泌尿・生殖器の解剖(ネフロン・水腎症・女性生殖器)
腎臓は「血液から尿をこし出す装置」です。この記事では、尿ができる最小の単位であるネフロンから始めて、できた尿が流れる尿路、その通り道が詰まって起きる水腎症、そして女性生殖器までを、「尿と血液がどこを通るか」という流れの順でつなげて整理します。
腎臓とネフロン:尿はどこで作られるか
腎臓が尿を作る最小の単位をネフロン(腎単位)といいます。片方の腎臓に約100万個あります。1個のネフロンは、次の2つの部分でできています。
- 腎小体 … 糸球体(毛細血管が毛糸玉のように丸まったもの)と、それを包むボーマン囊。ここで血液をろ過する
- 尿細管 … 近位尿細管 → ヘンレ係蹄 → 遠位尿細管。ろ過した液から必要なものを再吸収し、いらないものを分泌する
尿ができる流れは、糸球体でろ過 → 尿細管で再吸収・分泌 → 集合管 → 腎盂 → 尿管 → 膀胱です。糸球体でこし出された液を原尿といい、1日に約150 Lもできます。その99%が尿細管で再吸収されるので、最終的な尿は1日約1.5 Lに濃縮されます。
尿路と水腎症:詰まると上流がふくらむ
腎臓で作られた尿は、腎杯 → 腎盂 → 尿管 → 膀胱 → 尿道という一本道を通って出ていきます。この通り道のどこかが詰まると、それより上流に尿がたまって腎盂・腎杯がふくらみます。これが水腎症です。
ポイントは、水腎症の原因は必ず「尿路のどこかの閉塞」だということです。結石・腫瘍(前立腺癌・膀胱癌など)・妊娠子宮による圧迫・神経因性膀胱などが原因になります。逆に、腎実質そのものの病気(慢性腎炎・急性糸球体腎炎など)は水腎症の原因になりません。通り道は詰まっていないからです。
副腎と腎臓の位置
腎臓は背中側、後腹膜にある臓器です(消化器の記事の後腹膜の話とつながります)。左右の腎臓の上に帽子のように乗っているのが副腎です。副腎は腎臓と名前が似ていますが、はたらきはまったく別で、ホルモンを出す内分泌腺です(皮質からコルチゾール・アルドステロン、髄質からアドレナリンなど)。副腎のホルモンのくわしい話は、次の内分泌の記事でまとめます。
女性生殖器:子宮はどこにあるか
女性の骨盤内では、前から順に恥骨 → 膀胱 → 子宮 → 直腸と並びます。子宮は膀胱と直腸のあいだにあり、通常は前に傾いて前に曲がった前傾前屈の姿勢をとっています。
卵巣は卵子を育てて排卵し、女性ホルモンを出す臓器です。排卵された卵子は卵管に取り込まれて子宮へ運ばれます。この卵巣のはたらきが、月経周期を作ります。
月経周期は、原因と結果を追えば順番が決まります。
- 卵胞期 … 卵胞(卵子の入った袋)が育つ
- 排卵 … 育った卵胞から卵子が飛び出す
- 黄体期 … 排卵したあとの卵胞が黄体に変わる
- 月経 … 妊娠しなければ黄体が退縮し、子宮内膜がはがれて出血する
なお、妊娠して大きくなった子宮は尿管を圧迫することがあり、これが水腎症(とくに右側)の原因になります。前半の「水腎症=閉塞」と、生殖器の解剖がここでつながります。
まとめ
- ネフロン(腎単位)=腎小体(糸球体+ボーマン囊)+尿細管(近位・ヘンレ・遠位)。腎杯・腎盂・集合管は含まない(尿を集める排出路)
- ろ過は糸球体だけの仕事。原尿は1日約150 L、その99%を尿細管で再吸収して尿は約1.5 Lに
- 尿の通り道は腎杯 → 腎盂 → 尿管 → 膀胱 → 尿道。IVUもこの順に造影される
- 水腎症=尿路の閉塞(結石・腫瘍・妊娠子宮・神経因性膀胱)。腎実質の病気は原因にならない
- 女性骨盤は前から恥骨 → 膀胱 → 子宮 → 直腸。子宮は前傾前屈。月経周期は卵胞期 → 排卵 → 黄体期 → 月経
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