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MRI

MRアンギオ(TOF法・PC法)の基礎

MRアンギオ(MRA) は、造影剤を使わずに血管を描き出せる撮像法です。代表的なのが TOF法(流入効果)PC法(位相差) です。どちらも「血液が動いている」ことを利用します。

TOF法(Time of Flight:流入効果)

短いTRのGRE法で同じ場所を繰り返し励起すると、静止している組織は飽和して信号が下がります。一方、新しく流れ込んできた血液は飽和しておらず、高信号になります。この差で血管を描くのがTOF法です。

TOF法の流入効果 撮像範囲の静止組織は繰り返しの励起で飽和して暗くなり、下から新しく流れ込む血液は飽和していないため明るく描出されることを示した模式図。 静止組織=飽和 (暗い) 血流 新しい血液 =高信号
図1:TOF法。静止組織は飽和して暗く、流れ込む新しい血液は明るく描出される(流入効果)。
  • 長所:造影剤が不要。比較的シンプルで広く使われる。
  • 短所遅い血流や撮像面に平行な血流は飽和して描出が低下する。乱流でも信号が落ちる。動脈と静脈の分離には飽和帯(プリサチュレーション)を使う。

PC法(Phase Contrast:位相差)

血液が動くと、傾斜磁場のもとで位相がずれます。静止組織は位相がずれません。この位相差を信号にするのがPC法です。

PC法の位相差 静止しているスピンは位相がそのままで、動いているスピンは位相がずれることを、ベクトルの向きの違いで示した模式図。 静止:位相そのまま 動く:位相がずれる
図2:PC法。動いているスピンは位相がずれる。この差を使って血流を描く。

PC法では VENC(速度エンコード) という設定で、捉えたい流速の範囲を決めます。流速の情報(定量) が得られ、背景組織の抑制も良好です。

  • 長所血流速度を定量できる。背景抑制が良い。遅い流れにも対応しやすい。
  • 短所:VENCの設定が必要(合わないと折り返しなどが起こる)。撮像時間が長くなりやすい。

TOF法とPC法の比較

TOF法PC法
原理流入効果(飽和の差)位相差
速度の定量できないできる
背景抑制やや劣る良好
弱点遅い流れ・面内血流に弱いVENC設定・撮像時間

試験で問われやすいポイント

  • TOF法は 流入効果(静止組織は飽和、流入血は高信号)。
  • TOFは 遅い血流・撮像面に平行な血流 に弱い。動静脈の分離は 飽和帯
  • PC法は 位相差 を使い、VENC で流速範囲を設定。速度の定量ができる。

まとめ

  • MRAは造影剤なしで血管を描く。代表は TOF(流入効果)PC(位相差)
  • TOFはシンプルだが遅い流れに弱い。PCは速度定量ができるが設定と時間が必要。
  • 目的(部位・血流の速さ・定量の要否)に応じて使い分ける。
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