拡散テンソル画像(DTI)とトラクトグラフィーの基礎
DTI(Diffusion Tensor Imaging:拡散テンソル画像) は、拡散強調画像(DWI)を発展させ、拡散の方向性(異方性)まで測る撮像法です。白質の神経線維の評価に使われます。
しくみ:拡散の「向き」を測る
DWIは拡散の大小を見ますが、DTIはどの方向に拡散しやすいかまで測ります。そのために6方向以上の傾斜磁場で拡散を測り、拡散の広がりを楕円体(テンソル)として表します。
- 灰白質や脳脊髄液:どの方向にも同じくらい拡散する(等方性)。
- 白質:神経線維に沿った方向に拡散しやすい(異方性が高い)。
FA(異方性の指標)
拡散の偏り具合を表す指標が FA(Fractional Anisotropy) で、0(完全に等方)〜1(強い異方) の値をとります。白質ではFAが高く、灰白質やCSFでは低くなります。FAが下がると、白質の障害(変性・浮腫など)が疑われます。
トラクトグラフィー
各画素で拡散の主方向を求め、それを隣どうしつないでいくと、神経線維束(白質路)を線で描けます。これが トラクトグラフィー で、術前の線維走行の把握などに使われます。
試験で問われやすいポイント
- DTIは拡散の方向性(異方性)を測る(DWIの発展)。6方向以上の傾斜磁場が必要。
- FAは0〜1。白質で高い。
- トラクトグラフィーは拡散の主方向をつないで神経線維を描く。
まとめ
- DTIは拡散の向きまで測り、白質の評価に強い。
- FAで異方性を数値化(白質で高い)。
- トラクトグラフィーで神経線維束を可視化できる。