粒子線治療(陽子線・重粒子線・ブラッグピーク)
粒子線治療 は、陽子線 や 重粒子線(炭素イオンなど) を使う治療です。これらの粒子は ブラッグピーク という性質をもち、狙った深さに線量を集中 できます。
ブラッグピーク(X線との違い)
X線は入口(体表付近)で線量が高く、奥に進むほど弱くなり、通り抜けた先(出口)にも線量が残ります。一方、粒子線は 入口の線量が低く、止まる直前で最大(ブラッグピーク) になり、その先はほぼゼロ です。
SOBP(拡大ブラッグピーク)
1本のブラッグピークは鋭すぎて、厚みのある病巣を覆えません。そこで エネルギーを変えてピークの深さをずらし、重ね合わせて 病巣の厚みに合わせます。これを SOBP(Spread-Out Bragg Peak:拡大ブラッグピーク) といいます。
陽子線と重粒子線
- 陽子線:ブラッグピークで線量を集中。生物学的な効き(RBE)はX線と大きくは変わらない。
- 重粒子線(炭素イオン):LET(Linear Energy Transfer:線エネルギー付与)が高く、RBE(Relative Biological Effectiveness:生物学的効果比)が大きい。X線が効きにくいがんにも効果が期待される。
利点と注意
- 利点:出口線量がほぼないため、周囲の正常組織を守りやすい(小児や、重要臓器に近い限局がんなど)。
- 注意:装置が大規模で コストが高い。粒子が止まる深さ(飛程)が組織によってずれるため、飛程の管理 が重要。
試験で問われやすいポイント
- 粒子線は ブラッグピーク(入口低・深部で最大・その先ゼロ)。X線は出口にも線量。
- 厚い病巣は SOBP で覆う。
- 重粒子線は高LET・高RBE。利点は正常組織温存、課題はコストと飛程管理。
まとめ
- 粒子線治療は ブラッグピーク で狙った深さに線量を集中できる。
- SOBP で病巣の厚みに合わせ、重粒子線は高RBE。
- 正常組織を守りやすい一方、コスト・飛程管理 が課題。