くなり、半価層は大きくなる
  • 3 ○ 半価層は線量が半分になる吸収体の厚さなので、線量を正確に測れる検出器が要る。電離箱線量計はエネルギー依存性が小さく、この用途に適する。
  • 4 ✗ 実効エネルギーは、測った半価層と同じ減弱を示す単一エネルギーとして求めるもの。割り算では出ない(最大エネルギーとの比は「実効エネルギー比」で別の話)。
  • 5 ✗ 逆。連続スペクトルのX線は、通すほど軟らかい成分が削られて硬くなる(線質硬化)ため、第1半価層 < 第2半価層となる。この比(均等度)が1に近いほど単色に近い。

問72 個人被ばく線量計に用いられる検出材料で、光子に対するエネルギー依存性が最も小さいのはどれか。

  1. Si
  2. LiF
  3. Al₂O₃
  4. CaSO₄
  5. リン酸塩ガラス
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正解:2

  • エネルギー依存性が小さい=実効原子番号が人体(軟部組織)や空気に近い、ということ。低エネルギー側で光電効果(Z3Z^3 に比例)が効きすぎないためである。
  • 1 ✗ Si は 14。
  • 2 ○ LiF の実効原子番号は 8.14。人体組織(7.4)や空気(7.6)にきわめて近い。だから「組織等価」な線量計としてTLD(熱ルミネセンス線量計)に広く使われる。
  • 3 ✗ Al₂O₃ は約 11.3。
  • 4 ✗ CaSO₄ は約 15.3。感度は高いがエネルギー依存性が大きく、フィルタで補正して使う。
  • 5 ✗ リン酸塩ガラスも 12〜13 程度で、LiF より大きい。

問73 画像診断用ディスプレイについて正しいのはどれか。

  1. 不変性試験は 2 年ごとに行う。
  2. 輝度比は最大輝度と最小輝度の比である。
  3. 照度計を用いてコントラスト応答を求める。
  4. 解像度 2,048 × 2,560 は 3 メガピクセルに相当する。
  5. テストパターンを用いた目視試験は客観的評価となる。
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正解:2

  • 1 ✗ 不変性試験は日常(毎日の目視)と定期(月次・年次)に行う。2年ごとでは間隔が空きすぎる。
  • 2 ○ 輝度比 = 最大輝度 ÷ 最小輝度。定義そのもの。診断用モニタでは 250 以上(マンモは 350 以上)が求められる。
  • 3 ✗ コントラスト応答(階調特性)を測るのは輝度計。照度計が測るのは、モニタに当たる室内の明るさ(照度)。
  • 4 ✗ 2,048×2,560=5,242,8802{,}048 \times 2{,}560 = 5{,}242{,}8805メガピクセル。マンモグラフィ用モニタの規格である。
  • 5 ✗ 目視は人の目で判断するので主観的評価。客観的評価は輝度計などで数値化するもの。

問74 X線CTについて正しいのはどれか。

  1. DLP の単位は mGy である。
  2. 管電圧が低くなるほどノイズは低下する。
  3. ピッチ係数を大きくすると撮影時間は長くなる。
  4. 管電圧が低くなるほど造影領域の CT 値は低下する。
  5. dual energy CT を用いて仮想単色X線画像を作成できる。
解答・解説を見る

正解:5

  • 1 ✗ DLP = CTDIvol × 撮影範囲なので、単位は mGy・cm。mGy は CTDIvol の単位。
  • 2 ✗ 管電圧が低いと透過する光子が減るので、ノイズは増加する。
  • 3 ✗ ピッチを大きくする=1回転で寝台が多く進むので、撮影時間は短くなる
  • 4 ✗ 逆に上昇する。ヨードのK吸収端(33.2 keV)に近い低エネルギーほど光電効果が起こりやすく、よく吸収されるため。低管電圧撮影で造影剤量を減らせるのはこの性質による。
  • 5 ○ 2つの管電圧のデータから物質の組成を解いて、「もし単一エネルギーのX線で撮ったら」という画像を再構成できる。これが仮想単色X線画像。ビームハードニングの低減や、低keV画像でのヨードコントラスト強調に使う。

問75 X線管装置について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 線質は陽極側に比べ陰極側で軟線が多い。
  2. 短時間許容負荷は焦点寸法に依存しない。
  3. 陰極エミッション特性は管電流の特性を表す。
  4. ヒートユニットは許容負荷を表す単位である。
  5. 漏れ放射線は放射口を透過する電離放射線である。
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正解:1・3

