パラレルイメージング(SENSE・GRAPPA)の基礎
パラレルイメージング は、複数の受信コイル(フェーズドアレイ) を使ってMRIの撮像を速くする技術です。k空間の基礎(中心=コントラスト、周辺=分解能、位相エンコードを1行ずつ埋める)を前提にすると理解しやすいので、先に別記事「k空間の基礎」を読むのがおすすめです。
しくみ:位相エンコードを間引く
撮像時間は、k空間を埋める 位相エンコードの行数 に比例します。パラレルイメージングでは、この位相エンコードを間引いて(飛ばして) 行数を減らし、撮像を速くします。
ただし、行を間引くと本来は 折り返し が起こります。そこで、各コイルの感度の違い(感度マップ) の情報を使って、計算で正しい画像に復元します。
間引く割合を 加速係数(R) と呼びます。R=2なら行数は半分、撮像時間もおよそ半分です。
SENSEとGRAPPA
復元のやり方で、大きく2つに分かれます。
| 復元する場所 | 特徴 | |
|---|---|---|
| SENSE | 画像空間 | 折り返した画像を、感度マップで展開して分離 |
| GRAPPA | k空間 | 間引いて欠けたk空間の行を、周囲から補完 |
- SENSE:いったんできた折り返し画像を、各コイルの感度を使って画像の段階でほどきます。
- GRAPPA:k空間の段階で、測っていない行を周囲のデータから推定して埋めます。
長所と短所
- 長所:撮像時間を短縮できる。息止めが短くて済む、動きに強い、エコートレインを短くできる(歪み軽減)など。
- 短所:SNRが低下する。一般に加速するほど画質は犠牲になり、感度マップが不正確だと復元しきれずアーチファクトが残る。
試験で問われやすいポイント
- パラレルイメージングは 複数コイルの感度 を使って 位相エンコードを間引く。
- SENSEは画像空間、GRAPPAはk空間 で復元する。
- 加速の代償として SNRが低下 する。
まとめ
- パラレルイメージングは 複数コイル+間引き で高速化し、コイル感度で復元する。
- 復元の場所が 画像空間(SENSE)/k空間(GRAPPA) で違う。
- 速くなるぶん SNRは下がる。加速係数は目的に応じて選ぶ。