X線と物質の相互作用(光電効果・コンプトン散乱)
診断に使うエネルギーのX線が物質に入ると、主に 光電効果 と コンプトン散乱 が起こります。画像のコントラストや散乱線に直結する大切なテーマです。
2つの相互作用
光電効果
X線が すべてのエネルギーを内殻電子に渡して吸収され、その電子(光電子)が飛び出します。
- 起こりやすさは、原子番号Zが大きいほど・エネルギーが低いほど 急増します(おおよそ Zの3乗/エネルギーの3乗 に比例)。
- そのため、骨やヨード造影剤(高Z) がよく吸収され、コントラストの源 になります。
コンプトン散乱
X線が外殻電子と衝突し、エネルギーの一部を渡して向きを変え(散乱)、弱くなって進みます。反跳電子も飛び出します。
- 原子番号にあまり依存せず、診断の高めのエネルギー域で相対的に重要になります。
- 散乱X線は 画質を下げ(コントラスト低下)、術者・周囲の被ばく の原因にもなります(→散乱線対策)。
試験で問われやすいポイント
- 光電効果=全吸収+光電子。Zの3乗/E の3乗 に比例 → 高Z・低エネで増。コントラストの源。
- コンプトン散乱=散乱X線+反跳電子。Z依存が小さく、散乱線(画質低下・被ばく)の主因。
- 低エネルギーほど光電効果、エネルギーが上がるとコンプトンの割合が増える。
まとめ
- 診断域の主な相互作用は 光電効果 と コンプトン散乱。
- 光電効果はコントラスト(高Zで吸収)、コンプトン散乱は散乱線(画質低下・被ばく)。
- Zとエネルギーで起こりやすさが変わる。