  • 1 ○ 陽極側へ向かうX線は、ターゲット内を長く通ってから出てくるので軟線が吸収される(自己濾過)。結果として陽極側は硬く、陰極側は軟線が多い。線量が陽極側で低くなる現象がヒール効果である。
  • 2 ✗ 依存する。焦点が小さいほど熱が集中して溶けやすく、許容負荷は小さくなる。だから拡大撮影の微小焦点では条件を絞る必要がある。
  • 3 ○ 陰極エミッション特性は、フィラメント電流に対してどれだけ管電流が流れるかを表す特性曲線。
  • 4 ✗ ヒートユニット(HU)は陽極に蓄積された熱量を表す単位。許容負荷そのものではない。
  • 5 ✗ 逆。放射口(照射窓)から出るのが有用X線で、それ以外の管容器の壁を突き抜けて漏れてくるものが漏れ放射線。

問76 X線高電圧装置について正しいのはどれか。

  1. 管電流はX線管の陽極に流れる電流の最大値で表す。
  2. コンデンサ式X線装置の管電流時間積は線量に比例する。
  3. 管電圧はX線管の陽極と陰極との間の電位差の平均値で表す。
  4. 2ピーク形X線装置の管電圧調整は単巻変圧器の出力側で行う。
  5. 共振形インバータ式X線装置の管電圧リプル百分率はインバータ周波数に比例する。
解答・解説を見る

正解:4

  • 1 ✗ 管電流は平均値で表す。X線管に流れる電流は脈流なので、最大値ではなく平均値を管理する。
  • 2 ✗ コンデンサ式では放電が進むにつれて管電圧が下がっていく。管電圧が下がるとX線の発生効率も落ちるため、mAs と線量は比例しない。
  • 3 ✗ 管電圧は波高値(最大値)で表す。管電圧が高いほどX線のエネルギーの上限が決まる、という意味で最大値が重要になる。
  • 4 ○ 2ピーク形(単相全波整流)では、単巻変圧器(オートトランス)のタップを切り替えて出力電圧を変え、それを高電圧変圧器の一次側へ送ることで管電圧を調整する。
  • 5 ✗ 反比例する。インバータ周波数を上げるほど整流後のリプルは平滑化され、リプル百分率は小さくなる。

問77 FPDについて正しいのはどれか。

  1. 画像歪は I. I. と同等である。
  2. 素子間の感度補正が必要である。
  3. ダイナミックレンジはアナログシステムと同等である。
  4. 直接変換方式ではX線をシンチレータで光に変換する。
  5. リアルタイムでX線画像をアナログ信号として出力する。
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正解:2

  • 1 ✗ I. I. は電子レンズを使うためピンクッション歪や周辺の歪が生じるが、FPDは素子が平面に並んでいるだけなので原理的に画像歪がない。これがFPDの大きな利点。
  • 2 ○ FPDは数百万個の素子が並んだ集合体で、1つ1つの感度に必ずばらつきがある。そのままでは固定パターンノイズとして見えるので、ゲイン補正・オフセット補正・欠陥画素補正を行う。
  • 3 ✗ FPDのダイナミックレンジはアナログ(増感紙-フィルム系)よりはるかに広い。だから撮影条件が多少ずれても画像処理で救える。
  • 4 ✗ シンチレータで光に変えるのは間接変換方式。直接変換方式は a-Se(アモルファスセレン)でX線を直接電荷に変える。
  • 5 ✗ 出力はデジタル信号

問78 トモシンセシスについて正しいのはどれか。

  1. FPD を用いた断層撮影である。
  2. 乳房用X線装置のみに搭載されている。
  3. 1 回の撮影で 1 枚の断層画像を取得する。
  4. 断層振れ角が大きいほど断層厚は厚くなる。
  5. 目的断面を幾何学的にぼかすことによって断層画像を取得する。
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正解:1

  • 1 ○ X線管を限られた角度で振りながら複数方向から撮影し、FPDで集めたデータを再構成して任意の深さの断層像を作る。FPDの普及があって初めて実用化された技術である。
  • 2 ✗ マンモグラフィが有名だが、一般撮影用のX線装置にも搭載されている(胸部・整形領域など)。
  • 3 ✗ 1回の撮影(1スキャン)で、任意の深さの断層像を何枚でも再構成できる。ここが従来の断層撮影と決定的に違う。
  • 4 ✗ 逆。振れ角が大きいほど断層厚は薄くなる(深さ方向の分離が良くなる)。ただし撮影時間と被ばくは増える。
  • 5 ✗ 逆。目的断面に焦点を合わせ、それ以外の断面をぼかすことで目的断面を浮かび上がらせる。

