MRI装置の構成(静磁場・傾斜磁場・RFコイル)
MRI装置は、大きく 静磁場・傾斜磁場・RFコイル の3つでできています。それぞれが「そろえる」「位置を区別する」「倒して受け取る」という役割を分担しています。
静磁場(B₀)
強く均一な磁場を作る、装置の主役です。多くは 超電導磁石(液体ヘリウムで冷却)で、1.5Tや3Tが主流です。
- 均一性が画質に直結します(不均一だと歪み・脂肪抑制ムラなどの原因)。
- 超電導磁石は電源を切っても磁場が消えないため、安全管理が重要です(別記事「安全管理:磁場と磁性体」へ)。
- 近年は、冷却に使う液体ヘリウムをほとんど必要としない ヘリウムフリー(少量封入式)の超電導磁石 を採用したMRIも登場しています。ヘリウムの供給不安やクエンチ時のリスクを抑えられる点で注目されています。
傾斜磁場(グラディエント)
場所によって磁場をわずかに変える磁場で、位置情報をエンコードします。x・y・zの3方向にコイルがあります。
- スライス選択・周波数エンコード・位相エンコードに使われます。
- コイルが静磁場の中で振動するため、撮像中の騒音の原因になります。
- 切り替えの速さ(スルーレート)や強さが、高速撮像や分解能に効きます。
RFコイル
ラーモア周波数のRFを送信して磁化を倒し(励起)、戻ってくる信号を受信するコイルです。
- 受信コイルは被写体に近いほどSNRが高くなります。
- 多数の小さなコイルを並べた フェーズドアレイコイル は、SNRが高く、パラレルイメージングにも使われます(別記事「パラレルイメージング」へ)。
- 送信用と受信用が別のこともあります。
試験で問われやすいポイント
- 静磁場は均一性が重要、超電導磁石は常時磁場あり。
- 傾斜磁場は位置情報のエンコード(x・y・z)、騒音の原因。
- RFコイルは励起(送信)と信号受信。受信は近いほどSNRが高い。
まとめ
- MRI装置は 静磁場(そろえる)・傾斜磁場(位置を区別)・RFコイル(倒して受け取る) の3本柱。
- 静磁場は均一性、傾斜磁場は位置エンコードと騒音、RFコイルはSNRがポイント。
- それぞれが画質・速度・安全に関わってくる。