TR・TE・フリップ角と画像コントラスト
MRIの画像コントラストは、おもに TR(繰り返し時間)・TE(エコー時間)・フリップ角 で決まります。この3つの意味を押さえると、強調画像の作り分けが理解できます。
TRとTEとは
- TR(Repetition Time):1回の励起から次の励起までの時間。
- TE(Echo Time):励起からエコー(信号を読む瞬間)までの時間。
TR・TE・フリップ角は何を変えるか
- TRは T1コントラストを左右します。TRが短いと、T1の差(回復の速さの差)が信号に出る → T1強調。TRが長いとT1の差は消えます。
- TEは T2コントラストを左右します。TEが長いと、T2の差(減衰の速さの差)が信号に出る → T2強調。TEが短いとT2の差は消えます。
- フリップ角は、RFで磁化を倒す角度です。小さくすると縦磁化が多く残るので短いTRでも撮れて高速になり(GRE法)、コントラストも変わります。標準的なスピンエコーでは90°+180°を使います。
フリップ角とコントラスト
スピンエコーでは90°+180°で固定なので、フリップ角でコントラストを調整するのは主に GRE法(短いTR) です。GRE法では、フリップ角がコントラストを大きく左右します。
- 大きいフリップ角(90°に近い)→ 縦磁化を多く使うため、T1の差が出やすく T1強調が強まる。
- 小さいフリップ角 → T1の影響が小さくなり、プロトン密度や 寄りのコントラストになる。
なお、あるTRとT1の組み合わせで信号が最大になるフリップ角を エルンスト角 と呼びます。
3つの強調画像とのつながり
TRとTEの長短を組み合わせると、3つの強調画像になります(詳しくは別記事「T1・T2・プロトン密度の違い」へ)。
| 強調画像 | TR | TE |
|---|---|---|
| T1強調 | 短い | 短い |
| T2強調 | 長い | 長い |
| プロトン密度強調 | 長い | 短い |
考え方:TRを短くするとT1の差、TEを長くするとT2の差が出る。両方とも差が出にくい条件(TR長・TE短)が、プロトン量の差を見るPD強調です。
試験で問われやすいポイント
- TR=励起の繰り返し時間/TE=励起からエコーまで。
- TR短→T1強調、TE長→T2強調、TR長・TE短→PD強調。
- フリップ角を小さくすると高速撮像(GRE)に向く。
まとめ
- コントラストは TR・TE・フリップ角 で決まる。
- TRはT1、TEはT2 を主に左右する。
- 強調画像の作り分け(T1/T2/PD)は、このTR・TEの長短の組み合わせ。