問79 X線管装置の動作特性について正しいのはどれか。

  1. 管電流は電極間距離の 2 乗に比例する。
  2. ヒール効果はターゲット角度に影響しない。
  3. 実焦点の熱電子密度は正焦点、副焦点とも均等である。
  4. ブルーミング現象は管電流条件で実効焦点寸法に影響する。
  5. 焦点近傍から発生した焦点外X線の強度は遠方に比べ強い。
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正解:4

  • 1 ✗ 空間電荷制限領域では、管電流は管電圧の 3/2 乗に比例する(チャイルド・ラングミュアの法則)。電極間距離には反比例的に効く。
  • 2 ✗ 影響する。ターゲット角度が小さいほどヒール効果は強く現れる。
  • 3 ✗ 均等ではない。実焦点内の熱電子の密度分布には偏りがあり、正焦点と副焦点で二峰性になることが知られている(だから焦点像が2つの山に見える)。
  • 4 ○ ブルーミング現象とは、管電流を増やすと焦点が広がる(実効焦点寸法が大きくなる)こと。電子が密集すると互いの負電荷で反発し合い、束が広がるために起こる。拡大撮影で管電流を上げすぎると鮮鋭度が落ちるのはこのため。
  • 5 ✗ 焦点外X線は、焦点を外れた電子が陽極面の広い範囲に当たって生じるもの。「焦点の近くほど強い」という関係で説明される量ではない。

問80 乳房用X線装置について正しいのはどれか。

  1. X線放射口には Rh が用いられる。
  2. 管電流の精度は ±10%以内である。
  3. 焦点寸法は 1〜2 mm が標準的である。
  4. 陽極のターゲットには Al が用いられる。
  5. ヒール効果を利用し乳房全体の線量均一化を行っている。
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正解:5

  • 1 ✗ 放射口(窓)には、低エネルギーX線をなるべく通すために Be(ベリリウム) を使う。Rh は付加フィルタやターゲットに使う材料。
  • 2 ✗ 管電流の精度としてこの数値が規定されているわけではない。
  • 3 ✗ 微細石灰化を描出するため、焦点は 0.3 mm 程度(拡大用は 0.1 mm) と非常に小さい。1〜2 mm は一般撮影用の値。
  • 4 ✗ ターゲットは Mo・Rh・W。Al はフィルタや半価層測定に使う材料で、ターゲットには使わない。
  • 5 ○ 乳房は胸壁側が厚く、乳頭側が薄い。そこで、線量が強い陰極側を胸壁に向け、線量が弱い陽極側を乳頭側に向けることで、写真の濃度をそろえている。ヒール効果を欠点ではなく利点として使っている好例。

問81 医薬品医療機器等法における医療機器とクラス分類の組合せで正しいのはどれか。

  1. MRI 装置 ── クラスⅡ
  2. 血管撮影装置 ── クラスⅢ
  3. 超音波診断装置 ── クラスⅠ
  4. 放射線治療装置 ── クラスⅣ
  5. 画像診断用ディスプレイ ── クラスⅢ
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正解:1

  • クラス分類は不具合が起きたときの人体へのリスクで決まる。Ⅰ(一般医療機器)→ Ⅱ(管理医療機器)→ Ⅲ・Ⅳ(高度管理医療機器)の順にリスクが上がる。
  • 1 ○ MRI装置はクラスⅡ(管理医療機器)
  • 2 ✗ 血管撮影装置もクラスⅡ
  • 3 ✗ 超音波診断装置もクラスⅡ。クラスⅠは、不具合があっても人体へのリスクが極めて低いもの(メスやX線フィルムなど)。
  • 4 ✗ 放射線治療装置はクラスⅢ(高度管理医療機器)。クラスⅣは、生命の危険に直結する植込み型(ペースメーカ・人工心臓弁など)。
  • 5 ✗ 画像診断用ディスプレイ(画像診断ワークステーション)はクラスⅡ

問82 歯科用コーンビーム CT 装置について正しいのはどれか。

  1. 90 度回転して撮影する。
  2. 視野サイズが変更できない。
  3. ヘリカルスキャンを用いる。
  4. 幾何学的ひずみ補正が必要である。
  5. 検出器にイメージングプレートが用いられる。
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正解:4

