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血管造影・IVR

IVRの被ばくと皮膚障害(基準線量・PSD)

IVRは 透視や撮影の時間が長くなりやすく、X線が当たる 皮膚の一点に線量が集中 します。そのため、一般撮影では問題にならない 皮膚障害(確定的影響) が起こりうるのが特徴です。

しきい値のある皮膚障害

被ばくには2種類あります。

  • 確率的影響(がんなど):しきい値なし。線量に応じて確率が増える。
  • 確定的影響(皮膚障害・白内障など):しきい値あり。一定量を超えると必ず現れ、線量とともに重くなる。

IVRで問題になるのは主に 皮膚の確定的影響 です。皮膚線量が増えるほど、紅斑→脱毛→潰瘍・壊死と重くなります(数値は目安で個人差があります)。

皮膚線量と皮膚障害 皮膚線量が増えるほど、紅斑・脱毛から潰瘍・壊死へと皮膚障害が重くなることを目安として示した図。確定的影響にはしきい値がある。 皮膚線量と主な皮膚障害(目安) 多い 少ない 約2 Gy:紅斑(早期・一過性) 約3 Gy:一時的な脱毛 約7 Gy:紅斑・永久脱毛 約10 Gy〜:落屑(皮膚炎) 約15 Gy〜:潰瘍・壊死 確定的影響はしきい値を超えると現れ、線量とともに重くなる
図:皮膚線量が増えるほど障害は重くなる(数値は目安・個人差あり)。確定的影響にはしきい値がある。

被ばくを表す指標

  • PSD(Peak Skin Dose:最大皮膚線量):皮膚で最も多く当たった点の線量。皮膚障害の予測に最も重要
  • 基準空気カーマ(Ka,r):装置の基準点(患者入射のおおよその位置)での空気カーマ。装置が表示・記録する。
  • 面積線量(DAP:Dose Area Product/PKA):線量と照射面積をかけた値。全体の被ばく量の目安
  • 透視時間・撮影回数も記録する。

基準点の値は装置上の固定点での値なので、実際の皮膚線量(PSD)とは一致しない 点に注意します。

管理と低減

  • 線量を記録 し、しきい値に近い・超えた場合は 患者をフォロー(皮膚の観察)。
  • 照射角度を時々変える(同じ皮膚に集中させない)。
  • 透視時間の短縮・パルスレート低減・照射野を絞る・検出器を体に近づける。

試験で問われやすいポイント

  • IVRの特徴は 皮膚への確定的影響(しきい値あり)。確率的影響は しきい値なし
  • PSD(最大皮膚線量) が皮膚障害の予測に重要。基準点の値とは一致しない。
  • 基準空気カーマ・面積線量(DAP) も指標。角度を変える・時間短縮で低減。

まとめ

  • IVRは皮膚に線量が集中し、皮膚障害(確定的影響) が起こりうる。
  • PSD・基準空気カーマ・面積線量 で被ばくを把握・記録する。
  • 角度を変える・時間短縮など、皮膚線量を集中させない 工夫が大切。
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