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MRI

FLAIRと反転回復(IR)の基礎

反転回復(IR:Inversion Recovery) は、180°パルスで磁化を反転させてから撮像する方法です。特定の組織の信号がちょうどゼロになるタイミング(TI) で撮ると、その組織を消せます。水を消す FLAIR、脂肪を消す STIR が代表です。

反転回復のしくみ

180°パルスで縦磁化を −M₀(下向き) に反転させると、磁化は時間とともにゼロを通って +M₀ へ回復します。回復の途中でゼロになる瞬間(TI)に撮像すれば、その組織の信号は出ません。

ある組織がゼロになるTIは、おおよそ次のとおりです。

TInull0.69×T1\mathrm{TI}_{\text{null}} \approx 0.69 \times T_1

T1が長い組織ほど、ゼロになるまで時間がかかる(=長いTIが必要)という関係です。

FLAIR(水を消す)

水(脳脊髄液:CSF)は T1が長い ため、長いTI でちょうどゼロになります。FLAIRはこのTIで撮ることで、CSFの高信号を消し、脳室周囲やくも膜下腔の近くにある病変(T2高信号)を見やすくします。

FLAIRの反転回復曲線 反転回復で縦磁化がマイナスからゼロを通ってプラスへ回復する様子。T1が長い水(CSF)は遅くゼロを通過し、そのタイミング(長いTI)で撮像すると水の信号が消える。 +M₀ 0 −M₀ 時間(TI) 水のTI(長い) ここで撮像=水が消える 水・CSF(T1が長い) 脳実質(T1が短め)
図:FLAIRの反転回復。T1が長い水(緑)は遅くゼロを通る。その長いTIで撮像すると水が消える。

STIRとの違い

同じ反転回復でも、消す相手とTIの長さが違います。

消す相手T1TI
STIR脂肪短い短い
FLAIR水(CSF)長い長い

T1が短い脂肪は早くゼロになる(STIR=短いTI)、T1が長い水は遅くゼロになる(FLAIR=長いTI)という関係です。

試験で問われやすいポイント

  • 反転回復は 180°で反転 → ゼロになるTIで撮る と、その組織を消せる。
  • TI ≈ 0.69 × T1。T1が長い組織ほどTIは長い。
  • FLAIRは水(CSF)を消す(長いTI)/STIRは脂肪を消す(短いTI)。
  • FLAIRは脳室周囲やくも膜下腔の病変の検出に有用。

まとめ

  • 反転回復は TI で特定の組織を消す撮像法。
  • FLAIR=水(長いTI)/STIR=脂肪(短いTI)
  • 消したい組織のT1に合わせてTIを選ぶ、と覚えると整理しやすい。
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