  • 1 ✗ 1回転(180〜360度)して投影データを集める。90度では再構成に足りない。
  • 2 ✗ 目的に応じて視野サイズ(FOV)を選べる。1歯だけの小FOVから顎全体の大FOVまである。小FOVを選べば被ばくを減らせる。
  • 3 ✗ 寝台を動かさず1回転で撮る(コーンビームスキャン)。ヘリカルは全身用CTの方式。
  • 4 ○ コーンビームCTは円錐状に広がったX線を面検出器で受けるため、周辺部ほど幾何学的なひずみが生じる。再構成の前に補正が必要になる。
  • 5 ✗ 検出器は FPD または I. I.。イメージングプレートはCR(コンピューテッドラジオグラフィ)で使う。

問83 X線撮影におけるグリッドの使用について正しいのはどれか。ただし、撮影条件は一定とする。

  1. 鮮鋭度が低下する。
  2. 粒状性が向上する。
  3. 被ばく線量が減少する。
  4. 画像コントラストが向上する。
  5. 骨組織でのX線透過性が減少する。
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正解:4

  • グリッドの役目はただ1つ、散乱線を取り除くこと。散乱線は画像を白くかぶらせてコントラストを下げる原因である。
  • 1 ✗ グリッドは鮮鋭度(ボケの少なさ)には関係しない。
  • 2 ✗ 低下する。撮影条件が一定なら、グリッドで一次線も一部吸収されて受像面に届く線量が減り、量子ノイズが増えるため。
  • 3 ✗ 変わらない(条件一定のため)。実際にはグリッドを使うと露出を増やす必要があり、被ばくはむしろ増える
  • 4 ○ 散乱線が減るぶんコントラストが向上する。これがグリッドを使う唯一かつ最大の目的。
  • 5 ✗ 骨のX線透過性は骨自身の性質で決まる。グリッドは被写体より後ろにあり、透過性には無関係。

問84 一般撮影の診断参考レベルにおいて、入射表面線量が最も低い撮影はどれか。

  1. 頭部正面
  2. 頸椎正面
  3. 胸部正面
  4. 腰椎正面
  5. 骨盤正面
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正解:3

  • 1 ✗ 頭部正面は 2〜3 mGy 程度。
  • 2 ✗ 頸椎正面は 0.8 mGy 程度。
  • 3 ○ 胸部正面(0.3 mGy)。肺は空気の塊なのでX線がよく透過し、高い管電圧(120 kV 前後)で少ない線量で撮れる。一般撮影の中で最も低い。
  • 4 ✗ 腰椎正面は 3〜4 mGy 程度。
  • 5 ✗ 骨盤正面は 2〜3 mGy 程度。
  • 骨や厚みのある部位ほど線量が必要になる、という順番で覚えるとよい。

問85 頭部X線写真が示されている。撮影方法で正しいのはどれか。

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.7 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. グリッドは使用しない。
  2. X線の射出点を鼻根とする。
  3. 40〜50 kV の管電圧で撮影する。
  4. 中心X線は検出器面に対し垂直に入射する。
  5. ドイツ水平線は検出器面に対し 60 度とする。
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正解:4

  • 1 ✗ 頭部は厚みがあり散乱線が多いので、グリッドは必須
  • 2 ✗ 射出点を鼻根とするのはWaters法などの特定の撮影法。基本撮影の設定ではない。
  • 3 ✗ 頭蓋骨を透過させるには 70〜80 kV 程度が必要。40〜50 kV は乳房や四肢の末梢など、薄い部位の管電圧。
  • 4 ○ 頭部の基本撮影では、中心X線を検出器面に垂直に入射させる。斜めに入れるのは、目的の構造を重なりから外したいときの応用撮影(Waters法・Towne法など)である。
  • 5 ✗ ドイツ水平線(眼窩下縁と外耳孔上縁を結ぶ線)は、正面撮影では検出器面に垂直、側面撮影では平行にする。60度という設定はしない。

問86 乳房 MLO 方向撮影について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 圧迫圧は 40 N 程度とする。
  2. 乳房圧迫後に乳房支持台の角度を決定する。
  3. 非検側乳房が照射野内に入らないようにする。
  4. 乳房外側上部がブラインドエリアとなりやすい。
  5. 乳房支持台の角度を被検者の大胸筋と平行に合わせる。
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正解:3・5

  • MLO(内外斜位方向)は、大胸筋を含めて乳房組織を最も広く写せるポジショニング。だから角度合わせが決定的に重要になる。
  • 1 ✗ 弱すぎる。圧迫圧は 100〜150 N 程度が目安。しっかり圧迫することで厚みが均一になり、被ばくもボケも減る。
  • 2 ✗ 順番が逆。角度を決めてから圧迫する。圧迫してから角度を変えることはできない。
  • 3 ○ 反対側の乳房が入ると重なって読影を妨げ、無用な被ばくにもなる。手で寄せて照射野から外す。
  • 4 ✗ MLOでブラインドエリアになりやすいのは内側。CC(頭尾方向)と組み合わせることで、互いの死角を補い合う。
  • 5 ○ 支持台の角度(通常 40〜60度)を、その人の大胸筋の走行と平行に合わせる。体型によって最適角度は変わる。

問87 IVR で使用するガイドワイヤについて正しいのはどれか。

  1. 滅菌して再利用できる。
  2. 造影剤の誘導に用いられる。
  3. 血管刺入部の止血に用いられる。
  4. 血管内カテーテルの誘導に用いられる。
  5. カテーテルの長さよりも短いものが用いられる。
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正解:4

  • 1 ✗ 単回使用(ディスポーザブル)。再滅菌して使い回すことはできない。
  • 2 ✗ 造影剤を流すのはカテーテルの内腔。ガイドワイヤの役目ではない。
  • 3 ✗ 止血は用手圧迫や止血デバイスで行う。
  • 4 ○ ガイドワイヤは、細く柔らかい先端で目的の血管へ先に進み、その上をカテーテルが滑って追いかける(レールの役割)。血管を傷つけずに目的地へ導くための道具である。
  • 5 ✗ 逆。カテーテルを通してその先まで出す必要があるので、カテーテルより長いものを使う。

問88 X線 CT のアーチファクトと低減策の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. メタルアーチファクト ── 管電圧を下げる。
  2. ストリークアーチファクト ── 被検者を固定する。
  3. パーシャルボリューム効果 ── 薄いスライス厚を用いる。
  4. ステアステップアーチファクト ── ピッチ係数を小さくする。
  5. ビームハードニングアーチファクト ── 管電流を上げる。
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正解:3・4

  • 1 ✗ 逆。管電圧を上げると透過力が増して光子不足が改善し、メタルアーチファクトは軽くなる。
  • 2 ✗ 被検者の固定はモーションアーチファクトの対策。ストリークアーチファクトの主因は高吸収体や光子不足である。
  • 3 ○ パーシャルボリューム効果は、1つのボクセルに違う組織が混ざって平均化される現象。スライスを薄くすれば混ざりが減るので、そのまま対策になる。
  • 4 ○ ステアステップ(階段状)アーチファクトは、ヘリカルスキャンで体軸方向のサンプリングが粗いときにMPRなどで階段状に見えるもの。ピッチを小さくして密に集めるのが対策。
  • 5 ✗ ビームハードニングは、X線が物体を通るうちに硬化して線減弱係数が変わることが原因。管電流(光子の数)を増やしても解決しない。管電圧を上げる、フィルタを使う、補正アルゴリズムを使うのが対策。

問89 骨塩定量用のファントム写真が示されている。これを使用する測定法はどれか。

問89の骨塩定量用ファントムの図(出典:厚生労働省)
  1. 定量的 CT〈QCT〉法
  2. 定量的超音波〈QUS〉法
  3. X線写真濃度測定〈RA〉法
  4. 単一エネルギーX線吸収測定〈SXA〉法
  5. 二重エネルギーX線吸収測定〈DXA〉法
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正解:1

  • 1 ○ 図は QCT用の校正ファントム。背中の形に合わせて弓なりに湾曲しており、既知の濃度のリン酸カルシウム(K₂HPO₄)などを封入した円柱状の基準体が5本並んでいる。患者の背中の下に敷いて同時に撮影し、そのCT値を基準にして骨のCT値を骨密度に換算する。
  • 2 ✗ QUSは踵骨などに超音波を当てる方法で、ファントムは使うが形状がまったく違う。
  • 3 ✗ RA法は、アルミニウム階段(スケール)を手と一緒に撮って濃度を比較する方法。
  • 4・5 ✗ SXA・DXAで使うのは脊椎ファントムで、椎体を模した形をした直方体状のものが一般的。湾曲した形に基準体を並べた形状は、CTの断面で一緒に写すことを前提とするQCT特有のものである。

問90 頸椎のX線写真が示されている。矢印で示すのはどれか。

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.9 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. 棘突起
  2. 椎間腔
  3. 椎間孔
  4. 椎弓根
  5. Luschka〈ルシュカ〉関節
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正解:4

  • 1 ✗ 棘突起は後方正中へ突き出る突起で、正面像では椎体の中央に縦に並んで見える。
  • 2 ✗ 椎間腔は椎体と椎体のすき間(椎間板の入る透亮像)で、骨ではなく「あいだ」を指す。
  • 3 ✗ 椎間孔は神経根が出るトンネルで、斜位像で楕円形の穴として最もよく写る。
  • 4 ○ 椎弓根は、椎体の後方から左右に伸びて椎弓へつながる短く太い骨の柱。矢印はここを指している。
  • 5 ✗ Luschka(ルシュカ)関節は頸椎に特有の、椎体の後外側上縁にある小さな関節(鉤椎関節)。加齢で骨棘ができ、椎間孔を狭くする原因になる。

問91 頭部の血管造影写真が示されている。矢印で示すのはどれか。

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.10 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. 椎骨動脈
  2. 内頸動脈
  3. 脳底動脈
  4. 浅側頭動脈
  5. 中大脳動脈
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正解:2

  • 1 ✗ 椎骨動脈は鎖骨下動脈から分かれて頸椎の横突孔を上る血管で、後方循環に属する。
  • 2 ○ 内頸動脈は、総頸動脈から分かれて頭蓋底へ入り、海綿静脈洞の中でS字状に曲がる(サイフォン部)のが最大の目印。側面像で「く」の字を重ねたような特徴的な走行を示す。
  • 3 ✗ 脳底動脈は左右の椎骨動脈が合流して、脳幹の前面を正中に沿って上る1本の血管。
  • 4 ✗ 浅側頭動脈は外頸動脈の枝で、頭蓋の(こめかみの皮下)を走る。脳血管撮影の対象ではない。
  • 5 ✗ 中大脳動脈は内頸動脈の終枝で、シルビウス裂の中を外側へ水平に走り、扇状に枝分かれする。

問92 頸部の造影 CT 像が示されている。矢印で示すのはどれか。

🖼 別冊画像を参照 この問題の画像は、公式の別冊(午前)の No.11 です。厚生労働省の公式ページから「午前・問題・別冊」を開いてご確認ください。

  1. 気管
  2. 食道
  3. 甲状腺
  4. 総頸動脈
  5. 内頸静脈
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正解:4

  • 頸部造影CTの横断像は、正中から外側へ順に追うと整理しやすい。
  • 1 ✗ 気管は正中前方の空気(真っ黒)で、馬蹄形の軟骨に囲まれる。
  • 2 ✗ 食道は気管のすぐ後ろでつぶれた楕円形。
  • 3 ✗ 甲状腺は気管の前〜左右をまたぐ蝶形の実質臓器で、ヨードを含むため造影前から白いのが特徴。
  • 4 ○ 総頸動脈は、気管の外側にある円形で強く濃染する血管。矢印はここを指している。
  • 5 ✗ 内頸静脈は総頸動脈の外側にあり、動脈より径が大きく、断面がつぶれて不整形になりやすい。「内側が動脈・外側が静脈、丸いのが動脈」で見分ける。

問93 デジタルX線画像における雑音に最も影響を及ぼす因子はどれか。

  1. 画像の輝度
  2. 画像の彩度
  3. 焦点サイズ
  4. 後方散乱係数
  5. X線量子モトル
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正解:5

  • 1 ✗ 輝度はモニタの表示の明るさで、画像データのノイズとは別。
  • 2 ✗ 彩度は色の鮮やかさ。X線画像は白黒なので無関係。
  • 3 ✗ 焦点サイズはボケ(鮮鋭度)に効く因子で、ノイズではない。
  • 4 ✗ 後方散乱係数は入射表面線量の見積もりに使う量。
  • 5 ○ X線量子モトルは、検出器に届くX線光子の数がランダムにばらつくことによる粒状性の乱れ。これがデジタルX線画像のノイズの主成分である。光子数を NN とすると、SNRは N\sqrt{N} に比例するので、線量を増やせばノイズは減るが、被ばくとの兼ね合いになる

問94 図のような周期パターンの Michelson〈マイケルソン〉コントラストはどれか。

問94の周期パターンの図(出典:厚生労働省)
  1. 0.1
  2. 0.6
  3. 1.2
  4. 2.7
  5. 3.3
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正解:1

  • マイケルソンコントラストの定義は次のとおり。周期的なパターン(縞模様)に対して使う指標である。

CM=ImaxIminImax+IminC_M = \frac{I_{max} - I_{min}}{I_{max} + I_{min}}

  • グラフを読むと、山の値は 3.3、谷の値は 2.7。これを代入する。

CM=3.32.73.3+2.7=0.66.0=0.1C_M = \frac{3.3 - 2.7}{3.3 + 2.7} = \frac{0.6}{6.0} = 0.1

  • 分母が「和」であることが肝心。引き算だけして 0.6(選択肢2)を選ばないよう注意する。定義上、CMC_M は必ず 0〜1 の値になるので、1 を超える 3・4・5 は計算するまでもなく除外できる。

問95 エッジ法によるプリサンプルド MTF について正しいのはどれか。

  1. 単位は mm² である。
  2. ESF のトレンド補正をする。
  3. LSF は ESF を微分して得る。
  4. LSF のパワースペクトルである。
  5. 金属エッジを画素列に対して 15 度傾けて撮影する。
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正解:3

  • エッジ法の流れ:金属エッジを撮る → ESF(エッジ広がり関数)→ 微分して LSF(線広がり関数)→ フーリエ変換して MTF
  • 1 ✗ MTF は空間周波数(cycles/mm)に対する応答比なので、無次元(0〜1)
  • 2 ✗ トレンド補正をかけるのは LSF(裾のゆるやかな傾きを取り除く処理)。ESF ではない。
  • 3 ○ ESF は「境界がどれだけなまっているか」を表す立ち上がりの曲線。これを微分すると、細い線に対する応答である LSF が得られる。
  • 4 ✗ MTF は LSF のフーリエ変換の絶対値。パワースペクトルを扱うのはノイズの指標である NPS(ウィナースペクトル)
  • 5 ✗ 傾ける角度は 2〜3度とごくわずか。少し傾けることで、画素の間を細かく埋めるサンプリング(実効的に細かい標本化)ができ、画素サイズより細かい情報=プリサンプルドMTFが得られる。15度では傾けすぎ。

問96 男性の放射線業務従事者が体幹部を覆う放射線防護衣を着衣し、頸部および防護衣の内側に1か所ずつ個人線量計を着用した。実効線量を評価する算出式で正しいのはどれか。ただし、不均等被ばくに対する実効線量の算出式は以下とする。

E=0.08Ha+0.44Hb+0.45Hc+0.03HmE = 0.08\,H_a + 0.44\,H_b + 0.45\,H_c + 0.03\,H_m

EE:実効線量、HaH_a:頭部又は頸部の1 cm 線量当量、HbH_b:胸部の1 cm 線量当量、HcH_c:腹部の1 cm 線量当量、HmH_mHaH_aHbH_bHcH_c のうち最大となる1 cm 線量当量)

  1. 0.11Ha0.11\,H_a
  2. 0.08Ha+0.92Hb0.08\,H_a + 0.92\,H_b
  3. 0.11Ha+0.89Hb0.11\,H_a + 0.89\,H_b
  4. 0.11Ha+0.89Hc0.11\,H_a + 0.89\,H_c
  5. 0.08Ha+0.44Hb+0.48Hc0.08\,H_a + 0.44\,H_b + 0.48\,H_c
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正解:3

  • 線量計は2か所(頸部・防護衣の内側)にしか着けていないので、式の3つの記号を2つの実測値に振り分けていく。
  • HaH_a:頸部の線量計がそのまま HaH_a
  • HbH_b:防護衣の内側(胸部)の線量計が HbH_b
  • HcH_c:腹部は測っていない。防護衣の中は胸部も腹部も同じように遮蔽されているとみなし、Hc=HbH_c = H_b とする。
  • HmH_m:最大値は、防護衣に守られていない襟の外=頸部の HaH_a。よって Hm=HaH_m = H_a
  • あとは代入して整理するだけ。

E=0.08Ha+0.44Hb+0.45Hb+0.03Ha=0.11Ha+0.89HbE = 0.08\,H_a + 0.44\,H_b + 0.45\,H_b + 0.03\,H_a = 0.11\,H_a + 0.89\,H_b

  • 女性の場合は腹部にも線量計を着けるため HcH_c を実測でき、式の形が変わる。男性だから Hc=HbH_c = H_b と置けるという条件の読み取りがポイント。

問97 診療放射線技師法で規定されている業務範囲について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 採血のための静脈路確保
  2. 造影剤副作用時のアドレナリン筋肉内投与
  3. 造影剤注入装置で造影剤を投与するための静脈路確保
  4. 造影剤注入装置で造影剤を投与するための動脈路確保
  5. 下部消化管検査のために肛門に挿入したカテーテルからの空気吸引
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正解:3・5

  • 令和3年の法改正で業務範囲が広がったが、あくまで画像診断・治療に付随する行為に限られるというのが判断の軸になる。
  • 1 ✗ 技師が静脈路を確保できるのは造影剤やRI医薬品の投与のため。採血のための静脈路確保は認められていない。
  • 2 ✗ アドレナリンの投与は医師の行為。技師には認められていない。
  • 3 ○ 造影検査のための静脈路確保、造影剤の注入、注入後の抜針・止血までが認められている。
  • 4 ✗ 動脈路の確保は認められていない。認められているのは静脈路のみ。
  • 5 ○ 下部消化管検査のためのカテーテル挿入と、空気の注入・吸引が認められている。

問98 放射性同位元素等規制法について誤っているのはどれか。

  1. 原子力基本法の精神にのっとっている。
  2. サイクロトロンは放射線発生装置に該当する。
  3. 1 メガ電子ボルト未満のエネルギーを有するエックス線は放射線の定義に含まれる。
  4. 放射線障害予防規程を変更した場合、変更の日から 30 日以内に原子力規制委員会へ届け出なければならない。
  5. 特定放射性同位元素は、放射性同位元素であって、その放射線が発散された場合において人の健康に重大な影響を及ぼすおそれがあるものである。
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正解:3

  • 1 正しい 第1条に、原子力基本法の精神にのっとる旨が明記されている。
  • 2 正しい サイクロトロンのほか、直線加速器・シンクロトロン・ベータトロンなどが放射線発生装置にあたる。
  • 3 誤り この法律で「放射線」に含まれる電子線・X線は、1 MeV 以上のエネルギーを持つものと定められている。つまり 1 MeV 未満は含まれない。診断用X線装置がこの法律ではなく医療法で規制されるのは、このためである。
  • 4 正しい 変更の日から30日以内の届出が必要。
  • 5 正しい 特定放射性同位元素は、盗取やテロによる悪用を防ぐため、防護措置が特別に義務づけられている。

問99 国際放射線防護委員会〈ICRP〉2007年勧告における組織加重係数で、大きい順に並んでいるのはどれか。

  1. 甲状腺 → 生殖腺 → 皮膚 → 乳房
  2. 生殖腺 → 乳房 → 甲状腺 → 皮膚
  3. 生殖腺 → 乳房 → 皮膚 → 甲状腺
  4. 乳房 → 甲状腺 → 生殖腺 → 皮膚
  5. 乳房 → 生殖腺 → 甲状腺 → 皮膚
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正解:5

  • ICRP 2007年勧告(Publication 103)の組織加重係数 wTw_T は次のとおり。
wTw_T組織
0.12骨髄・結腸・肺・胃・乳房・残りの組織
0.08生殖腺
0.04膀胱・食道・肝臓・甲状腺
0.01骨表面・脳・唾液腺・皮膚
  • したがって 乳房(0.12) → 生殖腺(0.08) → 甲状腺(0.04) → 皮膚(0.01) の順で、5が正解。
  • 覚え方のポイント:1990年勧告では生殖腺が 0.20 で最大だったが、2007年勧告で 0.08 へ大幅に引き下げられ、代わりに乳房が 0.05 → 0.12 へ引き上げられた。この入れ替わりがそのまま出題されている。

問100 放射性同位元素等規制法で許可された廃棄業者によって廃棄される放射性汚染物で、不燃物に該当するのはどれか。

  1. 注射針
  2. ポリバイアル
  3. HEPA フィルタ
  4. チャコールフィルタ
  5. プラスチックチューブ
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正解:1

  • RI廃棄物は、処理方法を決めるために 可燃物・難燃物・不燃物 に分別して保管する。
  • 1 ○ 注射針は金属なので不燃物。ガラス類や金属類がこれにあたる。なお針は刺傷防止のため、専用の耐貫通容器に入れる。
  • 2 ✗ ポリバイアル(ポリエチレン製)は可燃物
  • 3 ✗ HEPAフィルタは、ろ材がガラス繊維でも枠や充填材が燃えるため難燃物として扱う。
  • 4 ✗ チャコール(活性炭)フィルタも難燃物
  • 5 ✗ プラスチックチューブは可燃物

第77回の 午後の解答・解説 もあわせてご覧ください。

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